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基礎物理学選書
【編集委員会】
金原寿郎 ・ 原島 鮮 ・ 野上 茂吉郎 ・ 押田勇雄 ・ 西川哲治 ・ 小出 昭一郎
物理学という学問は実に入りにくい学問であるといわれ，物理学を苦手とする学生は極めて多いように思われますが，それは学問そのものの難しさ，奥の深さという点からいえば他の化学も同様でありましょうが，はじめて学ぼうとする人に対する，いわゆる“しきい”が高いという点においては，これほど敬遠される学問は他にあまりみられないように思われます．
その理由としてはいろいろあると思いますが，物理学では数学を道具として非常によく使われるので，これからくる難しさも一因でありましょう．しかしそれよりもむしろ，中に出てくる物理量が何を表わすかを正確に把握することが難しく，その物理量の間の関係式が何を意味しているのか，真意をつかむことがさらに難しい原因でありましょう．それのみならず，われわれの日常経験より得た知識だけではどうしても理解のできかねるような実態をも対象として扱うので，この辺が最大の難関となるように思われます．
しかしながら，大学の講義は時間に制約され，限られる時間に多数の基礎的知識を与えようとするため，とかく十分なことはでき難いところへ加えて学生数の増加は教官と学生間の緊密度も疎くなりがちとなる結果も生んでおります．貴重な講義も消化不良の恐れもあるのが現状といえましょう．
本選書は，いわば小社における各種の基礎的「教科書」と「大学演習新書」の間に位置し，真に「わからせる」ことをモットーとして，基礎を十二分に身につけて，専門課程へ進んでもらうことを目指したものであります．
本選書の一大特色は，各書共，査読委員を設け査読者は大学初年級という読者の立場に立って，より分かりやすくするための意見を交換して内容の程度範囲を調整し，常に学生の理解のためをはかったものであります．
1. 質点の力学（改訂版） 【復刊】 原島 鮮 著 2. 量子論（改訂版） 小出 昭一郎 著 3. 質点系・剛体の力学（改訂版） 【復刊】 原島 鮮 著 4. 音と音波【復刊】 小橋 豊 著 5A. 量子力学（ I ）（改訂版） 小出 昭一郎 著 5B. 量子力学（ II ）（改訂版） 小出 昭一郎 著 7. 熱力学（改訂版） 押田勇雄 ・ 藤城敏幸 共著 8. 振動・波動 有山正孝 著 9. 物性論（改訂版） 黒沢達美 著 10. 統計力学（改訂版） 市村 浩 著 12A. 電磁気学（ I ） 金原寿郎 著 12B. 電磁気学（ II ） 金原寿郎 著 13. 原子核 【復刊】 野上茂吉郎 著 14. 物理数学 【復刊】 押田勇雄 著 17. 量子力学演習 小出 昭一郎・水野幸夫 共著 18. 熱学演習―熱力学 【復刊】 原島 鮮 著 19. 熱学演習―統計力学（改訂版） 【復刊】 市村 浩 著 21. 電磁気学演習 【復刊】 小出昭一郎 編 22. 力学演習 【復刊】 野上茂吉郎 著 23. 光 学 石黒浩三 著 24. 振動・波動演習 【復刊】 有山正孝 編 26. 連続体の力学 佐野 理 著 27. 相対性理論 江沢 洋 著
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