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裳華房メールマガジン (Shokabo-News)
バックナンバー(No.333;2017年3月号 「数学選書」新装版2点ほか)

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☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆   Shokabo-News No.333                2017/3/14   裳華房メールマガジン 2017年3月号   https://www.shokabo.co.jp/m_list/m_list.html ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆ ★目次★ ─────────────────────────────────── 【1】新刊案内    『具体例から学ぶ 多様体』『数学選書5 多様体入門(新装版)』    『数学選書4 ルベーグ積分入門(新装版)』 【2】連載コラム 松浦晋也の“読書ノート”(28):    『台湾統治と阿片問題』(劉明修 著,山川出版社) 【3】連載コラム 裳華房 編集子の“私の本棚”(45):    『ケトン体が人類を救う』(宗田哲男 著,光文社)    『サプリメントのほんととウソ』(下村吉治 著,ナップ) 【4】Web連載コラム「数学者的思考回路 −夢と妄想のはざま−」のご案内 【5】裳華房 正社員募集のご案内 【6】お知らせ&編集後記 ─────────────────────────────────── ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【1】新刊案内(2017年3月刊行) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ●『具体例から学ぶ 多様体』 https://www.shokabo.co.jp/mybooks/ISBN978-4-7853-1571-9.htm 藤岡 敦 著/A5判/288頁/定価(本体3000円+税)/2017年3月発行/ 裳華房/ISBN978-4-7853-1571-9 C3041  具体例を通じて多様体の基礎を理解できるようにした入門書である.前半で は多様体の定義にいたるまでの背景を丁寧に述べ,後半では多様体論に関する 標準的な内容を一通り扱うとともに,径数付き部分多様体や発展的な内容につ いても述べた.また,微分積分・線形代数・集合と位相がどのように使われる のか丁寧に示し,群論・複素関数論に関する必要事項も本文中で改めて述べた. さらに,例題や演習問題のすべてに詳細な解答を付けた.なお,「ドイツ文字 の一覧」(フラクトゥーア体と筆記体)を見返しに掲載した. 【主要目次】 第I部 ユークリッド空間内の図形(数直線/複素数平面/単位円/楕円/双 曲線/単位球面/固有2次曲面) 第II部 多様体論の基礎(実射影空間/実 一般線形群/トーラス/余接束/複素射影空間) ●『数学選書5 多様体入門(新装版)』 https://www.shokabo.co.jp/mybooks/ISBN978-4-7853-1317-3.htm 松島与三 著/A5判/294頁/定価(本体4400円+税)/2017年3月発行/ 裳華房/ISBN978-4-7853-1317-3  C3041 ※書店等の店頭に並ぶのは4月上旬になります.  多様体は“空間”の概念を近代数学の立場から定式化したものであり,幾何 学においてその根底をなすだけにとどまらず,理論物理学の大局的理解にも必 要なものである.本書の旧版(初版1965年)は,長年にわたって多くの読者か ら親しまれ,英語版も刊行された本格的入門書である.その旧版をもとに,最 新の組版技術によって新たに本文を組み直し,レイアウトも刷新して読者の便 宜を図った.なお改版にあたっては原則,一部の文字遣いを改めるにとどめ, 本文は変更していない. 【主要目次】 序論/可微分多様体/微分形式とテンソル場/リイ群と等質空間/微分形式の 積分とその応用 ●『数学選書4 ルベーグ積分入門(新装版)』 https://www.shokabo.co.jp/mybooks/ISBN978-4-7853-1318-0.htm 伊藤清三 著/A5判/324頁/定価(本体4200円+税)/2017年3月発行/ 裳華房/ISBN978-4-7853-1318-0  C3041 ※書店等の店頭に並ぶのは4月上旬になります.  