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裳華房メールマガジン (Shokabo-News)
バックナンバー(No.304;2014年10月号)

禁無断転載 
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  Shokabo-News No.304                2014/10/3
  裳華房メールマガジン 2014年10月号
  http://www.shokabo.co.jp/m_list/m_list.html

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◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ 今回のご案内 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 ◇ 新刊
   柳田英二・中木達幸・三村昌泰 共著 『理工系の数理 数値計算』
   橋本正章・荒井賢三 共著 『相対論の世界』
   前田佳均 編著 『シリサイド系半導体の科学と技術』

 ◇ 近刊(11月刊行予定)

 ◇ 鹿野 司の“読書ノート”(14)
   矢野和男 著『データの見えざる手』(草思社)

 ◇ 裳華房の“古書”探訪 (23)
   富永 齊 著『無機化學總論』[初版 大正15年]

 ◇ 裳華房 編集子の“私の本棚”(18)
   石川伸一 著『料理と科学のおいしい出会い』(化学同人)

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Shokabo-News 会員の皆様

 東京近辺はめっきりと秋らしい日が続くようになりました.
 Shokabo-News 2014年10月号をお届けいたします.

 さて今号では,10月の新刊3点のご案内のほか,来月刊行予定のタイトル
一覧、また連載14回目となる「鹿野司の読書ノート」では矢野和男著『デー
タの見えざる手』(草思社)を,「裳華房の“古書”探訪」では富永 齊著
『無機化學總論』[初版大正15年]を,「裳華房編集子の“私の本棚”」で
は石川伸一著『料理と科学のおいしい出会い』(化学同人)をご紹介します.

 ご意見・ご感想を m-list@shokabo.co.jp までお寄せいただければ幸いです.
(Twitterをお使いの方はアカウント @shokabo まで)

 ※書籍の価格は,定価(税込)ではなく本体価格表示にしています.


 ★ お知らせ ★

1.裳華房フェアを開催中です.

・筑波大学 大学会館書籍部(10/1〜10/31)

#11月には,北海道大学,東北大学,埼玉大学,東京大学,新潟大学,京都大
 学,大阪市立大学,広島大学などの生協にて裳華房フェアを開催します.
 詳しくは下記サイトをご参照ください.
 http://www.shokabo.co.jp/fair/index.html


2.東京理科大学近代科学資料館では,10/17(金)〜11/29(土)まで
 特別展示として『科學雑誌 −科学を伝えるとりくみ−』が開催されます.

 一般向けの科学雑誌の歴史を大きく「明治期」「大正期から昭和20年まで」
 「終戦後」に分けて紹介するもので,雑誌に掲載された実験を再演するコー
 ナーなども設けられる予定です. 詳しくは下記をご参照ください.
 http://www.shokabo.co.jp/temp/201410rikadai1.jpg
 http://www.shokabo.co.jp/temp/201410rikadai2.jpg

 東京理科大学 近代科学資料館
 http://www.tus.ac.jp/info/setubi/museum/


3.「大学・短大・高専用教科書のご案内」
  http://www.shokabo.co.jp/text.html

4.【講義担当の先生方へ】講義用 教授資料のご案内
  http://www.shokabo.co.jp/textbook/text-tm.html

5.訂正表・正誤表や新しい演習問題など「書籍のサポート情報」.
  http://www.shokabo.co.jp/support/index.html


★★★★★★★★★★★ 新 刊 案 内 (10月刊行)★★★★★★★★★★★


◆ 『理工系の数理 数値計算』

http://www.shokabo.co.jp/mybooks/ISBN978-4-7853-1560-3.htm
柳田英二・中木達幸・三村昌泰 共著/A5判/250頁/定価(本体2700円+税)
2014年10月下旬刊/裳華房/ISBN978-4-7853-1560-3

数値計算の基礎的な手法を単なる道具として学ぶだけではなく,数学的な側面
からも理解できるように解説した入門書.微分積分や線形代数の基本的なレベ
ルから掘り起こし,それらを復習しながら読み進められるように工夫した.ま
た,本書に登場するアルゴリズムがなぜ有効なのか随所で理由付けを行い,数
値計算に使われている“数学の考え方”を理解できるようにした.

