(2001.8.1更新)
初夏から秋口にかけて,湖沼やお堀など陸水の水面が緑色に覆われ,異臭(カビ臭)が漂うことがあります.これはいわゆる「アオコ」の仕業で,大規模に発生したときは新聞やTVのニュースなどでも取りあげられます.
アオコとは,シアノバクテリア(藍色細菌,藍藻とも呼ばれます)が増殖し水面に集積した状態のことで,この微生物はほとんどの種が毒(シアノトキシン)をもち,飲料水源に大発生してしまった場合は,なんとかしてこれを取り除かなければなりません.
ここでは,アオコと水質浄化に関連するWebサイト,アオコに関連した書籍等をご紹介いたします.
諸外国では死亡事故が生じている例も多く,日本でこれまでそうした事故が記録されていないのは,単なる偶然,もしくは,実際にはシアノトキシンによる中毒事故だったのに原因不明として処理されたためではないかともいわれています.また,8月1日は「水の日」,1日から1週間は「水の週間」とされ,さまざまなイベントが催されています.水に関連する話題として,これらにまつわるイベント情報が載っているサイト等もご紹介いたします.
●アオコ・水質浄化関連Webサイト
○国立科学博物館 植物研究部
アオコといえばこのサイト.アオコとは何か,シアノバクテリア(藍藻)の基礎,さらには浮遊藍藻のデータベースまで.
○水質浄化に利用可能な植物データベース
水質浄化の実践向けに「これは便利」なサイト.ケース別の検索システムなど,とても充実しています.
●アオコ関連書籍
○『飲料水に忍びよる 有毒シアノバクテリア』
彼谷邦光 著/定価2640円(本体2400円+税10%)/裳華房 最新刊
シアノバクテリアとその毒の構造,シアノトキシンから飲料水をいかに守るかについて,豊富な事例をもとに解説した最新刊.水質,環境に関心をもつ方々には必読のテキストです.
○『アオコ −その出現と毒素』
渡辺真利代・原田健一・藤木博太 編/定価5940円(本体5400円+税10%)/東京大学出版会
アオコの生態からアオコの毒の化学構造などを幅広くまとめたものです.
○『環境のなかの毒 −アオコの毒とダイオキシン』【ポピュラー・サイエンス 132】
彼谷邦光 著/定価1540円(本体1400円+税10%)/裳華房
身近な環境毒「アオコ」と「ダイオキシン」についてわかりやすく解説したもの.アオコについては上記『飲料水に忍びよる有毒シアノバクテリア』の入門篇といえます.
○「有毒アオコの影響 −陸水の汚染」(彼谷邦光)
『生物の科学 遺伝』 2000年9月号(特集・藻類と地球環境)
定価1760円(本体1600円+税10%)/裳華房
●河川愛護月間・森と湖に親しむ旬間等関連Webサイト
○国土交通省のイベント紹介サイト
「川の日」「森と湖に親しむ旬間」関連イベント他,情報多数.
○「水の日」「水の週間」(国土交通省水資源局)
自然科学書出版 裳華房 SHOKABO Co., Ltd.