数学専攻科目としてだけでなく,物理学や工学で使われる函数解析あるいは フーリエ解析の基礎となるルベーグ積分を,理論的な厳密性を保ちながら解説 した入門書.数学系の読者だけでなく,理工系の読者にも読みこなせるように 配慮した.新装版では,最新の組版技術によって新たに本文を組み直し,レイ アウトも刷新して読者の便宜を図った.なお改版にあたっては原則,一部の文 字遣いを改めるにとどめ,本文は変更していない. 【主要目次】 予備概念/測度/可測函数と積分/加法的集合函数/函数空間/Fourier級数, Fourier解析 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 【裳華房 新刊一覧】 https://www.shokabo.co.jp/book_news.html 【ご購入のご案内】  https://www.shokabo.co.jp/order.html 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【2】[連載コラム]松浦晋也の“読書ノート” (第28回) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  ノンフィクション・ライター/サイエンスライターの松浦晋也さんと鹿野司 さんに,お薦め書籍や思い出の1冊,新刊レビュー等をご執筆いただきます. 今月号のご担当は松浦晋也さんです.  ・バックナンバーはこちら→ https://www.shokabo.co.jp/column/ ─────────────────────────────────── ◆ 植民地台湾の阿片根絶の実際 ◆ ● 劉明修 著『台湾統治と阿片問題』(山川出版社)  阿片関係の読書を続ける中でずっと気になっていたのは、「日本の植民地だ った台湾で、阿片はどのような経過をたどって根絶されたのか」ということだ った。後藤新平(1857〜1929)が打ち出した漸減策が功を奏したとは良く言わ れるが、本当にそうだったのか、なにか裏はなかったのか――それは同時に星 新一が『人民は弱し 官吏は強し』(新潮文庫ほか)で描いた「果敢なベンチ ャーだった星製薬が国ぐるみのいじめで破滅する」という構図がどの程度の正 当性をもつのかとも関わってくる問題だ。  そこでみつけたのがこの『台湾統治と阿片問題』。ここまでの読書で溜まっ た疑問の多くが解決する好著だった。  著者(1937〜2006)は台湾出身の台湾近代史の研究者。東京大学でこの本の 基礎となる論文で博士号を取り、後に日本国籍を取得して伊藤潔という名前に なり、二松学舎大学や杏林大学に勤務した。  日清戦争(1894〜1895)に勝利したことで、日本は清国から台湾を植民地と して獲得した。幕末に阿片戦争の経緯を知った徳川幕府、そして明治政府は、 日本への阿片の流入を徹底して取り締まる政策をとっていた。そのことを知る 台湾の住民は、日本の植民地になることを知って各地で武装蜂起した。「我々 に阿片は不可欠だ。阿片をよこせ」というのである。  内閣総理大臣であった伊藤博文(1841〜1909)は 初代台湾総督の樺山資紀 (かばやま・すけのり、1837〜1922)に阿片の厳禁を指示したが、とても禁止 できる状況ではなかった。  伊藤博文は、内務省衛生局長だった後藤新平に意見書の提出を命令。この意 見書に、後に漸減策と呼ばれる政策が記載されることとなった。阿片を専売に して登録した中毒患者にのみ販売し、新たな中毒者の発生を防ぎ、50年ほどか けて阿片中毒者を根絶するというものだ。  1896年2月3日、漸減策で閣議決定。ここに日本の台湾における阿片政策が 定まった。  後藤の意見書は、具体的な施策や法律に至るまで書いてあった。ここで面白 いのは、専売によって上がった利益は台湾の衛生環境向上のための特定財源と するという構想であること。つまり、後藤は阿片の収益が「手軽に手に入る財 源」として行政機構を毒することを懸念して、ちゃんと対策も考えていたのだ。  が、これは実施されなかった。  台湾総督府衛生顧問に就任した後藤新平の指揮下、日本は台湾に、生阿片を 阿片煙膏と呼ばれる「吸う阿片」に加工する工場を建設した。近代的な大量生 産ラインを組んだので、阿片の加工コストは下がり、台湾総督府にはかなりの 金が入ることとなった。  本書は、日本の台湾経営における阿片漸減策の意味を3つだとする。まず、 「阿片をよこせ」の台湾住民の懐柔。次に、専売による利益で台湾総督府は台 湾の産業振興の資金を得た。さらに、阿片専売の特権を一部の台湾人に回すこ とで、台湾人内部に協力者(御用紳士という)を作り、治安維持に役立てた。 植民地経営手法としては、悪くないといえるだろう。  