雑誌『生物の科学 遺伝』 2001年11月号(55巻6号)
B5判/112頁/

【特集 遺伝子組換え作物−開発現状と安全確保/鎌田 博 企画】
     2001年4月から遺伝子組換え食品についての新しい表示制度が実施されたが, 国内での安全性が未確認である遺伝子組換えジャガイモの混入事件なども相次ぎ, 市民には「遺伝子組換え食品」に対する漠然とした不安と誤解が広まっている.  ここでは,遺伝子組換え実験の歴史・技術・開発目的,その安全性に関する 考え方と評価の方法,そしてこれからの市民と専門家とのコミュニケーションの あり方についての試みを紹介する.  遺伝子組換え作物とはどういうものかを正しく理解したうえで,残された問題 点を市民と専門家の両者が共に議論していくことが重要であろう.
    序にかえて:遺伝子組換え実験の歴史と安全確保の考え方(鎌田 博)
    植物における遺伝子組換え技術(小関良宏
    遺伝子組換え作物の開発 −開発の現状と次世代組換え作物(大川安信
    食べるワクチン −遺伝子組換え植物にワクチンを作らせる
     (松本安喜・辻 尚利・新川 武・山川 隆)
    遺伝子組換え作物の食品としての安全性(鎌田 博
    こちらは「筑波大学遺伝子実験センター
    遺伝子組換え植物の環境影響(鈴木 茂)
    市民と専門家とのコミュニケーション −「コンセンサス会議」に学んで(野口宣靖
    遺伝子組換え作物の社会対応 −リスク評価と検知技術(日野明寛
シリーズ 検証・20世紀の生物科学/遺伝編集委員会 企画】
    生態学から地球環境へ −多様な生物の共存機構と進化をめぐって(嶋田正和)
    がん研究 −化学発がんから遺伝子研究へ(武部 啓)
【トピックス】
    「ジャガイモ飢饉」当時の標本のDNAと病原菌進化の謎(有江 力
    小さなRNAでヒト遺伝子の発現を抑制する新手法発見(梨本正之)
    古生代末に起きた2段階の大量絶滅事件(磯崎行雄)
    「遺伝教育について考える」シンポジウム開催(布山喜章
【連 載】
    表紙によせて/紅 葉(中込弥男)
    ウチの目玉収蔵品 紹介/
      埼玉県立自然史博物館
      徳島県立博物館
    万里同符−トロイカエッセイ/老いて死ぬこと(田沼靖一)
    動物たちの気になる行動/ネズミの貯食行動と種子散布(箕口秀夫
    実験・観察のページ/果物のもつ酵素の実験(岡 邦広)
    病気と遺伝子/ゲノム計画で医療はどう変わるか(中込弥男)
    環境保全の現状/
      やんばるの自然と鳥−米海兵隊ヘリパッド移設計画が招く危機
       (上田恵介石田 健
    がんばれ 生物クラブ/   札幌市立北海道札幌藻岩高等学校 −美々川・ウトナイ湖の調査(永盛拓行)
    研究室・研究所めぐり/
      東北大学大学院・理学研究科 附属植物園,八甲田山植物実験所(鈴木三男
    生物ライブラリー
      『アレルギーとアトピー
      『人はなぜ病気になるのか』
      『パラサイト・レックス』
【その他】
2001年総目次



         

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