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【裳華房】 メールマガジン「Shokabo-News」連載コラム 
裳華房 編集子の“私の本棚”

禁無断転載 → 裳華房メールマガジン「Shokabo-News」

第41回 あなたは本番に強いタイプですか?

善家 賢 著『本番で負けない脳』(新潮社)

 リオオリンピックが終わり、パラリンピックが始まった今日この頃。編集子のZです。オリンピックを始めとするスポーツ観戦が大好きな私。その中で悔しいと思うのは、選手が最高のパフォーマンスを発揮できていないと感じるときです。プレッシャーでしょうか? コンディショニングが整わなかった? その瞬間に最高の状態を持ってくるのはどれほど難しいことでしょう。
 ただ、その一方で驚くほどのハイ・パフォーマンスを見せてくれる選手もいます。よく「勝負強い」「本番に強い」と言われる選手です。では、この選手と出来なかった選手との違いは何でしょう? 「本番に強い」選手になることはできますか?
 この本の中では、実際に北京オリンピックの水泳代表選手に対して行われた脳科学の講義について、また、海外での、脳波を計測しテクノロジーを利用したトレーニングを行うことで「自身で脳波をコントロール」し、競技に最適な状態を作っていけるという理論・方法論を紹介しています。
 驚いたのは、このトレーニングを続けていく中で、ピーク・パフォーマンス=ZONE(ゾーン)にも入ることができる、と実践している科学者が述べていることです。「ZONE(ゾーン)に入る」とは、スポーツ選手が極限まで集中し“無思考の状態”、著者は日本語で言うと「無我の境地」とでも言おうかと述べていますが、多くのスポーツ選手にとっても極めてまれな状態です。当人が経験のない境地にまで、脳科学が連れて行ってくれるかもしれない、というのが私にとっては驚きであり、怖さも感じた箇所でした。
 脳科学については、まだまだ未知数のことが多く、また脳科学が全てを解き明かすものではないこともこの本では触れられています。しかしながら、著者は「取材を通して、日本でも筋肉を鍛えるのと同様、脳を鍛えることがより日常的におこなわれる日が、遠からずくるのではないかと感じた」と記しています。この本が書かれてから6年を経た今回のオリンピックで、日本チームは好成績を残しました。もしかしたら、その影には脳トレーニングの存在があったのでしょうか。では、次の東京オリンピックではどうなっているのでしょう?
 興味をもたれた方は、ぜひご一読ください。


【今回ご紹介した書籍】
『本番で負けない脳 −脳トレーニングの最前線に迫る−
  善家 賢 著/四六判/190頁/定価(本体1300円+税)/
  2010年1月/新潮社/ISBN 978-4-10-322031-2/版元品切れ中


「裳華房 編集子の“私の本棚”」 Copyright(c) 裳華房,2016
Shokabo-News No. 328(2016-9)に掲載 



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