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Shokabo-News No.360 2020/1/22
裳華房メールマガジン 2020年1月号
https://www.shokabo.co.jp/m_list/m_list.html
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★目次★
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【1】年頭のごあいさつ(裳華房 吉野和浩)
【2】1月の新刊案内
『新装版 解析学概論』
『線形代数講義』
【3】[連載コラム]裳華房 編集子の“私の本棚”(61):
『新装版 楽典:理論と実習』(石桁真礼生 ほか著,音楽之友社)
【4】裳華房の売上げランキング(2019年10月〜12月)
【5】裳華房 正社員募集のご案内
【6】お知らせ&編集後記
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【1】年頭のごあいさつ
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謹んで新春をお祝い申し上げます。
読者の皆様におかれましては益々ご健勝のこととお慶び申し上げます。
おかげさまで弊社は、本年2月、明治28年(1895年)の“東京開業”より
125年の佳節を迎えることになりました。これもひとえに、多くの皆様のご支
援・ご愛顧の賜物と厚く御礼申し上げます。
裳華房は、江戸時代の正徳年間(1711〜1715)頃に、初代 伊勢屋半右衛門
が伊達藩(現在の宮城県仙台市)において出版活動を営んだことに端を発しま
す。
明治期の半ばに、10代目にあたる曾祖父の吉野兵作が単身仙台より上京して、
明治28年(1895年)2月11日、現在の東京都千代田区日本橋四丁目に「合名会
社 裳華房」を設立しました。(社屋はその後何度か移転し、昭和2年からは
東京・市ヶ谷にあります)
以来、長きにわたって、裳華房が自然科学書の出版活動に励んでこられたの
も、読者の皆様方のご愛顧と、執筆者の先生方をはじめとする関係諸氏の皆様
方の多大なるご支援とご協力、ご指導のおかげでございます。心より感謝申し
上げます。
“東京開業”125周年を記念して、書店様・大学生協様におけるフェアの開
催や電子書籍の拡充をはじめ、いくつかの企画を予定しておりますので、楽し
みにお待ちいただければ幸いです。(詳細は改めてご案内いたします)
社員一同、より一層の努力を重ねて参る所存でございますので、今後とも、
変わらぬご支援・ご愛顧を賜りますよう宜しくお願い申し上げます。
2020年1月吉日
株式会社 裳華房
代表取締役社長 吉野和浩
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【2】1月の新刊案内
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●『新装版 解析学概論』
https://www.shokabo.co.jp/mybooks/ISBN978-4-7853-1584-9.htm
矢野健太郎・石原 繁 共著/A5判/358頁/定価(本体2500円+税10%)/
2020年2月発行/裳華房/ISBN 978-4-7853-1584-9 C3041
1965年の初版発行より(1982年の新版発行を経て)現在に至るまで,多くの
読者から支持されてきた定評ある解析学の教科書『解析学概論』を,読みやす
い文字づかい,魅力的な図版とともに“新装版”として刊行した.
◎ 理工学において必要とされる数学から4分科(微分方程式,ベクトル解析,
複素数の関数,フーリエ級数・ラプラス変換)を選び出し,全体の見通しよ
く学べるように配慮.
◎ 数学として重要な定理の証明などは付録に収め,数学的にもしっかりとし
た知識が得られる.
◎ 線形微分方程式の解法,複素数の導入については,とくに丁寧に解説した.
【主要目次】
第I部 微分方程式
微分方程式/1階微分方程式/高階微分方程式/線形微分方程式
第II部 ベクトル解析
ベクトルの代数/ベクトルの微分と積分/曲線・曲面・運動/スカラー場・
ベクトル場
第III部 複素数の関数
複素数の関数/正則関数/積分/展開・特異点・留数/等角写像
第VI部 フーリエ級数・ラプラス変換
フーリエ級数/フーリエ積分/境界値問題/ラプラス変換
●『線形代数講義』
https://www.shokabo.co.jp/mybooks/ISBN978-4-7853-1585-6.htm
南 和彦 著/A5判/376頁/定価(本体3200円+税10%)/2020年1月発行/
裳華房/ISBN 978-4-7853-1585-6 C3041
純粋に数学的な視点で完結するのではなく,理学および工学における実用と
いう点から要求される視点や取り扱いについて,可能な限りわかりやすく説明
した.また,線形代数に関連してよく言及されるものの初年次の教科書では扱
われない発展的ないくつかの事項については,主に付録で解説した.
【本書の特徴】
・数学を実用上必要とする読者のためのテキスト.
・わかりやすく直感的で,なおかつ数学上のごまかしのない記述.
・物理学や工学,特に量子力学・量子情報や数値計算との関連に意識的に配慮.
・テキストであるとともにハンドブックであることも意図している.
・さまざまな応用を見据えて,実用上重要になる発展的内容を付録に収録.
