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裳華房メールマガジン (Shokabo-News)
バックナンバー(No.298;2014年4月号)

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  Shokabo-News No.298                2014/4/7
  裳華房メールマガジン 2014年4月号
  http://www.shokabo.co.jp/m_list/m_list.html

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◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ 今回のご案内 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 ◇ 新刊
   粟野一志・P川 透 共編
    『少しはやる気がある人のための 自学自修用 有機化学問題集』
    武村政春 著『ベーシック生物学』

 ◇ 裳華房 編集子の“私の本棚”(12)
   デカルト 著『方法序説』(ワイド版岩波文庫)

 ◇ 最近の話題
   原始宇宙の重力波の証拠を初観測

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Shokabo-News 会員の皆様

 新入生や新入社員を迎え,フレッシュな息吹を感じている方も多いかと思い
ます.
 配信が遅くなりましたが,Shokabo-News 2014年4月号をお届けいたします.

 今月のShokabo-Newsでは, 4月の新刊2点のほか,「裳華房 編集子の“私
の本棚”」ではデカルトの『方法序説』を,不定期連載「最近の話題」では,
今後の物理学の歴史を書き換えるかもしれない重力波の観測について取り上げ
ました.
 なお「鹿野司の“読書ノート”」は執筆者の都合により休載させていただき
ます.また,しばらく休載しておりました「裳華房の“古書”探訪」も次号か
ら再び連載を開始する予定ですので,楽しみにお待ちください.

 ご意見・ご感想を m-list@shokabo.co.jp までお寄せいただければ幸いです.
(Twitterをお使いの方はアカウント @shokabo まで)


 ★ お知らせ ★

1.4/1より消費税率が5%から8%に変わりました.裳華房Webサイト内の各
  書籍の価格表示について,表記の切り替えの終わっていない場合がありま
  す.悪しからずご了承ください.

2.工学書協会フェアを開催します.
 ・京都産業大学 紀伊國屋書店BC(5/6〜6/30)
 ・大阪大学生協 工学部店(6/1〜6/30)
 ・大阪大学生協 豊中店(6/1〜6/30)

3.「大学・短大・高専用教科書のご案内」
  http://www.shokabo.co.jp/text.html

4.【講義担当の先生方へ】講義用 教授資料のご案内
  http://www.shokabo.co.jp/textbook/text-tm.html

5.訂正表・正誤表や新しい演習問題など「書籍のサポート情報」.
  http://www.shokabo.co.jp/support/index.html


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【裳華房 新刊一覧】 http://www.shokabo.co.jp/book_news.html
【ご購入のご案内】  http://www.shokabo.co.jp/order.html
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★★★★★★★★★★★ 新 刊 案 内 (4月刊行) ★★★★★★★★★★★

◆ 『少しはやる気がある人のための
   自学自修用 有機化学問題集』

http://www.shokabo.co.jp/mybooks/ISBN978-4-7853-3501-4.htm
粟野一志・P川 透 共編/B5判/248頁/定価(本体3000円+税)/
2014年4月/裳華房/ISBN978-4-7853-3501-4 (4月刊行)

全国の大学3年編入学試験問題を中心とした多数の問題を,一般的な有機化学
の教科書の章立てにあわせて編集した.ごく基本的なものから応用力を試され
るものまで多彩な問題が集められ,また各問題にはヒントおよび丁寧な解説が
ついている.大学1,2年生および高専生の自学自修用に最適な問題集である.

【主要目次】【問題・ヒント編】1.化学結合、構造、物理的性質、命名法など
 2.アルカン 3.アルケン・アルキン 4.芳香族 5.ハロゲン化アルキル 
6.アルコール・エーテル 7.カルボニル化合物 8.カルボン酸誘導体 9.
アミン 10.糖類(炭水化物) 11.アミノ酸・タンパク質 12.生化学 13.
立体化学 14.高分子 15.工業化学 16.化学用語の説明 17.総合問題 
【解答編】(「問題・ヒント編」に同じ)


◆ 『ベーシック生物学』

http://www.shokabo.co.jp/mybooks/ISBN978-4-7853-5228-8.htm
武村政春 著/B5判/2色刷/224頁/定価(本体2900円+税)/裳華房/
ISBN978-4-7853-5228-8 (4月刊行)

大学の教養課程の学生を対象に,文科系から理工系,医薬看護系,農学・栄養
系まで幅広く利用できるように執筆.高校生物の内容を一通り網羅しながら,
生命科学が発展する現代に必要と思われる(とくに人間自身に関する)内容を
プラスして解説.生物学の発展に寄与した日本人研究者の貢献も数多く紹介.
大学院入試などで改めて生物学の全般をきちんと学びたい人にもお薦め.

