雑誌『生物の科学 遺伝』 2000年7月号(54巻7号)
B5判 112頁 (特大号)
【特集1 食品研究の現在/谷口 肇 企画】
暮らしぶりの変化に伴い,「栄養」から「美味しさ」へ,さらに 「病気の予防」へと,食生活に求めるものも変わってきている.一方では遺伝子組換え食品の評価とその安全性といった,食をめ ぐる新たな問題も生じてきた.食品研究の今日的な話題とこれか らの方向を多角的に展望する.
食品研究の背景(谷口 肇)
栄養学の多次元性−5W1Hの視角から(五明紀春)
食品の機能1−免疫系に対する作用を中心にして(上野川修一)
食品の機能2−抗酸化作用,抗がん作用(大澤俊彦)
安全性の評価とその確保−遺伝子組換え食品への応用(一色賢司)
食と健康の科学−今後の一方向(鈴木建夫)
【特集2 放射線と遺伝−放射線の生物(ヒト)への影響/堀 雅明 企画】
記憶に新しい東海村での臨界事故.放射線の利用には常にリスク の問題がついてまわり,その対策のためにも生物への影響を正しく把握することは不可欠である.放射線が生物(人体)にどんな 影響を与えるのか,遺伝的影響を中心に,原爆後影響の長年にわ たる調査結果なども交えて論じる.
序:企画にあたって−放射線の生物影響(堀 雅明)
身近な放射線(藤元憲三)
放射線の遺伝的影響(中村 典)
放射線による遺伝子突然変異と染色体異常−放射線被ばくによる
遺伝的リスクの推定(堀 雅明・斎藤俊行)
放射線によるがんの発生(荻生俊昭・島田義也)
【トピックス】
【今月の解説】
イマチュリン:ゾウリムシの性的若返り物質(芳賀信幸)
『生物教育用語集』(初版)の補足と訂正(浅島 誠・渡辺 昭)
大理論家で自然愛好家 ハミルトン博士を悼む(伊藤嘉昭)
【連 載】
エッセイ・自然と私/富士を撮る(中込弥男)
万里同符−トロイカエッセイ/人と時代の幸運な出会い(佐倉 統)
実験・観察のページ/ネコの毛色の遺伝−地域のネコを調べて
集団遺伝を学ぶ(浅羽 宏)
環境保全の現状/ミチゲーションは自然環境保全の切り札になるか?
(日置佳之)
動物たちの気になる行動/他人と会わないイエネコの工夫(伊澤雅子)
進化研究のコンセプトを語る/植物の集団生物学の立場から
−最近の研究動向と成果(河野昭一)
生物ライブラリー/『性とはなにか』『ヤマガラの芸』
『寄生虫との百年戦争』『細胞学の歴史』『よくわかる遺伝子工学』
自然科学書出版 裳華房 SHOKABO Co., Ltd.
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