【主要目次】
1.行列 2.基本変形 3.行列式 4.n次元空間のベクトル 5.線形空間
6.線形写像 7.内積空間 8.複素行列
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【裳華房 新刊一覧】 https://www.shokabo.co.jp/book_news.html
【裳華房 分野別書籍一覧】https://www.shokabo.co.jp/mybooks/0000.html
【正誤表などサポート情報】https://www.shokabo.co.jp/support/
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【3】[連載コラム]裳華房 編集子の“私の本棚”(第61回)
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編集部の有志が思い出の一冊やお薦めの書籍などを語ります(不定期掲載).
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◆ 音楽と物理と数学と ◆
● 『新装版 楽典:理論と実習』(石桁真礼生 ほか著,音楽之友社)
本書は,音楽理論の基礎を扱った古典的著書であり,音大受験生必携の書と
しても有名である.私は趣味で楽器を演奏することから,この『楽典』を音楽
理論のレファレンスとして開くことがあるが,解説が本当にわかりやすく,要
点が簡潔にまとまっている.なるほど,こういう本が,ロングセラーとして残
っていくのだな,と自分に言い聞かせつつ.
ところで皆さんは,ギターやラッパなど,楽器演奏の経験はおありだろうか.
「ある」というかたは,チューニングの際の「音程が悪い」という現象に頭を
悩ましたことが,きっとあると思う.あの「ウアン,ウアン」というアレには,
「うなり」という,れっきとした物理学用語が存在するのである.
「うなり」は基本的に,“同じ音”どうしで生じる現象である.つまり,周
波数のごく近い2音を同時に鳴らした際,人間の耳ではこの2音を聴き分けら
れず,その周波数の差の“音の強弱”(うなり)という形で認識する.そこで
周波数がぴったり合っていれば,「うなり」がなくなり,聴いていて心地がい
い,というのがチューニングの目的なわけである.
「うなり」が発生するメカニズムについては,小形正男『裳華房テキストシ
リーズ 振動と波動』(裳華房,1999)*1の第2章に,とてもわかりやすく解
説されているので,ぜひ読んでほしい(隙あらば宣伝).
ときに,吹奏楽や管弦楽の業界では,「和音の音程」という,“異なる音”
どうしのチューニングもたびたび行われる.たとえば,ピアノのドの音とソの
音は,周波数が一定以上離れているので,これを同時に鳴らすと,当然人間の
耳で2音に聴き分けられる.よってうなりは発生しない……と思いきや,そう
はいかない.こうした“音程が認識できる”音は,たいていの場合,その整数
倍の周波数をもつ「倍音」も同時に鳴っているのである(要は,実際には単振
動ではなく,倍音との重ね合わせである).件のドの音とソの音は,周波数の
比が「およそ」2:3である.数学的にカンのいいかたなら,もうここでピン
ときたかもしれない.つまり,二つの音の周波数がぴったり整数比になるよう
調節すれば,(倍音の)うなりのないきれいな和音に聴こえるのである.これ
を「純正和音」という.
ちなみに,さきほど「およそ」2:3とわざわざ断った.というのも,現代
のピアノはほとんどの場合「平均律」でチューニングされているので,正確に
はドとソの周波数の比が2:3になっていない.したがって,多少のうなりが
生じている.なぜぴったり整数比になるようにしないのか? このあたりには
いろいろ込み入った話があるのだが,ぜひ『楽典』のわかりやすい解説を一読
されることを勧める.
なお,上記でちらりと触れた「倍音」「純正和音」「平均律」といった話題
の物理的側面については,小橋豊著『基礎物理学選書4 音と音波』(裳華房,
1969)*2に,詳細に解説されている.半世紀以上前の本だが,音の物理的側面
と文化的側面の両面を俯瞰する,他に類のない書籍と思うので,こちらもおす
すめである(結局宣伝).
(編集者Y)
*1 https://www.shokabo.co.jp/mybooks/ISBN978-4-7853-2088-1.htm
*2 https://www.shokabo.co.jp/mybooks/ISBN978-4-7853-2104-8.htm
【今回紹介した書籍】
●『新装版 楽典:理論と実習』
石桁真礼生・末吉保雄・丸田昭三・飯田隆・金光威和雄・飯沼信義 著/
A5判/240頁+32頁(別冊解答)/定価(本体1950円+税)/1965年4月/
音楽之友社/ISBN 978-4-276-10000-8
https://www.ongakunotomo.co.jp/catalog/detail.php?code=100000
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【電子書籍のご案内】 https://www.shokabo.co.jp/ebooks/index.html
【オンデマンド出版書籍】 https://www.shokabo.co.jp/mybooks/d-pub.html
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【4】裳華房の売上げランキング(2019年10月〜12月)
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裳華房における主要4分野の売上げについて,2019年10〜12月の3か月間の
ランキングです.各分野とも10位まで記しています.
