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第23回 液体って何だ、固体って何だ『砂時計の七不思議』(田口善弘 著,中央公論新社) 粉粒体とは、簡単にいうと“小さな粒の集合体”です。例えば砂時計の砂は、砂粒が多数個集まった典型的な粉粒体です。他にも小瓶に入っている食塩や、降り積もった雪も粉粒体といえます。一粒一粒は単なるつぶに過ぎませんが、多数個集まる(=粉粒体)と、奇妙な振舞いが見られます。
この他にも、粉粒体は重力に逆らったり、美しい縞模様を作ったり、常識的には考えられないような不思議な振舞いをします。本書は、このような粉粒体にみられる現象の数々を、実験とシミュレーションの結果を用いて丁寧に解説していきます。それを追っていくだけでも充分楽しめるのですが、最終章では「物理学はどこまで理解できるのか」というような深い内容にも触れており、粉粒体を概観するだけにとどまらない構成になっています。 残念ながら現在は品切れ中のようで、2007年には電子書籍版が出版されましたが、こちらも現在は入手できないようです。機会がありましたら図書館等でご覧いただければと思います。
【今回ご紹介した書籍】 「裳華房 編集子の“私の本棚”」 Copyright(c) 裳華房,2015 ※「裳華房 編集子の“私の本棚”」は,裳華房のメールマガジン「Shokabo-News」にて連載しています.Webサイトにはメールマガジン配信の約1か月後に掲載します.是非メールマガジンにご登録ください. |
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