阿片の輸入商社として、台湾総督府は三井物産と英サミュエル商会を選定し た。後にサミュエル商会が撤退したので、三井物産の独占となった。そこに 1917年以降、星製薬が割り込んだ。この三井との確執は、後の星製薬の苦難と 関係してくるのかも知れない。  漸減策により、20万人ほどいた台湾の阿片中毒患者は確かに減り始めた。  ところが阿片中毒者が減ると、専売からの利益が減り、阿片消費量が減るの で、せっかく整備した阿片加工工場が遊休ということになる。では何をすべき か。  ここでなんということか、台湾からの加工阿片の輸出という話が出てくるの である。  1906年、台湾総督府は関東州(中国大陸)に阿片煙膏を輸出。その額は3万 8356円。ただし、現地が「台湾の阿片は味が悪い」と嫌がったので、輸出はこ の年だけで終わった。  台湾総督府の阿片輸出はこれだけに終わらなかった。1915年から18年にかけ ての4年間は、青島とマカオに阿片を輸出。4年間で、青島には70万6350円、 マカオには168万610円。結局、台湾総督府は1906年と1915年〜1918年に合計 242万5316円を阿片煙膏の輸出で稼いだ。  阿片の販売網はそう簡単に構築できるものではない。つまり、前々回のこの コラム[*1]で取り上げた『戦争と日本阿片史 阿片王二反長音蔵の生涯』に 記載されていた青島で陸軍がさばいた阿片は、台湾総督府が正式に輸出したも のだった可能性が高い。つまり単なる陸軍の暴走ではなく、国ぐるみの阿片輸 出だったということである。台湾総督府はかなり強い独立した権限をもってい たので、日本政府の中枢がどこまで関知していたかは分からないが、台湾総督 府が日本政府の組織である以上、国家による輸出と言って構わないだろう。  本書によると、1918年以降は、国の輸出から民間の密輸へと移る――という ことなのだが、たぶん民間といっても軍がかなり関与していたのではなかろう か。そしてその阿片も、どうも台湾から輸出されたものだった可能性は否定で きない。 *1 https://www.shokabo.co.jp/column/matsu-26.html  本書は学術書なので証拠のないことは書かない、断定しないという筆致を貫 いている。それでも読んでいくと明らかに怪しい点が出てくる。  利益確保のために台湾総督府は、生阿片から粗製モルヒネの抽出を開始した (本書は断定していないが1904年頃からだったらしい)。最上級の阿片煙膏の モルヒネ含有率は、当初11%程度だったものが1912年には8〜8.5%に下がった。 これは台湾総督府の絶対の極秘事項だった。ちなみに含有率が下がっても、中 毒者からはクレームが出なかったとのことだ。  つまり、台湾総督府は阿片専売で利益を得て、さらに抜いた粗製モルヒネで も儲けていたのである。ちなみに1900年から1918年にかけて、阿片煙膏専売価 格は6倍に値上げしている。  粗製モルヒネはどこにどんな形で販売されたのかは、本書に記載されていな い。多くは医療用だったと思われるが、おそらくそれだけではないだろう。  この粗製モルヒネに目を付けたのが星一(1873〜1951)率いる星製薬だった。 第一次世界大戦勃発によりドイツからの医療用精製モルヒネの供給が途絶する。 そこで星製薬は独力でモルヒネ精製手法を開発し、後藤新平を動かして台湾か ら粗製モルヒネを独占的に払い下げを受け、医療用の精製モルヒネを製造販売 するようになった。  さらに星は、台湾総督府に、原料をモルヒネ含有率が高い(15〜17%)トル コ産阿片に切り替えるように進言し、採用された。  トルコの阿片は「味が悪い」ので値段が2〜3割安かった。原料も安くなっ て専売からの収益だけでなく星製薬経由の精製モルヒネも売れて、台湾総督府 の財政はもうウハウハ状態である。ちなみに台湾は1914年に、日本本国からの 資金援助なしに財政を維持できる財政独立を達成している。  このような日本の阿片政策とは別に、国際的には阿片禁止の枠組みが徐々に 形成されていった。転回点は、1898年にアメリカがフィリピンを植民地にした ことだった。フィリピンへの阿片の浸透に対して、1906年にセオドア・ルーズ ベルト大統領が強力な禁止令を発布。同時に国際的な反阿片の枠組みを作るこ とを提唱したのである。  アメリカの努力は第一次世界大戦後に、阿片取り引きを規制するハーグ国際 阿片条約の批准という形で実ることになる。  これにより「生産のイギリス」「密売の日本」が国際的に追及される立場と なった。  18世紀以来の積もり積もった旧悪を糾弾されると予期したイギリスは、徹底 して日本に責任をなすりつけようとして立ち回った。なにしろロイターをもっ ていて国際的な通信網を握っているから情報戦はお得意だ。