なお,大学等での採用品(教科書)としての注文分は除きました.
https://www.shokabo.co.jp/ranking/ranking2019-4.html
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◆◆◆【数学分野】◆◆◆
https://www.shokabo.co.jp/ranking/ranking2019-4.html#math
1. 『トゥー 多様体』Loring W. Tu 著/枡田幹也・阿部 拓・堀口達也 訳
2. 『複素関数論の基礎』山本直樹 著
3.『数学選書1 線型代数学(新装版)』佐武一郎 著
4. 『数学選書4 ルベーグ積分入門(新装版)』伊藤清三 著
5.『曲線と曲面の微分幾何(改訂版)』小林昭七 著
6. 『微分方程式リアル入門』橋秀慈 著
7. 『データサイエンスの基礎 Rによる統計学独習』地道正行 著
8. 『具体例から学ぶ 多様体』藤岡 敦 著
9.『数学シリーズ 集合と位相』内田伏一 著
10.『サイコロから学ぶ 確率論』小林道正 著
◆◆◆【物理学分野】◆◆◆
https://www.shokabo.co.jp/ranking/ranking2019-4.html#phys
1. 『マクスウェル方程式から始める 電磁気学』小宮山 進・竹川 敦 共著
2. 『量子力学選書 場の量子論』坂本眞人 著
3. 『基礎物理学選書5A 量子力学 I(改訂版)』小出昭一郎 著
4.『大学演習 熱学・統計力学(修訂版)』久保亮五 編
5. 『テキストシリーズ 振動・波動』小形正男 著
6. 『熱力学』三宅 哲 著
7.『基礎物理学選書5B 量子力学II(改訂版)』小出昭一郎 著
8.『物理学選書14 流体力学(前編)』今井 功 著
9. 『物理学(三訂版)』小出昭一郎 著
10.『量子力学選書 相対論的量子力学』川村嘉春 著
◆◆◆【化学分野】◆◆◆
https://www.shokabo.co.jp/ranking/ranking2019-4.html#chem
1. 『物理化学入門シリーズ 化学のための数学・物理』河野裕彦 著
2. 『一般化学(四訂版)』長島弘三・富田 功 共著
3. 『テキストブック 有機スペクトル解析』楠見武徳 著
4. 『しっかり学ぶ 化学熱力学』石原顕光 著
5. 『量子化学(上)』原田義也 著
6. 『現代化学序説』齋藤一弥 著
7. 『物理化学入門シリーズ 反応速度論』真船文驕E廣川 淳 共著
8. 『演習で学ぶ 化学熱力学』中田宗隆 著
9. 『高分子合成化学(改訂版)』井上祥平 著
10.『量子化学(下)』原田義也 著
◆◆◆【生物学分野】◆◆◆
https://www.shokabo.co.jp/ranking/ranking2019-4.html#bio
1. 『遺伝子科学』 赤坂甲治 著
2. 『基礎からスタート 大学の生物学』道上達男 著
3. 『ゲノム編集の基本原理と応用』山本 卓 著
4. 『シリーズ・生命の神秘と不思議 植物メタボロミクス』斉藤和季 著
5. 『基礎分子遺伝学・ゲノム科学』坂本順司 著
6. 『しくみと原理で解き明かす 植物生理学』 佐藤直樹 著
7. 『ゲノム編集入門』 山本 卓 編
8. 『新・生命科学シリーズ 動物の系統分類と進化』藤田敏彦 著
9. 『シリーズ・生命の神秘と不思議 昆虫たちのすごい筋肉』岩本裕之 著
10.『植物生理学』加藤美砂子 著
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【5】裳華房 正社員募集のご案内
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2021年3月の新卒者を対象に,物理学分野の書籍を中心とした理工系書籍の
企画立案・編集実務などを行う編集者(若干名)を募集いたします.
詳しい募集案内は、2月3日(月)に下記サイトに掲載する予定です.
https://www.shokabo.co.jp/recruitment/
お近くに,出版社に応募してみたいという学生さんがいらっしゃいましたら,
ご紹介していただければ幸いです.
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【6】お知らせ&編集後記
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◇お知らせ
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1.訂正表・正誤表や新しい演習問題など「書籍のサポート情報」.
https://www.shokabo.co.jp/support/index.html
2.裳華房 総合図書目録
https://www.shokabo.co.jp/catalogue/index.html
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◇編集後記
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本年もどうぞよろしくお願いいたします.
昨年刊行した『数学基礎論序説』の著者である田中一之先生の連続講演会
「ゲーデルの不完全性定理の基本」(全3回)が東京の書泉グランデさんにて
開催されます.開催日は2月20日(木),3月5日(木)※,3月19日(木)※で,い
ずれも19:00〜20:30(開場18:45)です.受講料や申込みの詳細は下記サイト
をご参照ください. ※5/14,5/28に延期されました.
https://www.shosen.co.jp/event/115028/
『数学基礎論序説』をテキストに使用されるとのことなので,皆さまのふる
ってのご参加をお願いいたします.
本年も引き続きご愛読のほど宜しくお願い申し上げます.<(_ _)>
(TK)
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次号は2020年2月中旬の配信予定です.どうぞお楽しみに! \\(^o^)//
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