(2001.5.1)
5月17日は「世界電気通信の日」.
「世界中の国々と,より速く,より正確に連絡をとる手段としての電気通信の普及と理解を深める日」とされています.そもそもは1865年の万国電信条約調印日にあたる5月17日を,ITU(国際電気通信連合)がその創立記念の「世界電気通信の日」と定めたもの(ちなみに,モールスが電気通信に成功したのは1844年5月24日のことです).
ITUは1947年以来,国連の専門機関のひとつとなっていますが,もともとは1865年発足の万国電信連合と,1906年発足の国際無線電信連合が1932年に統合されて生まれたもの.加盟国は現在189を数え,ジュネーブを本部に活動を行なっています.さて,ITUは大きくITU-T(電気通信標準化部門),ITU-R(無線通信部門),ITU-D(電気通信開発部門)と事務総局とからなり,このうち,ITUの主要な役割のひとつである「電気通信技術の世界標準の作成」にはITU-TとITU-Rがあたっています.
前者ではモデム,ISDN,通信事業者のネットワーク・インタフェースの標準化を,後者では無線通信サービス関連の標準化をそれぞれ担当しています.近ごろ話題にのぼることの多い「次世代携帯電話IMT-2000」の無線規格の標準化は,ITU-Rによって進められています.また,インターネット関連の標準化はITU-Tによって行なわれてきましたが,提案の自由度や柔軟性に欠けるうえ,検討のスピードも遅いという理由から実状にそぐわず,結果的にIETF(Internet Engineering Task Force)やW3C(WWWコンソーシアム)といった組織によって規定された標準を追認する形にとどまっています.
● 関連リンク:
○ 国際電気通信連合
○(財)日本ITU協会
○ IETF
○ W3C
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