雑誌『生物の科学 遺伝

2005年1月号(59巻1号)
B5判/112頁/

【特集 科学コミュニケーション−生物学と社会の新しい関係づくり
 /林  衛・加藤和人・佐倉 統 企画】

 進展の著しい生物学分野では,研究活動への社会の支持を得るために,そして何より専門家を含む一般市民が科学リテラシーを高めて深く考え判断し,科学にかかわることで自らの生活をより豊かにするために,従来の「科学普及」「科学啓蒙」とは違った,新しい双方向・多方向の科学コミュニケーションが求められている.
 本特集では,生物学分野ですでに実績のある科学コミュニケーション活動を紹介するとともに,今後の科学コミュニケーション活動の課題や方向性を探る.

    ・なぜいま「科学コミュニケーション」なのか? −特集にあたって
      (林  衛加藤和人佐倉 統)   →こちらから読めます (pdfファイル,4.8MB)
    ・生命科学の世紀における理科教育の創造に向けて 
       −科学リテラシーから教育内容を捉えなおす(石渡正志・林  衛
    ・物づくりを通して生命科学を考える 
       −JT生命誌研究館における実践工藤光子
    ・コラム:「アート」は「サイエンス」を救えるか? 
       −キーワードは「科学者にとっての自己表現」(高田洋一・石村源生)
    ・新聞と映画の中のバイオサイエンス 
       −肯定度を科学量論的に評価する白楽ロックビル
    ・テレビと科学コミュニケーション 
       −科学番組制作の現場から(村松 秀・井上智広)
    ・コラム:科学を語りあうことのおもしろさ 
       −広がる「ゲノムひろば」スタイル林  衛
    ・生活者による専門知の実践的活用に向けて(上田昌文 
    ・コラム:科学と社会の幸せな関係を求めて 
       −英国における「科学の公衆的理解」の転換期(岡橋 毅)
    ・科学コミュニケーション人材の養成に向けて(渡辺政隆) 
    ・インタビュー: 
      「科学を社会全体の知的財産として表現できる科学コミュニケーターを」(浅島 誠
      「イデオロギー化した生物学が科学至上主義に陥らないために」(西川伸一
      「知識の羅列ではなく,明解な日本語で その意味するところを語ろう」(長谷川眞理子)
【トピックス】
    ・2004年度 ノーベル化学賞,ユビキチンの機能を解明した研究に(岩井一宏
    ・2004年度 ノーベル生理学・医学賞,嗅覚受容体の遺伝子の単離に(坂野 仁) 
    ・第20回 国際生物学賞はT・カバリエ-スミス博士に 
       −現代生物進化学,系統分類学の牽引役(井上 勲)
    ・地球シミュレータによる最新の地球温暖化予測 
       −2100年までの日本の夏の気候予測(住 明正)
    ・スポーツと遺伝子(中込弥男) 
    ・“かはく”,自然史展示への新たなる挑戦(遠藤秀紀) 
【私のメモ】
    ・日本における科学リテラシーと基礎教育の重要性(小林 興)
【連 載】



         

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