雑誌『生物の科学 遺伝』 1999年12月号(53巻12号)
B5判 80頁


【特集 生物の左右性 −分子から群集まで/浅見崇比呂・今福道夫 企画】
    人も含め,ほとんどの動物は外見的には左右対称に見えるが,カタツムリやヒラメのように明らかに左右非対称な動物もいる.一方,分子の世界に目を転じると,左右のバランスは完全に崩れている.最近左右性の決定にかかわる遺伝子が見つかりつつあり,がぜんエキサイティングな様相を呈し始めた「生物世界の左右性」研究の現状を,分子から群集までさまざまなレベルにわたってご紹介しよう.
    特集にあたって(浅見崇比呂・今福道夫)
    左右性,その多様な現象−昆虫類にみられる左右性(鈴木邦雄)
    左右性とその意味(今福道夫)
    生命分子の左右性と機能(黒田玲子) 
    発生における左右非対称性の決定メカニズム(野地澄晴) 
    系統発生の中に左右性をみる(相原瑞樹・北沢千里・雨宮昭南) 
    らせんと体軸の鏡像進化 ―巻貝個体群の左右性(浅見崇比呂) 
    右利きと左利きのダイナミズム−群集の中の左右性(堀 道雄)
【トピックス】 【連 載】
    エッセイ・自然と私/小川と藪に囲まれて(片野 修)
    万里同符−トロイカエッセイ/暁の死(田沼靖一)
    植物文化史(臼井英治)/カブ−豊かな地方色
    実験・観察のページ/ラン藻を簡易に培養する
      (工藤泰子・田幡憲一・熊谷理恵子)
    進化の支流と本流(石川 統)/植物の植食者対策と寄生蜂
    動物たちの気になる行動/鳥の貯食行動(堀田昌伸)
    研究室・研究所めぐり/京都大学・霊長類研究所(小嶋祥三)
    生物ライブラリー/『これが生物学だ』『ヒマラヤを越えた花々』
      『植物分子生理学入門』



         

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