特集 植物遺伝資源
歴史を創る植物遺伝資源 −特集にあたって(要約)
笹隈哲夫
遺伝資源とは,「人が利用する立場からみた遺伝的多様性をもった生物群」と定義される.
一般的生物資源と異なるのは,「遺伝的多様性をもった」という点と,「利用」の位置づけである.
植物遺伝資源の場合,一義的には作物の育種素材として理解されやすいが,研究・開発素材,自然保護,あるいは文化的意義,文明の発祥,人社会の歴史を学ぶうえでも重要な役割を果たす.
これらの植物遺伝資源の理解,活用,保全に関する課題を深めることは,新しい科学の創造,食糧や環境問題への解決の道,多様な文化や歴史への理解,等へつながる.
そして,何よりも,失われてしまう前に保全を! そのためのアクションが急務である.
(ささくま てつお,横浜市立大学 木原生物学研究所)
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