【主要目次】1.数値の誤差と計算 2.非線形方程式 3.代数方程式 4.連
立1次方程式 5.行列の固有値問題 6.定積分 7.常微分方程式 8.偏微分
方程式


◆ 『相対論の世界』

http://www.shokabo.co.jp/mybooks/ISBN978-4-7853-2245-8.htm
橋本正章・荒井賢三 共著/A5判/240頁/定価(本体2600円+税)/
2014年10月下旬刊/裳華房/ISBN978-4-7853-2245-8

理工系学生向けの相対性理論(相対論)の入門書として,慣性系を扱う特殊相
対論と加速度系を扱う一般相対論について,その基礎を解説.理解を深めるた
めの例と問を随所に挿入し,また数式の導出を丁寧に説明して,独習者の便宜
を図った.本書の後半では,相対論の応用として宇宙物理学の分野を取り上げ
た.また,各章末にはコラム「アインシュタイン小伝」も掲載.

【主要目次】1.特殊相対論の基礎 2.相対論的力学 3.相対論的電磁気学
 4.一般相対論の基礎 5.シュヴァルツシルト時空 6.相対論的高密度星
 7.宇宙論の基礎


◆ 『シリサイド系半導体の科学と技術 −資源・環境時代の新しい半導体と
    関連物質−』

http://www.shokabo.co.jp/mybooks/ISBN978-4-7853-2920-4.htm
前田佳均 編著/A5判/342頁/定価(本体5000円+税)/
2014年10月上旬刊/裳華房/ISBN978-4-7853-2920-4 

環境負荷が少なく,かつ持続可能なグリーンテクノロジーである“シリサイド
系半導体”の研究・開発において,世界をリードする著者たちが,その基礎物
性と応用技術の現状を余すところなく解説した.読者の方々が,(シリコン)
光エレクトロニクス,スピントロニクス,グリーンテクノロジー,フォトニク
ス分野のさらなる進展へのブレークスルーに活用されんことを期待する.

【主要目次】1.シリサイド系半導体の基礎 2.結晶成長技術 3.薄膜形成
技術 4.構造解析 5.鉄シリサイドの物性 6.新しいシリサイドの合成と
物性 7.シリサイド系半導体の応用


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【裳華房 新刊一覧】 http://www.shokabo.co.jp/book_news.html
【ご購入のご案内】  http://www.shokabo.co.jp/order.html
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★★★★★★★★★★ 近 刊 案 内 (11月刊行予定) ★★★★★★★★★★


◆ 『大学初年級でマスターしたい 物理・工学のための 基礎数学』

http://www.shokabo.co.jp/mybooks/ISBN978-4-7853-1562-7.htm
河辺哲次 著/A5判/予288頁/2014年11月下旬刊/裳華房/
ISBN978-4-7853-1562-7


◆ 『経済・経営のための 数学教室』

http://www.shokabo.co.jp/mybooks/ISBN978-4-7853-1561-0.htm
小林道正 著/A5判/予240頁/2014年11月下旬刊/裳華房/
ISBN978-4-7853-1561-0


◆ 『物理学講義 電磁気学』

http://www.shokabo.co.jp/mybooks/ISBN978-4-7853-2246-5.htm
松下 貢 著/A5判/予250頁/2014年11月下旬刊/裳華房/
ISBN978-4-7853-2246-5


◆ 『量子力学選書 場の量子論 −不変性と自由場を中心にして−』

http://www.shokabo.co.jp/mybooks/ISBN978-4-7853-2511-4.htm
坂本眞人 著/A5判/予454頁/定価(本体5300円+税)/2014年11月上旬刊/
裳華房/ISBN978-4-7853-2511-4


◆ 『生命系のための有機化学T−基礎有機化学−』

http://www.shokabo.co.jp/mybooks/ISBN978-4-7853-3503-8.htm
齋藤勝裕 著/A5判/154頁/2色刷/定価(本体2400円+税)/
2014年11月中旬刊/裳華房/ISBN978-4-7853-3503-8


◆ 『コア講義 分子遺伝学』

http://www.shokabo.co.jp/mybooks/ISBN978-4-7853-5230-1.htm
田村隆明 著/A5判/176頁/2色刷/2014年11月下旬刊/裳華房/
ISBN978-4-7853-5230-1


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【裳華房 分野別書籍一覧】 http://www.shokabo.co.jp/mybooks/0000.html
【正誤表などサポート情報】 http://www.shokabo.co.jp/support/
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★★★★★ 【連載コラム】鹿野司の“読書ノート” (第14回) ★★★★★

