雑誌『生物の科学 遺伝』 1999年11月号(53巻11号)
B5判 80頁 


【特集 花と虫たちの共進化/鈴木和雄 企画】
    花とその花粉を媒介する昆虫の巧妙な関係は,古くからナチュラリストたちの興味を引いてきた.あたかも花の形にあわせてあつらえたようなハチの口吻の長さ,ランにみられる巧みな送粉システムなどは,いったいどのように進化してきたのだろう.花と虫たちの共進化−現在でも新発見の相次ぐ,その驚異の世界にご案内しよう.
    特集にあたって(鈴木和雄)
    ハナアブ類に好まれる花たち(田中 肇)
    花形態の多様化と送粉者−マルハナバチとマルハナバチ媒花との形態的対応(鈴木和雄・福田陽子)
    ハナバチの「心」を知り尽くした花たち−ハナバチ媒花の多様性(杉浦直人)
    熱帯林の臭い仲−糞虫によって送粉される植物(酒井章子)
    イチジクとその送粉昆虫の共生関係−種子を食べる昆虫から種子を育てる昆虫への進化(横山 潤)
    花たちの広告戦略−花びらへの最適資源投資(酒井聡樹)
【トピックス】
    性周期で顔の好みが変わる?(小林哲生)
    チンバンジーは親子のペアをわかっているか?−顔写真を用いて(金沢 創)
    遺伝研創立50周年(藤澤敏孝)
【今月の解説】
    再生研究の新しいモデル実験動物−ヤマトヒメミミズの生物学(茗原眞路子)
【連 載】
    エッセイ・自然と私/私の自然観(長田敏行)
    万里同符−トロイカエッセイ/幸福の脳科学(澤口俊之)
    植物文化史(臼井英治)/カリン−咳止めの妙薬
    実験・観察のページ/北九州市山田緑地の多肢性カエル  (立石雅代・倉本 満)
    進化の支流と本流(石川 統)/
      ポリメラーゼと鋳型DNA−動くのはどちらか
    動物たちの気になる行動/イルカはどこを見ているか(赤松友成)
    海の向うのワンダーランド−海外調査こぼれ話/
      ガラパゴスの島々にミミズを求めて(中村方子)
    研究室・研究所めぐり/京都大学大学院・生命科学研究科・全能性統御機構学分野(佐藤文彦)
    生物ライブラリー/『マダガスカルの動物』『新しい自然史博物館』
      『藻類の多様性と系統』



         

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