雑誌『生物の科学 遺伝

2005年3月号(59巻2号)
B5判/112頁/

【特集 I ヤンバルクイナに明日はあるか/山岸 哲 企画】

 沖縄の“やんばる(山原)”に生息するヤンバルクイナは,このまま手をこまねいていると,近い将来トキの二の舞を演じる危険性があるという.日本固有のこの鳥を絶滅から救うために,現在の生息状況,減少要因,保全対策などを紹介し,今後の保全への課題を展望する.

    特集にあたって −なぜいまヤンバルクイナか(山岸 哲)
    ・ヤンバルクイナの発見から命名まで(真野 徹) 
    ・ヤンバルクイナの分布域と個体数の減少(尾崎清明) 
    ・ノネコ,マングースによるヤンバルクイナの捕食(伊澤雅子) 
    ・ヤンバルクイナの交通事故死(小高信彦) 
    ・グアムクイナ保護の20年(ウェニンガー, P.[講演]/ 百瀬 浩[構成・執筆]) 
    ・ヤンバルクイナを守るために,私たちはいま何をするべきか(山岸 哲) 

【特集 II 国際生物学オリンピックによせて/遺伝編集委員会 企画】

 わが国はこれまで未参加であった国際生物学オリンピックであるが,本年 7 月の大会参加に向けて準備が始まった.昨年開催された第15回大会の視察報告・出題傾向と,化学・物理分野での状況を紹介する.

    ・国際生物学オリンピック 第15回大会:視察報告(松田良一)
    ・国際生物学オリンピック 第15回大会:出題傾向(松田良一) 
    ・国際化学オリンピックと「全国高校化学グランプリ」(伊藤 卓) 
    ・国際物理オリンピックと「物理チャレンジ2005」(北原和夫) 
【トピックス】
    ・インドネシア・フローレス島で新種の小型人類 発見される(近藤 修)
    ・更新世末に大型哺乳類の大量絶滅はあったのか?(甲能直樹) 
    ・最古の棘皮動物化石発見か?(大路樹生) 
    ・がんと遺伝子(中込弥男) 
【今月の話題】
    ・チンパンジーの文化:最近の研究動向(西田利貞)
    ・野生マウスから見えるもの −「生きものとしてのヒト」のモデルを考える(森脇和郎) 
【連 載】
    表紙によせて/桜(本橋英二)
    ウチの目玉収蔵品 紹介(22)/琉球大学資料館 
      《イリオモテヤマネコ Felis iriomotensis 幼獣の液浸標本と成獣毛皮のパラタイプ標本》
      《キクザトサワヘビ Opisthotropis kikuzatoi のホロタイプ標本》
    生き物の不思議(18)/ 
      ヌタウナギの不思議 −生きた化石の大胆不敵なゲノム戦略(藤川典子・河野晴一・久保田宗一郎)
    環境保全の現状(40)/ 
      やんばる,国頭村の森の保全 −地域住民とのかかわりを含めて(澤志泰正)
    研究室・研究所めぐり(55)/ 
      独立行政法人 製品評価技術基盤機構 バイオテクノロジー本部(浜田盛之・安藤勝彦)
    実験・観察のページ(306)/ 
      ペチュニアの葉を利用した実験 −表皮細胞・孔辺細胞・毛・原形質分離・プロトプラスト
      (池部千賀子・佐橋紀男)
    がんばれ生物クラブ(16)/ 
      埼玉県立松山高等学校 −トウキョウサンショウウオの研究
      (服部明正・石川好夫)
    生物ライブラリー/ 
      『植物の観察と実験を楽しむ
      『ダーウィン文化論』
      『虫を食べる文化誌』
      『鳥たちの森』
      『動物進化形態学』



         

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