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 ノンフィクション・ライター/サイエンスライターの松浦晋也さんと鹿野司
さんに,お薦め書籍や思い出の1冊,新刊レビュー等をご執筆いただきます.
今月号のご担当は鹿野司さんです.
 ・バックナンバーはこちら→ http://www.shokabo.co.jp/column/
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◇ 活動量や位置情報などの物理的なデータから人間の心理を読み解く ◇

◆ 矢野和男 著『データの見えざる手』(草思社)

 人間の創造的な活動、音楽や絵画や彫刻や建築や科学や技術などなど、あら
ゆるものには、二つのフェーズがある。
 一つはあるスタイルを精緻に極めていくもので、その完成度の高い創造物に
は誰もが感動するものだ。もう一つは、いわゆるコペルニクス的転換のことで、
岡本太郎が言った「芸術は爆発だ」という言葉の意味するものだ。つまり、そ
れまでのとらわれ、常識の殻を打ち破って、以前とは全く違ったものの見方、
世界の切り取り方が示される。
 『データの見えざる手:ウエアラブルセンサが明かす人間・組織・社会の法
則』(草思社)で紹介される研究は、この後者の科学の一例といっていいだろ
う。
 たとえば、「人間の幸福感は身体運動の多さで計測できる」とか「従業員の
幸福感が高まると生産性は向上する」といきなりいわれても、これまでの常識
で考える限り、まともに信じることはできないと思う。しかし、ウェアラブル
センサによる計測が、そんな意外な事実をいくつも明らかにしている。
 この研究で使用されるウエアラブルセンサの一つは、左腕に装着するリスト
バンド型の加速度センサで、腕の動きを毎秒20回、24時間計測し続けるものだ。
その程度のことで何が解るのかと疑問に思えるくらいだが、長期間(著者はこ
れを8年間装着している)多人数から得られた膨大なデータから、動かしがた
い法則が明らかになってきた。
 人間の活動は、自由意志でコントロールできると信じられている。
 しかし、実際に左手の動きのデータで見ると、動きの周波数ごとの出現頻度
が、ボルツマン分布になっているという。
 人は起きている間に、1日平均7万回ほど左腕を動かしているが、その半分
が毎分60回以下、4分の1が毎分120回以下、8分の1が毎分180回以下になっ
ている。つまり、周波数が高い(動きが激しい)ほど出現頻度が少なく、周波
数が低くなると出現頻度が多くなって、片対数のグラフにするときれいな直線
を描く。
 それくらいはありそうなことだが、驚いたことに、この分布を意志の力で変
えることはできないらしい。つまり、ある帯域の作業を、この分布を越えて続
けようとしても、集中力を欠いて続けられなくなるという。
 逆に、ある作業の周波数がわかれば、それを1日にどれくらいできるかが計
算できる。たとえば原稿を書く作業の帯域は毎分50回〜70回なので、1日の活
動時間のうち約29%が限界になる。
 人間集団による行動が、心とは無関係な物理で記述できる例は、たとえば自
動車の渋滞が粉体の動きと同じ方程式で記述できることなど、これまでにもあ
った。しかし、一人の人間の活動にも、こういう分布が現れるというのは、今
までにない視点で面白い。
 著者でありこの研究のリーダーでもある矢野和夫さんは、もともと日立で半
導体の研究をしていた物性物理の専門家だった。ところが、部門の廃止に伴っ
て新しい事を始めることになり、ウエアラブルセンサによる人間行動分析にた
どりついたという。
 これまでにない継続的な人間の活動データを、保存則をイメージするなどの、
物理学的なものの見方で解釈、分析できたのが、この発見の原動力だったので
はないかと思う。
 また、別のセンサを使ったコールセンターでの調査では、業務内容が、相談
の受付でもセールスでも、日本でもアメリカでも、オペレーターの体が休憩中
に活発に動いているほど、全体の受注率が高まるという。これは、休憩中に同
僚たちが楽しく会話していることの顕れだった。
 活動量や位置情報といった物理的なデータから、人間心理、さらにはビジネ
スの改善まで繋がっていく様々な事例がどれも面白く、この分野の可能性を感
じさせる。


