雑誌『生物の科学 遺伝』 1998年11月号(52巻11号)
B5判 80頁 


【特集 内分泌撹乱化学物質−いわゆる「環境ホルモン」を考える/井口泰泉 企画】
     内分泌撹乱化学物質(環境ホルモン)という言葉にふれない日はないというほど,この問題は連日テレビ・新聞で報道されている.しかし,内分泌撹乱作用が疑われている多くの化学物質についての基礎的なデータ,そして多くの生物についての発生・生理・生態についてのデータはあまりにも少ない.この問題をどうとらえ,どう立ち向かうべきなのか.現在の調査・研究の動向を紹介し,これから進むべき道を考える.
    内分泌撹乱化学物質の何が問題か?(井口泰泉)
    内分泌撹乱化学物質(環境ホルモン)とは何か(高杉 暹)
    海産巻貝類のインポセックス:雌の雄性化現象−内分泌撹乱化学物質による野生生物への影響(堀口敏宏)
    内分泌撹乱化学物質をどうやって検出するか(川崎 一・庄野文章・松尾昌季)
    内分泌撹乱化学物質への国際的な動向(椎葉茂樹)
【今月の解説】
    はらわたの左右が進化する−巻貝の鏡像進化(浅見崇比呂)
    “みどりの香り”はなぜヒトの心を癒すのか−植物とヒトとの不思議な因縁(畑中顯和)
    外生菌根菌の利用−環境と調和した森林再生に向けて(宝月岱造)
【トピックス】
    「ポケモン事件」と光感受性発作(高橋剛夫)
    運動と持久力−根性か遺伝的素質か(中込弥男)
【連 載】
    連載エッセイ・自然と私/農村の復元によってよみがえった生物(守山 弘)
    江戸東京の自然誌(唐沢孝一)/神戸の震災樹木を訪ねて
    植物文化史(臼井英治)/ダイズ−東洋食文化の担い手
    実験・観察のページ/
     視覚障害者のための実験生物科学−酵素のはたらきを見る(菊山宗弘)
    進化の支流と本流(石川 統)/インシュレーター−ゲノムを区分するもの
    海の向うのワンダーランド−海外調査こぼれ話/果てしなく続く内蒙古の大草原に立って(高槻成紀)
    研究室・研究所めぐり/九州大学・理学部・生物学科・分子遺伝学講座(大島靖美)
    季節の樹木誌(八田洋章)/イヌブナ Fagus japonika ブナ科・ブナ属
    生物ライブラリー/『インフルエンザと戦う』『木の見かた,楽しみ方』『人類遺伝学』



         

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