【主要目次】1.生物と生物学 2.細胞・生体構成物質とエネルギー 3.遺
伝子とそのはたらき 4.動物の生殖と発生 5.ヒト(動物)の器官とそのは
たらき 6.植物のしくみ 7.老化・寿命とヒトの病気 8.進化の歴史とし
くみ 9.生物の系統と分類 10.生物多様性と生態系


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【裳華房 分野別書籍一覧】 http://www.shokabo.co.jp/mybooks/0000.html
【正誤表などサポート情報】 http://www.shokabo.co.jp/support/
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★★★★【連載コラム】裳華房 編集子の“私の本棚”(第12回) ★★★★★

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 編集部の有志が月替わりで,思い出の一冊やお薦めの書籍などを語ります.
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◇ 「一人で闇のなかを歩く人間のように」

◆『方法序説』(デカルト 著,ワイド版岩波文庫)

 夏休みにこの本を読んだ.

 大学に入った初めの年で,猛暑だった.だから,この本を開くたびに呼び起
こされるのは,蝉の鳴き声,先輩と食べた西瓜の味,打上げ花火の焦げた匂い,
冷房の効かない古ぼけた寮の部屋などだ.そういったものたちの,むせ返るよ
うな夏の匂いがフラッシュバックしてくる――あくまで個人的な読書体験とし
て.

 当時,前学期に受けた授業にて,たまたま物理の先生がデカルトの「ワレ惟
ウ,故ニワレ存リ(わたしは考える,ゆえに私は存在する)」を紹介し,「み
なさんはこの話の続きを知っていますか?」と皆に問うた.恥ずかしながら,
私は知らなかった.

 デカルトは一体,どのような文脈でこの言葉を紡いだのだろうか.ときとし
て言葉は一人歩きを始めてしまうが,本来,言葉というものは文脈の中で意味
を語りつがれなければならない.

 それにしても,大学の講義というのは不思議なものだ.目の前で繰り広げら
れる先生のどんな一言が,その後の大きな世界との出会いにつながるか分から
ない.先生の講義は物理の講義であるにも関わらず,ずいぶんと含蓄のある授
業であった.

 夏休みに入ってすぐに,駅前の書店でこの本を買った.

 ところで,『方法序説』は自然科学の本ではないから,「編集子の本棚」で
本書を紹介すると「なぜこの本を?」と首を捻る方がいらっしゃるかもしれな
い.実は,この本には,私が専門とする数学書を紐解くときはもちろん,ひい
ては,人生の岐路に遭遇したときに,啓示となるようなことが書かれているの
である.少しデカルトの声に耳を傾けてみよう:

  一人で闇のなかを歩く人間のように,きわめてゆっくり進み,あらゆる
  ことに周到な注意を払おう.そうやってほんのわずかしか進めなくても,
  せめて気をつけて転ぶことのないように,とわたしは心に決めた.

 デカルトは「紙の上で考えることの大切さ」についても言及している:

  多少とも重要だと判断するすべてのことを,その真理の発見に応じて書
  きつづける,しかもそれを,印刷させようとする場合と同じくらいの周
  到な注意をもって書きつづけることが本当に必要なのである.

  一つには,こうしたことを十分に検討する機会をそれだけ多く持つため
  で,多くの人に見られるにちがいないと思うものは,自分のためだけに
  書きとめておくものよりも,つねにいっそう丹念に見るのは明らかだし,
  また考え始めたときには真実だと思われたことが,紙に書こうとすると
  きには虚像に見えることもしばしばだったからだ.

 当時の私は,この箇所を特に気に入ったようだ.私の持っている岩波文庫ワ
イド版には,ここに赤いボールペンで綺麗に傍線が引かれている.以後,『方
法序説』は私の読書の灯台として君臨することになる.

