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Shokabo-News No.288 2013/5/30
裳華房メールマガジン 5月号
https://www.shokabo.co.jp/m_list/m_list.html
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◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ 今回のご案内 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
◇ 近刊
高木正道 監修/池田友久 編集代表『新 バイオの扉』
◇ 最近の話題
シーラカンスの全ゲノム解読
◇ 鹿野 司の“読書ノート”(7)
医薬品開発をめぐる栄光と悲運
◇ 裳華房の“古書”探訪 (14)
松村松年 著『日本昆蟲學』[初版 明治31年]
◇ 裳華房 編集子の“私の本棚”(2)
二人の偉人を対比して描きだしたユニークな解説書
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Shokabo-News 会員の皆様 こんにちは m(_ _)m
Shokabo-News 2013年5月号をお届けいたします.
来月6月から各地の大学生協書籍部にて裳華房フェアを開催します.開催予
定大学生協の一覧および開催期間は下記サイトにまとめてありますので,ご覧
ください(秋〜冬に開催を予定している大学生協書籍部もあります).
関係する大学の方は,フェアの期間中,店舗まで足をお運びいただければ幸
いです.
◇裳華房フェアのお知らせ
https://www.shokabo.co.jp/fair/index.html
さて今回のShokabo-Newsでは,生物学分野の近刊1点の紹介をはじめ,好評
連載「鹿野 司の“読書ノート”」ではトーマス・へイガー 著『サルファ剤、
忘れられた奇跡』(中央公論新社)を,「裳華房の“古書”探訪」では日本初
の昆虫学テキスト,松村松年 著『日本昆蟲學』を,「裳華房 編集子の“私の
本棚”」では石原藤夫 著『ニュートンとアインシュタイン』 (早川書房)を
取り上げます.
ご意見・ご感想を m-list@shokabo.co.jp までお寄せいただければ幸いです.
(Twitterをお使いの方はアカウント @shokabo まで)
★ お知らせ ★
1.裳華房Webトップページのデザインを一新しました.(5/17)
https://www.shokabo.co.jp/
2.第20回出版社共同企画 「謝恩価格本フェア」が開催中!(〜6/19)
裳華房もポピュラー・サイエンスシリーズの一部を出品しています.
http://www.bargainbook.jp/
3.7/21に自然科学書協会の講演会が日本出版クラブ会館にて開催されます.
「生きた題材で 数学を楽しもう」 芳沢光雄
「地球温暖化と自然エネルギー − 環業革命の現在」 山根一眞
http://www.nspa.or.jp/subscription2013.html
4.「裳華房 出版原稿受付窓口」
https://www.shokabo.co.jp/scripts.html
★★★★★★★★★ 近 刊 案 内(6月下旬刊行予定) ★★★★★★★★★★
◆ 『新 バイオの扉 −未来を拓く生物工学の世界−』
https://www.shokabo.co.jp/mybooks/ISBN978-4-7853-5225-7.htm
高木正道 監修/池田友久 編集代表
A5判/270頁/定価2730円(税込)/裳華房/ISBN978-4-7853-5225-7
レッドバイオ(医療・健康のためのバイオ),グリーンバイオ(植物・食糧
生産のためのバイオ),ホワイトバイオ(バイオ製品の工業生産)等,暮らし
に役立つバイオ技術の最新の話題を,第一線の現場で活躍する日本技術士会生
物工学部会の会員がわかりやすく解説.大学でのバイオ関連講義の副読本とし
ても好適な一冊.
【主要目次】第I編 レッドバイオ/第II編 グリーンバイオ/第III編 ホワ
イトバイオ/第IV編 バイオ・ア・ラ・カルト
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【裳華房 新刊一覧】 https://www.shokabo.co.jp/book_news.html
【ご購入のご案内】 https://www.shokabo.co.jp/order.html
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★★★★★★★★★★★★★★ 最近の話題 ★★★★★★★★★★★★★★★
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折々の科学的なトピックスや記念日,季節的なテーマなどについて,簡単な
解説と関連書籍,Webサイトなどを紹介します(不定期掲載).
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◆ シーラカンスの全ゲノム解読
東京工業大学,国立遺伝学研究所,東京大学を中心とする国際研究グルー
プは,タンザニア産シーラカンスの全ゲノム塩基配列を解読したと“Nature”
誌(4月18日号)に発表しました.
