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今月の話題

2000年酸性雨国際学会

(2000.11.1)

 12月10〜16日,西暦2000年酸性雨国際学会つくば国際会議場にて開催されました.この国際学会は1975年アメリカのコロンビアから始まり,その後5年ごとに開催され今回で第6回を迎えます.

 酸性雨問題が話題になることは,わが国では一時に比べてだいぶ少なくなったように思われます.酸性雨による被害が深刻な北欧・北米と違って,日本の森は酸の中和能力が高く,またもともと火山性の酸性地域が多いために好酸性の動植物が多いことから,それほど目立った被害が出ていないのも事実でしょう.しかし今後,工業化が進む東アジアからの季節風の影響により強い酸性雨が降り,多大な被害を被る可能性がないわけではありません.現状の正確な把握と,抜本的な対策のため,本国際学会の成果を大いに期待したいと思います.


<関連書籍>

 『酸性雨と酸性霧』(ポピュラー・サイエンス 74)
村野健太郎 著 本体1400円+税

 『生物の科学 遺伝』2000年11月号
「特集・酸性雨の生態系への影響」(佐竹研一 企画)
本体1100円+税



         

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