黄道第2星座.金牛宮.
設定者はプトレマイオス.
冬の夜空でひときわ目を目を惹く,Vの字の星の並びがおうし座です.
Vの字は,ちょうどおうしの顔にあたり,その右目には,
ひときわ赤い1等星アルデバランが輝いています.
このVの字は,ヒアデス星団と呼ばれる散開星団です.
角の先にあるβ星は,隣のぎょしゃ座にかかりますが,
おうし座に属すると見るのが普通です.
おうしの肩には,すばる(プレアデス星団)と呼ばれる散開星団,
右の角あたりには,かに星雲と呼ばれる超新星残骸もあり,
さまざまな天体が賑やかに輝いています.
ギリシャ神話によると,このおうしは大神ゼウスが変身した姿と言われています.
フェニキア王の娘,エウロパ姫に心惹かれたゼウスは,
全身真っ白のおうしの姿になってエウロパに近づきました.
興味を持ったエウロパがおうしの背に乗った途端,おうしは駆け出し,
クレタ島へたどり着くと正体を明かし,二人は結婚したと言われています.
この地は,エウロパにちなんで,後にヨーロッパと呼ばれるようになりました.
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主な恒星
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符号
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名前
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意味
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等級
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距離
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α
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アルデバラン
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後に続くもの
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0.8
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60
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牛の右目に輝く1等星.スペクトル型:K5V.
「後に続くもの」というのは,プレヤデス星団に日周運動でついていくことによる.
日本でも「あとぼし」,「すばるのあとぼし」の名があるが,発想は同じである.
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β
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エルナト
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角で突くもの
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1.7
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130
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雄牛の角の先に輝く2等星.スペクトル型:B7V.
隣のぎょしゃ座にかかるが,おうし座に属すると見るのが普通である.
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ζ
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2.9
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500
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スペクトル型:B4Vpe.
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η
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2.9
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250
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スペクトル型:B7Ve.
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星雲・星団・その他
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ヒヤデス星団
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牛の顔にのところにある散開星団.距離140光年.星数約100個.
赤経4h19.8m,赤緯+15°37′.
アルデバランは距離149光年にあり,ヒヤデス星団とは偶然同じ方向に見えるだけであって
星団の中には含まれない.
双眼鏡で見ると星がたくさん散らばり,非常に美しい.
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M45 (Mel.22):プレヤデス星団
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牛の肩のところにある散開星団.光度1.6等.距離410光年.
赤経3h47.1m,赤緯+24°06′.
清少納言の「枕草子」にも「星はすばる...」との記述がある.
日本では「すばる(昴)」,「はごいた(羽子板)星」,「群がり星」などと呼ばれていた.
視力のよい人なら肉眼でも6個以上は見える.
双眼鏡で見ると,大小130もの星が見え,非常に美しい.
写真では薄い青色の光の雲に包まれた姿が見えるが,
これはこの星団がまだ若いことを表している.
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M1 (NGC1952):かに星雲
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光度8.4等.赤経5h34.5m,赤緯+22 °01′.
1054年に発見された超新星爆発の残骸である.
蟹の足の形に見えたことからこの名が付く.
日本人には佐渡島のような形といった方が分かり易い.
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流星群:おうし
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出現期間は10/23-11/20.極大は11/4-7.
極大時の1時間あたりの出現数は約10個.
母天体はEncke(エンケ).
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流星群:おうしβ
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出現期間は6/5-7/18.極大は6/30.出現数は中.
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