1919年2月14日、 ニューヨークタイムズに日本政府機関が阿片を中国大陸に密輸しているとの記 事が掲載された。これは大スキャンダルになり、日本でも原敬内閣の攻撃に使 われ、さらには関東州を管轄する関東庁の阿片を巡る汚職事件「関東庁阿片事 件」の露見にまでつながった。  イギリスに対抗して、日本は国際的に関東州から台湾へと視線をそらす作戦 を展開した。「台湾ではきちんと阿片中毒を根絶しつつあります」と国際的に 訴えたのだ。「台湾では真面目にやってますよ」とアピールした結果、日本は 台湾において本気で阿片中毒根絶に向けて動かなければならなくなっていった。  台湾の経済事情の変化も、阿片根絶を後押しした。1920年代後半になると、 台湾経済の発展と阿片中毒者の漸減により台湾財政における阿片専売の収益は かつてよりもずっと縮小しており、また、台湾の工業が発達するにつれて「中 毒者ではない労働者」への需要は増えていた。つまり台湾総督府にとっても 「経済発展のためには本気で中毒者根絶を」と考えるお膳立てが揃っていた。  1928年、台湾総督府は漸減策の根拠となっていた阿片令を改正。阿片吸引に より厳しい制限をかけると同時に、久しぶりの阿片中毒患者の登録を行った。 密吸引者のすべてを網に掛けるためだ。2万5527人が登録した。  が、これが台湾人には「さらに阿片を供給して、台湾人を阿片漬けにするつ もりか」と受け取られ、激しい反対運動が展開することになった。33年を経て、 かつては「阿片をよこせ」で武装闘争を展開した台湾人は、今や「阿片漬けに するつもりか」で政治闘争を展開するまでになっていた。  同じ1928年、イギリスは国際連盟に阿片問題調査を提案した。日本の悪事を 世界にばらしてイギリスに向かう非難を日本に向けようとしたらしい。ところ が、日本もこの提案に乗った。「逆にこの機会に、台湾の漸減策をアピールし て、日本に非はないところを世界に見せつけてやれ」というわけだ。  1930年1月、日本は、突如台湾に阿片中毒患者治療専門施設の阿片矯正院を 設置した。当初は「ほら治療してますよというところを国際連盟の調査委員に 見せればOK」ぐらいのことだったらしい。  が、ここの実質的責任者となった杜聡明(1893〜1986)という人物が、台湾 の阿片根絶に向けて大きな役割を果たすこととなった。杜聡明は京都大学医学 部に学んだ医師で、阿片中毒者の治療には禁断症状の緩和が重要と見抜き、塩 酸モルヒネを使った禁断症状を出さない脱阿片治療法を確立した。  杜聡明の活躍により、台湾における漸減策は、「自然減を待つ」から「積極 的に中毒者を治療して減らしていく」と方向転換することになる。彼が三期に わたって実施した阿片中毒者の治療により、日本敗戦後の1946年6月10日、最 後の中毒者の治療が終了し、台湾の阿片は根絶された。  最後の中毒者は、陳桂英、女、26歳、と記録に残っている。  杜聡明は、1968年12月、日本政府より勲二等瑞宝章を授与されている。  読んでいて何度も「そういうことだったのか」と膝を打った一冊であった。  「後藤新平の漸減策で台湾の阿片は根絶された。日本偉い」的な言説は誤り と断言していいだろう。漸減策は、確かに阿片根絶に向けた最初の一歩だった。 しかしながらその後の日本は、むしろ阿片の利益に目が眩んで右往左往してい たのである。  そこに国際情勢の変化が影響し、何よりも杜聡明というしかるべき能力をも った人物が、しかるべき地位に就いたことで、はじめて台湾の阿片は根絶され たのであった。 【今回紹介した書籍】 ● 『近代日本研究双書 台湾統治と阿片問題』 劉明修 著/254頁/定価(本体2398円+税)/1983年8月刊行/ ISBN 978-4-634-28030-4/山川出版社(版元品切れ中) 【松浦晋也さんのプロフィール】 ノンフィクション・ライター.1962年東京都出身.現在、日経ビジネスオンラ インで「宇宙開発の新潮流(*1)」「介護生活敗戦記(*2)」を、「自動運転 の論点」で「モビリティで変わる社会(*3)」を連載中。主著に『小惑星探査 機「はやぶさ2」の挑戦』『はやぶさ2の真実』『飛べ!「はやぶさ」』『わ れらの有人宇宙船』『増補 スペースシャトルの落日』『恐るべき旅路』『の りもの進化論』などがある. Twitterアカウント https://twitter.com/ShinyaMatsuura *1 http://business.nikkeibp.co.jp/article/tech/20101208/217467/ *2 http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/report/16/030300121/ *3 http://jidounten.jp/archives/author/shinya-matsuura       「松浦晋也の“読書ノート”」 Copyright(C) 松浦晋也,2017  次号は鹿野司さんにご執筆いただきます.