雑誌『生物の科学 遺伝』 1999年7月号(53巻7号)
B5判 112頁 (特大号)


【特集1 クローン動物−その意義と展望/入谷 明 企画】
    クローン羊ドリーの誕生.“哺乳類の体細胞からクローンができた”という 衝撃的なニュースは“クローン人間は是か非か”という議論を生み,国によ りさまざまな対応がなされた.一方で,マウスのクローンが着々と代を重ね, 畜産分野では初期胚クローンの実用化をみている.技術・倫理の両面で越え るべき壁は存在するものの,クローン研究はさまざまな可能性を見据えて進 展しつつある.
    クローン研究の流れ−クローン動物生産の背景と将来展望(入谷 明)
    ウシ初期胚からクローンを作る(青柳敬人・宇留野勝好・浦河真実)
    体細胞クローン牛作出の現状(今井 裕)
    マウスのクローン(若山照彦・柳町隆造)
    クローン動物の出現と倫理問題(米本昌平)
     コラム:ピエゾドライブ(若山照彦)
【特集2 マリモの生物学/植田邦彦・若菜 勇 企画】
    阿寒湖の神秘「毬藻」.マリモの命名から今年が101年目にあたるが,同じ仲 間でも美しい球形となったりならなかったり,生物学的にはまだまだ謎の多い 存在である.新しい手法をもちいて,その起源や類縁,球をかたち作る過程, 光合成特性,さらにはこれからの保全のあり方も考える.マリモの生物学はい ま新しい時代の幕を開けた。
【トピックス】 【今月の解説】
    ヒドラの神経ペプチド(高橋俊雄・藤澤敏孝)
    曲がり角に立つ日本の理科教育(田幡憲一)
【連 載】
    万里同符−トロイカエッセイ/240年後の万里同符(佐倉 統)
    植物文化史(臼井英治)/シソ−夏の香辛料
    実験・観察のページ/ホタテ貝柱からのグリセリン筋の作製(中村信雄)
    環境保全の現状/藤前干潟保全の意味(上田恵介)
    諫早湾の生物−有明海特産種の宝庫/ズグロカモメとシギ・チドリ類(花輪伸二)
    進化の支流と本流(石川 統)/
     三毛猫はメスばかり−X染色体の不活性化機構
    動物たちの気になる行動/謎に満ちた淡水棲カメの配偶行動(矢部 隆)
    海の向うのワンダーランド−海外調査こぼれ話/
     タンガニイカ湖のスケールイーター−その右利き左利き(堀 道雄)
    研究室・研究所めぐり/東京農業大学・農学部・畜産学科・
     河野友宏研究室(河野友宏)

    私のメモ/カブトエビの分布を調べてみよう!(篠川貴司)
    生物ライブラリー/『オシドリの木』『ブナ林をはぐくむ菌類』
     『昆虫の本棚』『アジアの昆虫資源』『数の悪魔』



         

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