雑誌『生物の科学 遺伝』 1998年6月号(52巻6号)
B5判 80頁


【特集 遺跡の生物学/辻 誠一郎 企画】
    過去の人々がかつて生活した痕跡を残す遺跡.そこには,われわれ人間の長い歴史を物語る貴重な資料が眠っている.古くから,生物資料の同定を担うなどの貢献をしてきた生物学であるが,近年,考古学との大規模な共同研究が積極的に行われている.ここでは,縄文−弥生時代を中心に,より科学的な視点から解析され,新たに浮かび上がってきた人間の歴史像を紹介する.

    遺跡発掘と生物学:人と生物のかかわり史を探る(辻 誠一郎)
    骨から読み解く人と人社会の歴史(中橋孝博)
    貝塚から探る人と動物とのかかわり(西本豊弘)
    森林資源と木材利用史(鈴木三男)
    DNAから栽培と農耕の歴史を探る(佐藤洋一郎)
    昆虫から読み解く縄文〜弥生時代(森 勇一)
    トイレ跡は生活のるつぼ:排泄物の生物学(金原正明)
【今月の解説】
    生物ゲノムを解析することの意味(大山莞爾)
    1996-97年における組換え作物の栽培(山口彦之)
【トピックス】 【連 載】
    連載エッセイ・自然と私/ピナトゥボ爆発をふり返って(津川兵衛)
    植物文化史(臼井英治)/ハッカ−和製ハーブ
    実験・観察のページ/遠沈・空気乾燥法による染色体プレパラートの作製(池田比呂志)
    江戸東京の自然誌(唐沢孝一)/神農祭と楷樹の黄葉
    進化の支流と本流(石川 統)/水素説−改訂版共生説
    海の向うのワンダーランド−海外調査こぼれ話/春植物を求めて−アメリカ合衆国(大原 雅)
    季節の樹木誌(八田洋章)/センダン Melia azedarach var.subtripinnataセンダン科・センダン属
    研究室・研究所めぐり/広島大学 理学部 附属両生類研究施設(住田正幸)
    生物ライブラリー/『日本人の骨とルーツ』『免疫学個人授業』『生物のからだはどう複雑化したか』



         

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