どうぞお楽しみに! ※本コラムは本メール配信約1か月後を目安に裳華房Webサイトに掲載します. https://www.shokabo.co.jp/column/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【3】[連載コラム]裳華房 編集子の“私の本棚”(第45回) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  編集部の有志が月替わりで,思い出の一冊やお薦めの書籍などを語ります. ─────────────────────────────────── ◆ 試行錯誤とエビデンス ◆ ●宗田哲男 著『ケトン体が人類を救う』(光文社) ●下村吉治 著『サプリメントのほんととウソ』(ナップ)  編集者のπです.個人的な事情があってときどきダイエットにチャレンジす ることがあるのですが,氾濫するまことしやかな情報に迷わされることがあり ます.私の場合は,試行錯誤でためしながら自分に一番あう方法を探りつつ, 同時並行で文献などからエビデンスを得ていくようにしています.その方が納 得しながら進められるため心が折れにくく,選択肢もおのずと収束していくの で結果が出やすいように感じています.  今回は栄養や健康に関して新たな視点を提供してくれるものとして,2冊の 書籍をご紹介いたします. ◇『ケトン体が人類を救う』  通常の栄養学の書籍を読んでからこの本を読むと,目から鱗です.冒頭で下 記のような6つの説(神話)が挙げられ,これらは必ずしも正しくないという 指摘がなされます.この部分を一読するだけでも,栄養に関する新しいものの 見方に触れることができます.  1.カロリー神話  2.バランス神話  3.コレステロール神話  4.脂肪悪玉説(肉・動物性食品悪玉説)  5.炭水化物善玉説(野菜・植物性食品善玉説)  6.ケトン体危険説  書名にある「ケトン体」とは,脂肪酸ならびにアミノ酸の代謝産物です.従 来,人間の主なエネルギー源は白米などから得られる「ブドウ糖」と思われて きましたが,実は「ケトン体」も有用なエネルギー源になるという解説がされ ています.データによる検証もきちんとされており,一理あると感じます.糖 質制限によって摂取する糖質の量をコントロールし,身体がケトン体をエネル ギー源として多く使う状態を意図的につくりだす――本書は妊婦糖尿病を事例 として進みますが,ダイエットという視点から見ても,本書の投げかけは重要 なのではないかと強く感じています. ◇『サプリメントのほんととウソ』  食事では摂取し切れない栄養素を補完するため,サプリメント(栄養補助食 品および健康補助食品)があります.ダイエットのみならず,普段から健康を 気遣ってサプリメントを摂取される方は多いようです.事実,ドラッグストア では数多くのサプリメントが並んでいます.しかし,どんなものをどのように とれば効果があるのでしょうか.  本書は,科学的な根拠(エビデンス)に基づいた正しい情報を提供してくれ ます.過剰摂取による弊害や副作用,有用性が疑わしいものまで,文献ととも に解説されています.こちらも一読の価値ありです.  最後に,Shokabo-Newsをお読みいただいている皆様のご健康を祈念して,筆 をおきたいと思います. 【今回紹介した書籍】 ●『ケトン体が人類を救う』 宗田哲男著/新書判/352頁/定価(本体920円+税)/2015年11月発行/ 光文社(光文社新書)/ISBN 978-4-334-03889-2 http://www.kobunsha.com/shelf/book/isbn/9784334038892 ●『サプリメントのほんととウソ』 下村吉治 編/B5判/168頁/定価(本体2000円+税)/2013年5月発行/ ナップ/978-4-905168-24-9 http://www.nap-ltd.co.jp/book/NO124.html 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 【オンデマンド出版書籍】 https://www.shokabo.co.jp/mybooks/d-pub.html 【電子書籍のご案内】  https://www.shokabo.co.jp/ebooks/index.html 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【4】Web連載コラム「数学者的思考回路 −夢と妄想のはざま−」のご案内 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  数学者はふだん何を考えているのでしょうか?  