雑誌『生物の科学 遺伝』 1997年11月号(51巻11号)
B5判 80頁
【特集 植物の形の進化/加藤雅啓 企画】
植物はそれぞれの種に特有の“形”を備え,植物全体では著しい形態多様性が存在する.いまある形は,どのようにできてきたのか,なにゆえそのような形になったのか.「形態形成」「化石」という従来のキーワードに,「遺伝子発現」「モデル植物」「 分子系統」「数理モデル」等の新しいキーワードを加え,より豊かな,より興味深い内容を含むようになった植物形態進化研究の現状を紹介する.
特集にあたって(加藤雅啓)
植物器官の系統発生と個体発生(今市涼子)
植物の生殖器官の進化(長谷部光泰)
化石から見る形の進化―花の始まり(西田治文)
形態進化の実験的モデル植物・シロイヌナズナ(塚谷裕一)
分子系統樹が語る形の進化(村上哲明・瀬戸口浩彰・遠藤康弘)
種子の大きさと形の進化―数理モデルによる解析(酒井聡樹)
【今月の解説】
ショウジョウバエにおける生殖細胞形成メカニズム(小林 悟)
イネより検出される2本鎖RNA(福原敏行)
【トピックス】
ティラノサウルス科の歯の化石,日本の白亜紀前期の地層から発見(真鍋 真)
【連 載】
連載エッセイ・自然と私/日本に生息するタヌキとたぬき(池田 啓)
江戸東京の自然誌/大賀ハスの魅力(唐沢孝一)
植物文化史/ (臼井英治)
実験・観察のページ/表計算ソフトを用いた遺伝的浮動のコンピュータ・シミ ュレーション(名和暢一)
ヒトの遺伝をめぐる12の疑問/成人病,生活習慣病をめぐって(中込弥男)
海の向うのワンダーランド−海外調査こぼれ話/名前の洪水―パプアニューギニアで家系図をつくる(大塚柳太郎)
実験生物ものがたり/クラミドモナス(神谷 律)
生物ライブラリー/地球植物誌計画・多様性生物学入門・虫を食べる人びと
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