(2003.1.8)
ゲノムプロジェクトは1990年より進められ,2001年2月にヒトゲノムのドラフトシークエンスの解読が完了したという発表があり,治療薬の開発などに役に立つ「ファイナル版」が解読されるのももう間もなくのようです.ヒトゲノムから実際にmRNAとして発現する領域を探り当てる「cDNAプロジェクト」などの研究もすでに展開されており,ゲノムプロジェクトは確実に次のステージに進んでいます.
また全配列決定済みのゲノム一覧などは,京都大学化学研究所と東京大学医科学研究所を中心に運用されているゲノムネット(GenomeNet)のサービスであるKEGG 生命システム情報統合データベース で調べることができ,世界中の研究者たちによって利用されています.→サイトはこちら
ここではゲノムの解読に関する最近のニュースを紹介します.
なお雑誌「生物の科学 遺伝」でも,ホヤのゲノム解読については2003年3月号に,マウスについては5月号に,それぞれ詳しい記事を掲載する予定です.
・ヒト14番染色体のゲノム完全解読=アルツハイマー病解明に期待
(時事通信2003年1月2日)・イネゲノム塩基配列解読記念式典を開催
(農業生物資源研究所 プレスリリース2002年12月18日)・脊椎動物の原型、ホヤゲノム解読
(読売新聞2002年12月13日) (Nature Bio News 2003/1/2,東奥日報 2003/1/4)・遺伝子の8割が人間と共通!? マウスゲノム、解読を完了
(日本経済新聞2002年12月5日) (Nature Bio News 2002/12/19)・「ビール酵母」のゲノムを世界で初めて解読
(サントリー ニュースリリース2002年9月30日)・マラリア原虫と媒介するハマダラカの全遺伝情報を解読
(朝日新聞2002年10月3日)・ヒトゲノム解読「来年4月に完了」 国際研究チーム
(毎日新聞2002年8月30日)・ラン藻ゲノム 3種類の全情報解読を完了 かずさDNA研
(毎日新聞2002年3月1日)
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