通常銀河 (Normal Galaxy)
<体験版>

銀河(galaxy)は,数百億から数千億という多数の恒星が集まった天体で, これらの恒星の間には,星間物質もあります.天の川銀河も,その1つにすぎません. したがって,銀河全体のスペクトルは, 銀河を構成している星やガスのスペクトルが重ね合わさったものと考えられます. 電波で観測されるのは,主に星間ガスです.

銀河のハッブル分類
銀河をその形によって分類したもの(形態分類)を, ハッブル分類(Hubble classification)と呼びます. おおまかには,E(楕円銀河),S0(レンズ状銀河), S(渦巻銀河),Irr(不規則銀河)の系列に分類され, 渦巻きの広がりや,バルジの棒状構造などから,さらに細分化されます. 棒状構造はA(なし),B(あり),AB(中間)を付けて表し, Eは丸いものから扁平なものへ0〜7, Sは渦巻きが閉じたものから開いたものへa,b,c,dと細分します. また形態に特異性を示すものは末尾にpと付けます.

銀河は,その形状から,楕円銀河,渦巻銀河(渦状銀河),不規則銀河に大別されます. 渦状銀河はさらに,(狭い意味での)渦巻銀河と棒渦巻銀河に分けられます. また,円盤状ですが渦状構造を示さないタイプで, 凸レンズ状のレンズ状銀河もあります. ここでは,これらの比較的平均的な性質を示すものを 通常銀河(normal galaxy)と呼びます.

楕円銀河は星間ガスが少なく, 電波で観測してもガスが発する電波輝線が検出されないものが多数あります. ただし,中心などで激しい活動を起こし,高エネルギー粒子を大量に放出している銀河では, シンクロトロン放射による電波連続スペクトルがみられます.
一方,渦巻銀河は星間ガスが豊富で,中性水素ガスや分子ガスが比較的多く存在します. したがって,渦巻銀河を分子輝線や中性水素輝線で観測すると, それらを放つガスの分布や運動を知ることができます.
特異銀河でも,星間ガスが発する電波輝線が観測され, さらに活発な星形成が起こっていると, それに伴う電離水素領域や超新星残骸からの電波が観測されることもあります.


楕円銀河 -Elliptical Galaxy-

M87(Vir A)
NGC5128(Cen A)

渦巻銀河 -Spiral Galaxy-

M51
M100
NGC891
近傍の銀河
NGC4414
NGC4631
NGC5033

棒渦巻銀河 -Barred Spiral Galaxy-

大マゼラン銀河
M83
NGC253
NGC6951
IC342

不規則銀河 -Irregular Galaxy-

小マゼラン銀河


銀河の回転


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