【今回紹介した書籍】

◆ 矢野和男 著『データの見えざる手 −ウエアラブルセンサが明かす人間・
    組織・社会の法則−』
  四六判/256頁/定価(本体1500円+税)/2014年7月発行/草思社
  ISBN  	978-4-7942-2068-4
  http://www.soshisha.com/book_search/detail/1_2068.html
  http://www.soshisha.com/book_wadai/books/2068.html


【鹿野 司さんのプロフィール】
サイエンスライター.1959年愛知県出身.「SFマガジン」等でコラムを連載中.
主著に『サはサイエンスのサ』(早川書房),『巨大ロボット誕生』(秀和シ
ステム),『教養』(小松左京・高千穂遙と共著,徳間書店)などがある.
ブログ「くねくね科学探検日記」 http://blog.blwisdom.com/shikano/

      「鹿野 司の“読書ノート”」 Copyright(c) 鹿野 司,2014


 次号は松浦晋也さんにご執筆いただきます.どうぞお楽しみに!


※本コラムは本メール配信約1か月後を目安に裳華房Webサイトに掲載します.
http://www.shokabo.co.jp/column/


───【裳華房のお役立ちサイト】───────────────────

◎ 研究所等の一般公開(10/3更新)
http://www.shokabo.co.jp/keyword/openday.html

◎ 学会主催 一般講演会・公開シンポジウム(10/3更新)
http://www.shokabo.co.jp/keyword/openlecture.html

◎ 若手 春・夏・秋・冬の学校(10/3更新)
http://www.shokabo.co.jp/keyword/wakateschool.html
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★★★★★★ 【連載コラム】裳華房の“古書”探訪(第23回)★★★★★★★

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 弊社の起源は,江戸時代,伊達藩の御用板所であった「仙台書林 裳華房」
に遡ります.ここでは,科学書の出版に力を入れ始めた明治時代後期代から昭
和時代に刊行された書籍の中から毎回1冊ずつ取り上げて紹介いたします.
【バックナンバー】 http://www.shokabo.co.jp/oldbooks/index.html
【裳華房の歴史】  http://www.shokabo.co.jp/history.html
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◆ 富永齊 著『無機化學總論』[初版 大正15年]

 今回ご紹介するのは、(確認できる範囲で)裳華房で最初に刊行された無機
化学の教科書、富永齊著『無機化學総論』です。
 裳華房における化学分野の書籍として、分析化学については大正7年に松井
元興著『分析化学』が(本連載第2回参照)、有機化学については同じく松井
元興著『有機化學講義』が大正11年3月にそれぞれ刊行されておりましたが、
『無機化學總論』はその4年後の大正15年(1926年)4月の刊行です。
 書名に「総論」とあるように、本書と対になる『無機化學各論』が同年6月
に発刊されています。

 本書は「自序」にあるように、著者が旧制第一高等学校(現在の東京大学教
養学部等の前身)の第2学年対象の講義での教授資料を元に執筆されたもので、
当時の高等学校用の教科書・参考書として発刊されました。

 主要目次は下記の通りです。

壱章 原子の構造
 緒論/元素と化合物/週期律/放射能/原子の構造

弐章 分子の實在状態
 相律/氣相/液相/固相/一成分系に於ける相の平衡/二成分系/膠質

参章 分子の構造
 化合物の種類

四章 物質の變化又は化學反應
 化學反應と熱エネルギー/化學反應と電氣エネルギー/化學反應と光エネル
 ギー

 当時の授業構成については不明ですが、現在の「物理化学」とほぼ同じ構成
となっております(時代状況的に量子化学や化学結合に関する部分がほとんど
ありませんが)。
 本書全体で318頁と「総論」としてはかなり“厚め”の本ですが、記述自体は
丁寧に分かりやすく解説されており、また随所に実験的な数値が記載される等、
いわゆる「基礎化学」の学習としても利用できるように書かれています。

 続刊『無機化學各論』では、周期律表の分類にしたがって各元素の記載的な
事項が述べられていますが、目次は下記になります(章タイトルのみ)。

 稀瓦斯類/水素/ハロゲン族元素/酸素族元素/窒素族元素/炭素族元素
 /硫黄族元素(土金属)/アルカリ土金属元素/アルカリ金属/鐵族及白
 金族元素/マンガン/クロム族元素/ヴアナジウム族元素/ゲルマニウム
 族元素/ガリウム族元素/亞鉛族元素/銅族元素

