雑誌『生物の科学 遺伝』2001年3月号(55巻2号)
B5判 112頁 


【特集 寄生虫の生物学−寄生適応の分子メカニズム/堀井俊宏・北  潔 企画】
     寄生虫には単細胞や多細胞のさまざまな生物群が含まれ,複雑な生活 環をもち,それぞれが宿主の免疫機構から逃れる術を身につけています. 近年の生物学的手法の発達によって,その系統関係や,どのように宿主 内の環境に適応してきたかが,分子レベルで明らかにされてきています.  日本ではなかば過去のもののように思われている寄生虫症ですが,世 界的にみれば現在も増加を続けています.そして今後,人口増加や開発, 地球環境の温暖化に伴い,ますます私たちに脅威を与える可能性が高ま っています.寄生虫とはどのような生物なのか,その現在をお伝えしま す.
    寄生虫の生物学−本特集の序にかえて(堀井俊宏・北  潔)
    原虫類の進化−微胞子虫とマラリア原虫の系統的位置(橋本哲男)
    寄生蠕虫類(住血吸虫類)の分子系統(吾妻 健
    マラリア原虫の寄生戦略(堀井俊宏
    マラリアネット
    マラリア原虫の遺伝と集団生物学(田辺和裄
    寄生線虫における低酸素適応(北  潔)
    寄生虫感染と免疫応答(渡辺直煕)
    感染ストレスと生体の反応−熱ショックタンパク質(HSP)の機能
     (石井一成・姫野國祐)
シリーズ 検証・20世紀の生物科学/遺伝編集委員会 企画】
    神経系の情報伝達−シナプスの世紀(高垣玄吉郎)
    比較行動学から行動生物学へ(青木 清
【トピックス】
    マラリア原虫は植物だった(黒岩常祥)
    2000年ノーベル生理学・医学賞は神経伝達の役割を解明した3人の神経科学者が受賞(南部 篤
    アブラムシの共生細菌「ブフネラ」のゲノム解析(重信秀治)
    紅色細菌は最も初期の光合成系を受け継いでいる(井上和仁・中原昌明)
    オジギソウの素早い運動(土屋隆英
【連 載】
    万里同符−トロイカエッセイ/鉄腕アトムは可能か?(澤口俊之)
    実験・観察のページ/植生遷移はコケから始まる?−大島の植生遷移から
     (市石 博)
    動物たちの気になる行動/海底を疾走するウニ(金沢謙一)
    病気と遺伝子/糖尿病と遺伝子(中込弥男)
    環境保全の現状/屋久島の保全(湯本貴和
    進化研究のコンセプトを語る/実験進化学の立場から−進化の加速
     (古澤 満)
    研究室・研究所めぐり
     京都大学大学院・農学研究科・応用生命科学専攻・
     生化学講座・化学生態学分野(桑原保正)
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     こでまり咲コスモス/花の咲かないナギナタコウジュ/性染色体を
     XとYの記号で表すことに統一された根拠を知りたい
    生物ライブラリー
     『わたしたちはどこから来てどこへ行くのか?』
     『心はどのように遺伝するか』『進化の風景』『家庭でできる植物実験』
     『動物遺伝学』



         

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