 あの読書体験から10年が過ぎた.仕事で先生方の原稿を読むとき,個人的に
数学書を読むときに,私は注意深くテキストと対峙できているだろうか.「一
人で闇のなかを歩く人間のように」「せめて気をつけて転ぶことのないように」
自問自答する毎日である.
                             編集者π


◆デカルト 著『方法序説』
  谷川多佳子 訳/B6判/138頁/定価(本体900円+税)/2001年1月発行/
  岩波書店(ワイド版岩波文庫)/ISBN 978-4-00-007180-2
  http://www.iwanami.co.jp/.BOOKS/00/7/0071800.html


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◎ 自然科学系の雑誌一覧 −最新号の特集等タイトルとリンク−(4/11更新)
http://www.shokabo.co.jp/magazine/

◎ 大学・研究所・学協会の住所録とリンク
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★★★★★★★★★★★★★★ 最近の話題 ★★★★★★★★★★★★★★★

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 折々の科学的なトピックスや記念日,季節的なテーマなどについて,簡単な
解説と関連書籍,Webサイトなどを紹介します(不定期掲載).
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◆ 原始宇宙の重力波の証拠を初観測

 アメリカのカリフォルニア工科大学,ハーバード・スミソニアン天体物理学
センター等を中心とするBICEPチームは,3月17日,世界で初めて,宇宙誕生直
後(約138億年前)に発生した“重力波”の証拠とされる現象を観測したと発
表しました.

◇カリフォルニア工科大学のリリース
http://www.caltech.edu/content/bicep2-discovers-first-direct-evidence-inflation-and-primordial-gravitational-waves
◇ハーバード・スミソニアン天体物理学センターのリリース
http://www.cfa.harvard.edu/news/2014-05
◇詳細な報告(BICEP2;pdfファイル)
http://bicepkeck.org/b2_respap_arxiv_v1.pdf

 重力波は,アインシュタインの一般相対性理論でその存在が予言されたもの
で,質量をもった物体が加速度運動したときに周囲に光速で伝わる時空の“歪
み”のことです.重力波はすべてを貫通して減衰しないと考えられており,現
在まで直接観測されたことはありません.

 BICEPチームは, 南極に設置されたBICEP2望遠鏡を使って,ビッグバンの約
38万年後から宇宙に拡がった宇宙背景マイクロ波輻射(CMB)の偏光を詳し
く観測して分析した結果,B-モードと呼ばれる渦状パターンの存在することを
発見しました.
 佐藤勝彦らの提唱したインフレーション理論(ビッグバン以前に宇宙が指数
関数的に膨張した時期があったという理論)によれば,原始宇宙に存在した重
力波(量子力学効果による時空間の揺らぎ)はCMBの偏光にB-モードを引き
起こすことを予言しています.今回そのB-モードが確認されたことから,間接
的に重力波の存在が裏付けられたことになります.

◇佐藤勝彦氏のコメント(日本経済新聞)
http://www.nikkei.com/article/DGXNZO68463470Y4A310C1CR0000/

 BICEPチームは3年間にわたって観測上の様々な誤差をつぶし,原始の重力波
が存在していた確率は7シグマ(誤差による間違いの確率が4000億分の1以下)
とのこと.2012年の“ヒッグス粒子発見”のときの精度が5シグマでしたので,
誤差の解析が正しければ,重力波の存在はほぼ間違いないものと思われます.

 これから様々な追試・検証にさらされることになりますが,今回の成果は,
物理学の2大柱である量子力学と相対性理論が宇宙誕生時には統合されていた
ことを示すものであり,原始宇宙の解明だけでなく,物理学の進展に大きく寄
与することと思われます.今後の進展に大いに期待しましょう.


【参考Webサイト】

◇[書籍]大栗博司 著『重力とは何か』(幻冬舎新書)
http://www.gentosha.co.jp/book/b5708.html

◇[重力波観測]KAGRA計画(東京大学宇宙線研究所)
http://gwcenter.icrr.u-tokyo.ac.jp/

◇[重力波観測]LISA計画(NASA)
http://lisa.nasa.gov/


※執筆に際し,カリフォルニア工科大学の大栗博司教授のブログを参考にさせ
 ていただきました.ありがとうございました.
http://planck.exblog.jp/21848886/
http://planck.exblog.jp/21835733/


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◎ 研究所等の一般公開(4/3更新)
http://www.shokabo.co.jp/keyword/openday.html

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◎ 若手 春・夏・秋・冬の学校(4/3更新)
http://www.shokabo.co.jp/keyword/wakateschool.html
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次号は2014年5月1日の配信予定です.どうぞお楽しみに! \\(^o^)//


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