雑誌『生物の科学 遺伝』 1998年2月号(52巻2号)
B5判 80頁 



【特集 ミトコンドリア/河野重行 企画】
     ミトコンドリアは従来,ATPを合成する,細胞呼吸の場として語られてきた.しかし,核とは違った独自のDNAをもつこと,その起源は別個の生物であり,宿主細胞に共生したものであるらしいことなどが明らかになるにつれ,ミトコンドリア研究は多方面で大きな発展をみるようになった.ミトコンドリア研究の多様で魅力的な成果をさまざまな角度からやさしく紹介する.

    ミトコンドリア研究のパラダイム(河野重行)
    ミトコンドリア細胞内共生過程の謎―どうやって核へ遺伝子を移したか?(門脇光一)
    ミトコンドリアはどうやって増えるのか?(伊藤竜一)
    ミトコンドリアDNAにみられる母性遺伝の不思議(金田秀貴・米川博通)
    ヒトの老化とミトコンドリアDNA(田中雅嗣)
    ミトコンドリアDNAでみる日本人の起源(宝来 聰)
    ミトコンドリアDNAでみるブナ林の歴史(小池孝良)
【今月の解説】
    警告シグナルの進化(東 正彦)
【トピックス】
    ウランなどの核燃料物質を濃縮する微生物(坂口孝司)
    水俣湾の魚フェンスの撤去(滝澤行雄)
【連 載】
    連載エッセイ・自然と私/人間と自然の相互理解法―アベック調査のすすめ(進士五十八)
    植物文化史(臼井英治)/カボチャ−日向の伝統野菜
    実験・観察のページ/眼球のつくりとしぼりのはたらき(田幡憲一)
    江戸東京の自然誌(唐沢孝一)/養蚕業の栄枯盛衰
    進化の支流と本流(石川 統)/プリオン(タンパク質性伝達因子)とその研究
    海の向うのワンダーランド−海外調査こぼれ話/甲殻類を追ってオーストラリア・ニュージーランドの沿岸をさまよう(池谷仙之)
    実験生物ものがたり/ゼブラフィッシュ(武田洋幸)
    季節の樹木誌(八田洋章)/ヒサカキ Eurya japonica ツバキ科・ヒサカキ属
    生物ライブラリー/『一寸の虫にも十分の毒』『DNAのわかる本』『DNA人類進化学』



         

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