雑誌『生物の科学 遺伝』 1998年9月号(52巻9号)
B5判 80頁 


【特集 性の進化/巌佐 庸・矢原徹一 企画】
    ごく身近な現象でありながら,「性」の存在は生物学上の大きな謎である.生物は,子孫をつくるためになぜ自らの遺伝子を他個体の遺伝子と混ぜ合わせるのか.性の有利さとは何か.ここでは,性の起源を説明するいくつかの仮説を紹介すると共に,鳥類やヒトで性分化がどのように進んだか,雌雄間でどんなかけひきがあるか等,性に関する幅広い話題を取りあげた.

    性の進化−特集にあたって(巌佐 庸・矢原徹一)
    性はなぜあるのか?−病原体との共進化理論の展開(佐々木 顕)
    赤の女王を追って−性を捨てたヒヨドリバナとジェミニウイルスの共進化(矢原徹一)
    反「利己的遺伝子」戦略としての性(小林一三)
    植物の性表現−利己的遺伝子としての雄性不稔(牧 雅之)
    鳥類の配偶者選び−よく子の世話をする雄を求めて(原田祐子・巌佐 庸)
    ヒトにおける性淘汰と認知性差(長谷川寿一)
【トピックス】 【連 載】
    連載エッセイ・自然と私/自然に返すという思想(畠山武道)
    江戸東京の自然誌(唐沢孝一)/仙台堀川と亀戸原風景
    植物文化史(臼井英治)/シオン―鬼の獅子草
    実験・観察のページ/紫外線の生物への影響を学ぶ−紫外線センサを利用したクチクラ層に対する透過実験(高橋ちぐさ)
    進化の支流と本流(石川 統)/多胚性寄生蜂という生き方
    海の向うのワンダーランド−ペンギンに会うためにはるばる南極へ(加藤明子)
    研究室・研究所めぐり/琉球大学 熱帯生物圏研究センター瀬底実験所(村井 實)
    季節の樹木誌(八田洋章)/ヒトツバハギ Securinega suffruticosaトウダイグサ科・ヒトツバハギ属
    生物ライブラリー/『昆虫大全』『かたちの進化の設計図』『生命誌の窓から』『遺伝子を観る』『脳と生殖』



         

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