雑誌『生物の科学 遺伝』51巻5月号(1997)
B5判 80頁 



【特集 バイオテクノロジーによる環境浄化/近藤矩朗 企画】
     環境汚染をくいとめることは,われわれに課せられた最も大きな課題の一つである.現在,環境汚染物質の除去のため,バイオテクノロジーを用いたさまざまな研究が展開されている.温暖化を招く二酸化炭素,酸性雨や光化学オキシダントの原因となる二酸化窒素,さらに硫黄化合物,土壌中の難分解性物質,さきのタンカー事故で問題になっている石油など,汚染物質除去研究の実際を紹介する.

    特集にあたって(近藤矩朗)
    環境中の元素・分子(犬伏和之)
    微生物による土壌の浄化(矢木修身)
    排気ガスを好む植物を創る(森川弘道)
    炭酸脱水酵素による二酸化炭素固定の促進(福澤秀哉)
    遺伝子組換え大腸菌によるリンの除去(黒田章夫・加藤純一・大竹久夫)
    遺伝子組換え植物による硫黄大気汚染物質の解毒−システインシンターゼを過剰発現する植物の利用(ショハブ・ユーセフィアン)
    油汚染土のバイオレメディエーション−クウェート国ブルガン油田における現地実証試験(辻 博和・千野裕之)
【今月の解説】
    海洋石灰藻によるCO2固定(白岩善博)
【トピックス】
    見方を変えたら地層の表面は恐竜の足跡だらけと気がついた(石垣 忍)
【連 載】
    連載エッセイ・自然と私/人類学者の自然観(片山一道)
    植物文化史/サクランボ−百果のさきがけ(臼井英治)
    実験・観察のページ/地域の社寺林による環境評価(山田和彦)
    江戸東京の自然誌/浅草海苔と大森・品川海岸(唐沢孝一)
    ヒトの遺伝をめぐる12の疑問/遺伝カウンセリング(中込弥男)
    海の向うのワンダーランド−海外調査こぼれ話/霧の中のお花畑−南米の砂漠にロマス植生を追う(増沢武弘)
    実験生物ものがたり/ニワトリ・ウズラ(水野丈夫)



         

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