◇Nature Vol.496 No.283[18 April 2013]
http://www.natureasia.com/ja-jp/nature/toc/496/7445/
報告によると,シーラカンスのゲノムサイズは,ヒトゲノムとほぼ同じ大
きさの約27億塩基対(平均的な魚類ゲノムの3倍以上)で,タンパク質をコ
ードする遺伝子の変化のスピードは緩やかであり(まさに“生きた化石”),
また遺伝子や反復配列の構成からは魚類タイプと四肢動物タイプの両方をも
つことが示されました.
◇東京工業大学の岡田研究室による解説
http://www.evolution.bio.titech.ac.jp/research/coelacanth/coelacanth_40.html
今後の詳しい解析結果が楽しみです.
シーラカンス関係の書籍はほとんどが版元品切れ等のようですので,ここ
では動物の系統分類に関する最近の書籍のいくつかをご紹介します.
◇『図説生物学30講〈環境編〉 動物の多様性30講』
(馬渡峻輔著,朝倉書店)
http://www.asakura.co.jp/books/isbn/978-4-254-17723-7/
◇『新図説 動物の起源と進化 −書きかえられた系統樹−』
(長谷川政美著,八坂書房)
http://www.yasakashobo.co.jp/books/detail.php?recordID=592
◇『新・生命科学シリーズ 動物の系統分類と進化』(藤田敏彦著,裳華房)
https://www.shokabo.co.jp/mybooks/ISBN978-4-7853-5842-6.htm
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【裳華房 分野別書籍一覧】 https://www.shokabo.co.jp/mybooks/0000.html
【正誤表などサポート情報】 https://www.shokabo.co.jp/support/
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★★★★★ 【連載コラム】鹿野 司の“読書ノート”(第7回) ★★★★★★
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ノンフィクション・ライター/サイエンスライターの松浦晋也さんと鹿野司
さんに,お薦め書籍や思い出の一冊,新刊レビュー等をご執筆いただきます.
今月号のご担当は鹿野 司さんです.
・バックナンバーはこちら→ https://www.shokabo.co.jp/column/
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◇ 医薬品開発をめぐる栄光と悲運 ◇
◆『サルファ剤、忘れられた奇跡』
(トーマス・ヘイガー 著,中央公論新社)
自分の予想を超えた、面白い本を手にすることは無上の喜びだ。今回紹介す
る『サルファ剤、忘れられた奇跡』(トーマス・ヘイガー著)は、久しぶりに
出会ったそんな一冊だった。
サルファ剤という単語は、かなり昔から耳に覚えがある。しかし、改めてそ
れが何だったか思い出そうとすると、古い薬の名前のはずだけど……どんな薬
だっけ?と、曖昧なイメージしか浮かんでこなかった。
サルファ剤とは、1935年にドイツのゲルハルト・ドーマクが発見した赤い色
素、プロントジルにはじまる、数千種類にも及ぶ抗菌剤群だ。抗生物質と似た
薬品だが、抗生物質は定義上生物由来なのに対して、サルファ剤は純粋に化学
合成によって作られる。
ドーマクは第一次大戦に衛生兵として参戦、戦場で、傷口からの細菌感染で
敗血症やガス壊疽を起こし、命を落とすたくさんの兵士たちを目の当たりにす
る。戦後医師となった彼は、当時世界最大の化学メーカーだったドイツのIG
・ファルベン社で、抗菌薬の開発に挑み、さまざまな色素を調べ上げることで、
プロントジルがマラリアに有効なことを突き止めた。
その直後、怪我を負った愛娘が敗血症に陥ってしまう。ドーマクはすがる思
いで娘にこの物質を投与したところ、想像を超える効果で敗血症が完治し、そ
れがこの系統の多様な薬剤の開発につながっていく。その効き目は、人を害さ
ず、病原体だけを選択的に殺すことから、「魔弾」と称えられたほどだ。
これほどの効果がある薬が、なぜ今あまり身近ではないのか。一つは耐性菌
が出現しやすいうえ、交叉反応で1種類のサルファ剤に耐性をもった菌は複数
