雑誌『生物の科学 遺伝

2005年5月号(59巻3号)
B5判/112頁/

【特集 「生物多様性」を捉えなおす −人間社会との関係を考える10の視点−
   
/正木春彦・伊藤元己 企画】

 外来種の移入や遺伝子組換え作物,地球温暖化など社会的な問題・文脈の中で,「生物多様性」という言葉がさまざまに使われているが,その実体が一般の人に伝わっているとはいいがたい状況にある.本特集では,異なった立場の専門家に,それぞれのテーマを中心に,現代社会における「生物多様性」の意味と問題点,社会との関わり方などについて語ってもらった.

    ・特集にあたって(正木春彦・伊藤元己)   →こちらから読めます
    ・【インタビュー】生物多様性とは何か(鷲谷いづみ) 
    ・ミナミマグロは絶滅するか(松田裕之) 
    ・生物多様性の視点から見えてくる京都議定書のもう一つの顔 
       −相互連関を考慮した政策の意義(石井 敦)
    ・生物多様性と京都メカニズム(椿 宜高) 
    ・生物多様性保全のための情報基盤(志村純子) 
    ・カルタへナ法制定の経緯と概要(嶋野武志) 
    ・カルタヘナ議定書と国内規制の問題点(吉倉 廣) 
    ・組換え作物による生物多様性への影響を評価する(松尾和人・岡 三徳) 
    ・遺伝子組換え作物の拡散制御技術と利用管理(渡邉和男) 
     ・コラム:カルタヘナ議定書は貿易交渉の背景が濃い/
          カルタヘナ議定書は本当に科学的か?/
          遺伝子組換え体の国際ルールは規制緩和されるか?(渡邉和男)
【トピックス】
    ・カモノハシの性染色体(中込弥男) 
    ・ヨーロッパにおける熱波への人間活動の影響(羽島知洋) 
【今月の話題】
    ・実験用ラットの有用性 −ナショナルバイオリソースプロジェクト「ラット」
       (真下知士・直井国子・庫本高志・芹川忠夫)
    ・植物の感染防御のしくみ(瀬尾茂美・光原一朗・飯 哲夫) 
【その他の記事】
    ・巨星の一世紀:アーンスト・マイアを悼む(渡辺政隆)
【連 載】
    表紙によせて/「新緑」(本橋英二)
    ウチの目玉収蔵品 紹介(23)/ 
      斎藤報恩会自然史博物館 《最大級の二枚貝 オオシャコガイ Tridacna gigas
      瑞浪市化石博物館 《ビカリアVicarya と「月のおさがり」》
    生き物の不思議(19)/ 
      クモのようでクモでない −ウミグモ類のかたちと生き様の不思議(宮崎勝己)
    【新連載】野生動物はいま −人との軋轢の中で(1)/ 
      ニホンザルはいま −里のサルとの「共存」をめざして(室山泰之)
    環境保全の現状(41)/ 
      南極における環境保全 −廃棄物の処理をめぐって(増沢武弘)
    研究室・研究所めぐり(56)/ 
      独立行政法人 食品総合研究所 食品害虫研究室(宮ノ下明弘)
    がんばれ生物クラブ(19)/ 
      同志社香里高等学校 −セミの研究(古本 大)
    生物ライブラリー/ 
      『知能の謎』
      『タバコモザイクウイルス研究の100年』
      『クスノキと日本人』
      『ジャガイモとインカ帝国』
      『日本湖沼誌 II 』
      『〈三内丸山遺跡〉植物の世界
      『生命とは何か』



         

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