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第19回 「ないものありますってありますか?」『ないもの、あります』(クラフト・エヴィング商會 著,ちくま文庫)編集者のAです。今回は、ちょっとユニークな本をご紹介しようかと。この本、一度でも読んだことがある方であれば、きっと、これまでに印象に残った本の中の一冊に挙げるのではないかと思います。 さて、いったいどんな本なのかといえば、まさにタイトル通り、ないものが、あるんです。といっても、これだけでは読んだことがない方には全く意味不明だと思いますので、この本の序文に相当する「店主より御挨拶」から、一部引用をさせていただきたいと思います。
この本、実際にはこの世にないものを取り揃えたお店が、その商品の素晴らしさや使用上の注意をユーモアを交えながら、“あたかも存在するかのように紹介する”という、実にユニークなストーリーになっているのです。 上の店主からの御挨拶の後に、目次ならぬ、(扱っている商品の)「目録」のページがあるのですが、そこには、実に欲しくなる商品がずらりと並んでいます。詳細は本書の紹介ページでご覧いただきたいのですが、ここに挙がっている商品の中で、私が個人的に手に入れたいものといえば、
・左うちわ といったところでしょうか。「冥途の土産」は、自分にはまだちょっと早いように思いますが、「左うちわ」は、今すぐにでも手に入れたいところです。しかし、このうちわ、やはり人気の商品らしく、
と紹介されています。でも、
と書かれていて、まさに私の期待通り! ただ、
といった見逃したら大変なことになる注意事項もあったりと、かなりリスクの高い商品でもあるようです。まぁ、こうした感じに、「目録」に掲げられた各商品が次々と紹介されながらストーリーが展開されていていきます。
また,巻末には、先日亡くなられた、作家の赤瀬川原平さんが本書のために書かれたという、
なお、この本、(きっと隠れた名作になっているためだと思いますが)書店の店頭で見つけるのがなかなか難しいのです。本書を店員さんに探してもらおうと、 疲れたなぁと感じたとき、イライラした気分のとき、そして、今日はのんびりしたいなぁと思ったときに、本書をお薬代わりに一読することをおススメいたします。
【今回ご紹介した書籍】 「裳華房 編集子の“私の本棚”」 Copyright(c) 裳華房,2014 ※「裳華房 編集子の“私の本棚”」は,裳華房のメールマガジン「Shokabo-News」にて連載しています.Webサイトにはメールマガジン配信の約1か月後に掲載します.是非メールマガジンにご登録ください. |
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