のサルファ剤に耐性をもってしまうからだ。そしてもう一つは、抗生物質の台
頭だ。最初の抗生物質ペニシリンが見つかったのは1929年だが、1950年から市
場に出回ったストレプトマイシンが、不治の病だった結核を圧倒的に征圧する。
この時期を境に、サルファ剤は急速に忘れ去られ、現代の我々にはほとんど
馴染みのない薬になっているわけだ。
ドーマクはなぜ新薬探索の対象として色素を選んだのだろうか。20世紀初頭、
透明な細胞を観察するため、細胞染色に取り組んだエールリヒは、ある特定の
細胞や細菌だけを選択的に染め上げる色素があるなら、この仕組みを使って、
病原体だけを倒せるのではないかというアイデアにたどり着いた。これが薬剤
で病原体を倒すという、今日の化学療法に受け継がれる画期的な概念の創造だ
った。
エールリヒの直弟子の秦佐八郎は、1910年に梅毒の特効薬サルバルサンを開
発。その特許は、IG・ファルベン社に受け継がれたが、その後途切れていた
エールリヒのアイデアを復活させたのが、ドーマクだった。
サルファ剤が広く世界で用いられたのは、第二次世界大戦をはさんで十数年
ほどだった。しかし、このわずかな期間に、今日にもつながる、科学と医薬、
倫理、社会と経済にまたがる大きな影響と変革をもたらしている。
ナチスが行った人体実験の多くは、新しいサルファ剤の薬効を試すために行
われたものだったし、抜群の効果をもつ医薬品をめぐって、史上はじめて独仏
の特許紛争が繰り広げられた。アメリカでは、水にもアルコールにも溶けない
サルファ剤を、有毒性が知られていなかったエチレングリコールに溶かして、
甘い香りつきのエリクシール剤として売り出し、多くの子供たちの命が奪われ
た。これが史上最初の薬害であり、この悲劇が、今日のアメリカ食品医薬品局
(FDA)の誕生につながっている……。
サルファ剤をめぐるさまざまなできごとは、現代の我々の社会や世界観の成
立に、大きな影響を及ぼしているにもかかわらず、今ではその事実はほとんど
忘れ去られている。本書を通じて、まるで現代文明のミッシングリンクを発見
したような、驚きと感動を感じることができるのではないかと思う。
◆『サルファ剤、忘れられた奇跡
−世界を変えたナチスの薬と医師ゲルハルト・ドーマクの物語−』
トーマス・ヘイガー 著,小林 力 訳
四六判/360頁/定価2730円(税込み)/2013年3月発行/
中央公論新社/ISBN978-4-12-004479-3
http://www.chuko.co.jp/tanko/2013/03/004479.html
【鹿野 司さんのプロフィール】
サイエンスライター.1959年愛知県出身.「SFマガジン」等でコラムを連載中.
主著に『サはサイエンスのサ』(早川書房),『巨大ロボット誕生』(秀和シ
ステム),『教養』(小松左京・高千穂遙と共著,徳間書店)などがある.
ブログ「くねくね科学探検日記」 http://blog.blwisdom.com/shikano/
「鹿野 司の“読書ノート”」 Copyright(c) 鹿野 司,2013
次号(6月号)は松浦晋也さんにご執筆いただきます.どうぞお楽しみに!
※本コラムは本メール配信約1か月後を目安に裳華房Webサイトに掲載します.
https://www.shokabo.co.jp/column/
───【裳華房のお役立ちサイト】───────────────────
◎ 研究所等の一般公開(5/28更新)
https://www.shokabo.co.jp/keyword/openday.html
◎ 学会主催 一般講演会・公開シンポジウム(5/28更新)
https://www.shokabo.co.jp/keyword/openlecture.html
◎ 若手 春・夏・秋・冬の学校(5/28更新)
https://www.shokabo.co.jp/keyword/wakateschool.html
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★★★★★★ 【連載コラム】裳華房の“古書”探訪(第14回)★★★★★★★
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弊社の起源は,江戸時代,伊達藩の御用板所であった「仙台書林 裳華房」
に遡ります.ここでは,科学書の出版に力を入れ始めた大正時代から昭和時代
に刊行された書籍の中から毎回1冊ずつ取り上げて紹介いたします.
