一口に色といっても,自分で光っている物体(光源)の色と, 光に照らされた物体の色とでは, 色が付くしくみも色自体も違います. 人間の目や頭での色の認識も, 色彩感覚の個人差があり微妙です. そのため色を完全に表現するのは非常に困難で, さまざまな方法が提案されてきました. 現在使われている標準的な方法には, 色立体(修正マンセル表色系)や 色度図(CIE-XYZ表色系)などがあります. |
光(可視光)にはいろいろな波長の光(スペクトル)があり, 人間の眼はその波長の違いを色として感じます (実際の色の認識はもっと複雑です). 人間の眼には,明暗を感じる桿細胞と波長を見分ける円錐細胞があります. 円錐細胞には,赤色の光で大きな感度をもつものと, 緑色の波長帯で感度が最大になるもの,そして青色付近で感度が高いものの3種類があり, その生物学的な特徴や心理的な色彩感覚などを反映して, 3種類の基本色(原色)が存在するのです. |
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色光の3原色 RGB | 色料の3原色 CMY | ||
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赤(red)●
緑(green)●
青(blue)●
を光の3原色(色光または光源色の3原色)といいます.
頭文字でRGBとも表します.
赤は波長700nmの光,
緑は波長546.1nmの光,そして
青は波長435.8nmの光です.
赤と緑を混ぜると黄色に,緑と青でシアンに,青と赤でマゼンタになり, 他のすべての色光も3原色を適当な強さで混ぜ合わせることで作れます. 色光の3原色を混ぜ合わせると明度が上がるので, それを加法混色と呼びます. 赤と緑と青を等しい強さで混ぜると白色光になります. なお,混ぜ合わせると白色になる色どうしを, 補色とか余色といいます. たとえば,赤とシアン,緑と赤紫,青と黄などが補色の関係にあります. |
シアン(cyan)●
マゼンタ(magenta)●
イエロー(yellow)●
を色の3原色(正確には色料または物体色の3原色)といいます.
頭文字でCMYとも表します.
物体の色は光の吸収によって生じるもので,
青緑色のシアンは赤い光の吸収で,
赤紫色のマゼンタは緑色の光の吸収で,そして
黄色のイエローは青色の光の吸収で生じます.
シアンとマゼンタを混ぜると青に,マゼンタとイエローで赤に, イエローとシアンで緑になり, 他のすべての色料も3原色を適当な割合で混ぜ合わせることで作れます. 色料の3原色を混ぜ合わせると明度が下がるので, それを減法混色と呼びます. シアンとマゼンタとイエローを等量混ぜると黒色になります. |
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色を表す(表色)ためには, “いろいろな”理由から一般に3つの数値が必要ですが, 明るさの情報を犠牲にして2つの数値で色を表し, 2次元の図に表現したものを, 色度図といいます. |
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