裳華房ウェブサイトで好評連載中の,2人の数学者によるコラム「数学者的 思考回路 −夢と妄想のはざま−」はもうお読みいただけましたでしょうか?  「数学者的思考回路 −夢と妄想のはざま−」  https://www.shokabo.co.jp/column-math/  現在,第15回「平面に目盛られた数」(執筆:谷口隆先生)を公開中です. 是非,ご一読をお願いいたします.  次回(第16回)は4/5に掲載予定です(偶数月第1水曜日更新)。  どうぞお楽しみに!  ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【5】裳華房 正社員募集のご案内 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  2018年3月の新卒者を対象に,数学・物理学分野の書籍を中心とした理工系 書籍の企画立案・編集実務などを行う編集者(若干名)を募集いたします. 裳華房 正社員(編集者)募集要項 (2017年) https://www.shokabo.co.jp/recruitment/  お近くに,出版社に応募してみたいという学生さんがいらっしゃいましたら, ご紹介していただければ幸いです.(応募締切 2017年5月10日消印有効) ※募集は終了しました※ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【6】お知らせ&編集後記 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◇お知らせ ─────────────────────────────────── 1.訂正表・正誤表や新しい演習問題など「書籍のサポート情報」.   https://www.shokabo.co.jp/support/index.html 2.2016年度版 裳華房 総合図書目録(2017年版は4月下旬発行予定です)   https://www.shokabo.co.jp/mokuroku.html ─────────────────────────────────── ◇編集後記 ───────────────────────────────────  今月発売された『数学セミナー増刊 数学ガイダンス2017』(日本評論社) の「新入生のためのブックガイド」にて弊社の書籍もいくつかご紹介いただき ました。大変にありがとうございます。 https://www.nippyo.co.jp/shop/book/7378.html https://www.shokabo.co.jp/reviews.html#math                                (TK) ─────────────────────────────────── 次号は2017年4月10日の配信予定です.どうぞお楽しみに! \\(^o^)// ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ★ Shokabo-Newsの配信停止・アドレス変更は下記URLよりお願いします ★ https://www.shokabo.co.jp/m_list/m_list.html メールマガジンのご意見・ご感想は m-list@shokabo.co.jp まで. ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 自然科学書出版 (株)裳華房 〒102-0081 東京都千代田区四番町8-1 Tel:03-3262-9166 Fax:03-3262-9130 電子メール:info@shokabo.co.jp URL:https://www.shokabo.co.jp/  Twitterアカウント:@shokabo 【個人情報の取り扱い】 https://www.shokabo.co.jp/policy.html ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ Copyright(c) 裳華房,2017      無断転載を禁じます.



         

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