【バックナンバー】 https://www.shokabo.co.jp/oldbooks/index.html
【裳華房の歴史】 https://www.shokabo.co.jp/history.html
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◆ 松村松年 著『日本昆蟲學』(初版 明治31年)
https://www.shokabo.co.jp/oldbooks/1898matsumura-insect.htm
先月号に引き続き,札幌農学校の卒業生による著書を紹介します.日本の昆
虫学の創始者といわれる松村松年(まつむらしょうねん)による日本初の昆虫
学のテキスト『日本昆蟲學』です.
昆虫に関しては,江戸時代からいわゆる「虫譜」[*1]によって多くの種が
記載されてきましたが,それぞれの虫譜によって虫の名前の付け方はばらばら
でした.欧米からの近代昆虫学が輸入されるにつれ,個々の虫について万国共
通である学名を明らかにするとともに,統一的・体系的な日本語の名称が要求
されるようになりました.
本書で松村は,日本産昆虫 700種余りについて,欧米の研究者に標本を送っ
て学名を同定してもらい(一部は松村自ら同定),学名の判明した昆虫につい
ては,次のような方法で日本語での名称(和名)をつけました[*2].
基本的には,その種が属する科名(または亜科名,属名等)を接尾語にし,
そこに接頭語として形態や色彩,生態,寄主の名称,産地名,人名などを形容
的につける形で,各昆虫の和名を付けました(例えば「もんしろてふ」=紋の
白い[接頭語]チョウ[接尾語]).現在用いられている昆虫類の標準和名の
付け方も,原則としてこの「接頭語+接尾語」の方法が用いられています.
日本産昆虫を体系的に示した本書によって,日本の昆虫学書は虫譜から独立
して近代生物学の仲間入りをした,といっても過言ではありません.
本書を執筆されたときの松村の年齢は26歳.その若き偉業にはただ感嘆する
ほかありません.
本書の構成は,前半の約40頁が概論(おもに構造に関するもの),残りの約
170頁が分類各論にあてられています. 昆虫関係者のために,ご参考までその
分類された全13目を下記に挙げておきます[*3].
彈尾目/直翅目/總翅目/擬脈翅目/脈翅目/毛翅目/有吻目/微翅目/
双翅目/鱗翅目/鞘翅目/撚翅目/膜翅目
本書は大変に好評を博したようで,明治40年(1907年)発行の第10版まで刊
行されたようです.昭和58年(1983年)には,サイエンティスト社[*4]から
復刻版が発刊されています.
著者の松村松年は,明治5年(1872年)兵庫県生まれ.明治28年(1895年)
に札幌農学校を卒業し,翌年に助教授に就任.ドイツ・ハンガリー留学から帰
国した明治35年には教授として,日本で初めて札幌農学校に開講された昆虫学
講座(現在の北海道大学農学部昆虫体系学教室)を担当.昭和9年(1934年)
に退官するまで昆虫の分類研究に邁進し,松村の収集した昆虫標本は数十万点
に及ぶといわれています.日本昆虫学会の会長を数回にわたって務め,1934年
に北海道帝国大学名誉教授.また1950年には学士院会員,1954年には文化功労
者に選ばれています[*5].『日本千虫図解』『日本昆虫大図鑑』など(昆虫
学以外も含め)60冊にのぼる著書を出版しています.
なお,余談ですが,筆者は約7年間ほど某大学の昆虫関係の研究室に所属し
ていたので,松村先生のお名前も『日本昆蟲學』の存在も知っていましたが,
それが裳華房から出版されていたとは,この連載コラムのために過去の書籍リ
ストを調べるまで,まったく知りませんでした(お恥ずかしい…).
本書の初版(札幌農學校學藝會藏版)および増補三版は,国立国会図書館の
デジタルアーカイブで公開されていますので,昆虫学や分類学に興味のある方
は一度ご覧になられてはいかがでしょうか.
http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/832856
http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/832858
[脚注]
*1 虫譜とは,名称や採集場所などの記録とともに,虫類(現代の昆虫より
広い範囲を含めた“虫”)を写生した図をまとめたものです.
*2 もっとも本書には,誤記や誤訳,また先駆者の研究の常として,その後
の研究で明らかになった誤りなども結構あるようです.例えば,小西正
泰氏によると,ガガンボという名前は,語源的には「蚊ヶ母」に由来す
る「かがんぼ」が正しく,本書の初版でもそう記載されていましたが,
増補再版で「ががんぼ」が混入し,増補三版では「ががんぼ」で統一さ
れてしまったことから,「ががんぼ」が一般にも定着したようです.