 著者の富永齊については、調べがつかずに生没年などは不明です。
 旧制第一高等学校で教鞭をとられながら北海道帝国大学理学部の創設(昭和
5年;1930年)に尽力され、同大学理学部化学科の初代教授に就任。昭和9年
からは、『化学本論』で著名な片山正夫の後任として、東北帝国大学理学部化
学科(物理化学)の教授として活躍されました。同大学硝子技術員養成所所長、
理学部長なども歴任されています。
 刊行に至る経緯も不明ですが、本連載第17回でご紹介した鮫島實三郎(大正
12年まで東北帝国大学教授)との“縁”によって、裳華房から本書を刊行され
たのではないかと推測されます。

 なお、『無機化學總論』『無機化學各論』ともに全文(一部欠落頁あり)国
立国会図書館のデジタルコレクションにて一般公開されています。
http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/931354
http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/931355


◆富永齊著『無機化學總論』
  菊判/318頁/初版 大正15年(1926年)4月/裳華房


※記述の誤りなど、お気づきの点がありましたら m-list@shokabo.co.jp まで
 御連絡ください。 



───【裳華房のお役立ちサイト】───────────────────

◎ 自然科学系の雑誌一覧 −最新号の特集等タイトルとリンク−(9/29更新)
http://www.shokabo.co.jp/magazine/

◎ 大学・研究所・学協会の住所録とリンク
http://www.shokabo.co.jp/address.html
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★★★★【連載コラム】裳華房 編集子の“私の本棚”(第18回) ★★★★★

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 編集部の有志が月替わりで,思い出の一冊やお薦めの書籍などを語ります.
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◇ 分子調理とは――「ちょっと食べてみたくなりませんか?」

◆『料理と科学のおいしい出会い −分子調理が食の常識を変える−』
    (石川伸一 著,化学同人)

 新米編集者Fです。
 突然ですが、タイトルにある「分子調理」という言葉をご存知でしょうか? 
私は本書を通して初めて知ったのですが、国内外にはミシュラン三ツ星を獲得
している「分子調理レストラン」があるそうで、とても驚きました。今回は、
近年注目されている分子調理の入門書をご紹介します。

 分子調理とは、物理・化学・生物・工学のような“サイエンス”を取り入れ
て、よりおいしい料理を開発することをいうそうです。その格好の例として、
本書では「京の料亭『菊乃井』の田村吉弘さんのエピソード」を取り上げてい
ます。以下に少しご紹介します。
 和食の要である昆布ダシについて、研究者らによる実験で「昆布のうま味成
分を最大限に抽出するには60℃で1時間加熱するのがいい」という結果が出ま
した。田村さんはこの実験結果をもとに、これまで伝統的に行ってきたダシの
引き方を変更したところ、従来よりもおいしいダシがとれたと語っています。
いわば、分子調理とは「科学者」と「料理人」による“おいしい料理の研究開
発”です。

 本書は、分子調理の歴史や最先端の技術だけでなく、ヒトの味覚や嗅覚など
の専門的な内容も含まれており、少し難解に感じるかもしれません。しかし、
とりあげられている料理の数々がなんともおいしそうで、不思議とスイスイ読
めてしまいます。
 特に最終章で登場する“超料理”には食欲をそそられました。この章では、
読者の皆様もお好きであろう「ステーキ」「おにぎり」「オムレツ」の三つを、
最先端の研究や技術を駆使して“超おいしくする方法”を著者が考案していま
す。あまり詳しくは書けませんが、ステーキであれば、牛を育てるところから、
肉の熟成、焼き方までこだわります。新しい技術の登場を待たねば実現できな
い部分はありますが、「一体どんな味がするのだろう?」「将来、口にする可
能性があるかも!」と、かなりワクワクさせられました。

 「食」の見方が変わる一冊だと思います。食欲の秋、食べるだけでなく料理
と科学のおいしい関係についても考えてみてはいかがでしょうか。


◆『料理と科学のおいしい出会い −分子調理が食の常識を変える−』
  石川伸一 著/B6判/224頁/定価(本体1700円+税)/2014年6月発行
  化学同人/ISBN978-4-7598-1359-3
  http://www.kagakudojin.co.jp/book/b177763.html


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次号は2014年11月5日の配信予定です.どうぞお楽しみに! \\(^o^)//



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