雑誌『生物の科学 遺伝』B5判/112頁/ 1992年のリオ・サミット以来,気候変動枠組み条約と生物多様性条約に基づいて,地球環境の保全に向けた国際的な取組みが進められてきている.しかし,地球表層面積の7割を占める海洋に対しては,充分にその視点が向けられているとは言い難い. 本特集では,いま 海洋生態系に生じているさまざまな問題や,私たち人間の活動が海洋にどのような影響を及ぼしているのかを解説する.また,地球環境と私たちの将来を見つめ直すための基礎となる,調査・プロジェクトなども紹介する.
干潟環境の危機(堤 裕明) サンゴ礁の環境保全(大森 信) 藻場生態系と地球環境(相生啓子) なぎさ環境の保全(清野聡子) 富栄養化と海洋生態系の危機(門谷 茂) 有機塩素化合物による海洋生物の汚染(田辺信介) 地球温暖化と海洋環境(大隅多加志) 人間活動と深海環境(福島朋彦) コラム:海洋深層水の利用と海洋環境(高橋正征) 環境保全のためのモニタリング(中田英昭) コラム:海洋生物のセンサス(白山義久)
−プラナリアの nou - darake 遺伝子の発見(阿形清和) ホヤ・ゲノムの解読完了 −脊椎動物の進化の解明に大きな一歩(佐藤矩行・佐藤ゆたか) イヌのルーツは東アジアのオオカミであった可能性が高い(田名部雄一) はぐれ狼が群れを救った −絶滅危惧種と遺伝的多様性(中込弥男) 原始的な棘皮動物,有柄ウミユリの幼生を発見(大路樹生) 目を変態させて深海のオアシスを探す(小松浩典・武田正倫) 熱帯の大規模火災と地球温暖化の関連性(清水 庸) 動物園における 絶滅危惧種アカガシラカラスバトの飼育繁殖への取組み(成島悦雄)
ウチの目玉収蔵品 紹介(12)/ 高知県立牧野植物園「牧野文庫 飯沼慾斎 著『草木図説』木部 稿本」 鳥取県立博物館「ダイオウイカ Architeuthis sp. の完全標本」 生き物の不思議(8)/ 恐竜時代から生き続ける針葉樹の能力(朝川毅守) 研究室・研究所めぐり(44)/ 東京大学大学院 農学生命科学研究科 生物・環境工学専攻 生物環境情報工学研究室(大政謙次) かたちと遺伝子(8)/ 反復説 −ゲノムと発生と進化の悩ましい問題 その5(倉谷 滋) 環境保全の現状(30) ラムサール条約と日本の湿地(磯崎博司) 実験・観察のページ(296)/ ラン藻の窒素固定を観察する(田幡憲一・横田正之・乳井祐実子) 生物ライブラリー/ 『全地球史解読』 『日本淡水産動植物プランクトン図鑑』 『これからの鳥類学』 『植物のかたち』 『生物体系学』 |
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