*3 2008年刊行の小社『節足動物の多様性と系統』では,六脚類(いわゆる
昆虫類)は33目に分類されています.
*4 現在あるサイエンティスト社(http://www.scientist-press.com/)と
は別会社で,2007年に解散しました.
*5 松村松年については1960年に造形美術協会出版局から『松村松年自伝』
が発行されています.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000039-I001379099-00
※本稿の執筆にあたり,復刻版(サイエンティスト社刊)の巻末に収められた
小西正泰氏による解説等を参考にさせていただきました.ここに記して感謝
申し上げます.
◆『日本昆蟲學』
松村松年 著/菊判/220頁/裳華房/初版 明治31年[1898年]
【自叙・目次・内容見本など】
https://www.shokabo.co.jp/oldbooks/1898matsumura-insect.htm
※記述の誤りなど,お気づきの点がありましたら m-list@shokabo.co.jp まで
ご連絡ください.
───【裳華房のお役立ちサイト】───────────────────
◎ 自然科学系の雑誌一覧 −最新号の特集等タイトルとリンク−(5/27更新)
https://www.shokabo.co.jp/magazine/
◎ 大学・研究所・学協会の住所録とリンク
https://www.shokabo.co.jp/address.html
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★★★★ 【連載コラム】裳華房 編集子の“私の本棚”(第2回) ★★★★★
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編集部の有志が月替わりで,思い出の一冊やお薦めの書籍などを語ります.
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◇ 二人の偉人を対比して描きだしたユニークな解説書
◆『ニュートンとアインシュタイン』(石原藤夫 著,ハヤカワ文庫)
編集者のBです.
タイトルとなっている二人については,それこそ数多の解説本が出版され
ていますが,本書のユニークな点は,ニュートンとアインシュタインを様々
な観点から対比させながら解説している点です.
もともと石原先生の科学解説書の文章は,『SF相対論入門』(講談社ブ
ルーバックス)など,一語一語かみくだくように丁寧にわかりやすく書かれ
ていることで定評がありますが,人物や業績などを対比することで,ニュー
トンの理論の意味とアインシュタインの理論のすごさが自然とより明確に浮
かび上がってきます.
ご参考まで,章タイトルを引用しておきます.
第 I 部 神とニュートン
第1章 神は言った「ニュートン現われよ」−登場−
第2章 そして、すべてが明らかになった−完成−
第3章 ニュートンが拓いた世界−意義−
第4章 ニュートン物理学への挑戦−批判−
第5章 ニュートンってどんな人?−人柄−
第 II 部 悪魔とアインシュタイン
第6章 悪魔がわめく「アインシュタイン現われよ」−登場−
第7章 ふたたび、すべては闇につつまれた−完成−
第8章 アインシュタインが拓いた世界−意義−
第9章 アインシュタイン物理学への挑戦−批判−
第10章 アインシュタインってどんな人?−人柄−
#本書の特徴は,章の中の各項目のタイトルをあげた方がわかりやすいと思
#いますので,以下のサイトにまとめました.
https://www.shokabo.co.jp/column/mylibrary201305.html
各項目は(多数収録された1頁大のイラストを含めて)2〜4頁でまとめ
られていますので,とくにニュートンとアインシュタインの名前は知ってい
るけど…という方や相対性理論の初心者?の方にはぴったりの入門書ではな
いかと思います.
私自身は大学2年のときに本書を読んで,その分かりやすい文章とユニー
クな構成に感銘を受けました.実際,裳華房に入社して科学解説書の企画・
編集も手がけることになったとき,本書は参考にすべき一つの原点として,
折ある毎に読み直してきた,思い入れのある一冊です.
長らく版元品切れ中となっているのが大変に残念ですが,古書店などで見
つかることもあると思いますので,機会がありましたら是非ご覧ください.
◆『ニュートンとアインシュタイン』(ハヤカワ文庫JA169)
石原藤夫 著/文庫判/334頁/定価420円(税込み)/1983年発行/
早川書房/ISBN978-4-15-030169-9(版元品切れ中)
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次号は2013年6月27日の配信予定です.どうぞお楽しみに! \\(^o^)//
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