- ポピュラー・サイエンス 132
- 環境のなかの毒
- ―アオコの毒とダイオキシン―
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- 元 筑波大学教授 理博 彼谷邦光 著
- 四六判/166頁/定価1540円(本体1400円+税10%)/1995年10月
- ISBN978-4-7853-8632-0 (旧ISBN4-7853-8632-0)
- 湖沼の富栄養化によって大発生したアオコのつくる毒と,環境ホルモンとしても問題化するダイオキシン.飲料水やゴミ焼却など,日常生活と密接に関わるこれら2種の毒について,発生メカニズムや毒性,環境中での挙動などをやさしく解説します.
(アオコの毒については『飲料水に忍びよる 有毒シアノバクテリア』,ダイオキシンについては『環境ホルモンとダイオキシン』も是非ご覧ください)
- 【目 次】
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- 1. 恐竜の絶滅と人類の将来
- 1.1 小さな環境変化
- 1.2 絶滅の歴史
- 1.3 恐竜絶滅の仮説と現在の環境問題
- 1.4 環境のなかの有毒物質
- A アオコの毒
- 2. 毒素をつくる藍藻類
- 2.1 アオコとは
- 2.2 有毒アオコはいつ頃から発生していたか
- 2.3 藍藻は藻類かバクテリアか
- 2.4 藍藻類はなぜ藍色の藻と呼ばれるのか
- 2.5 藍藻類の栄養源はなにか
- 2.6 アオコはなにが嫌いか
- 2.7 アオコはどんな環境で発生しやすいのか
- 3. アオコの毒の性質
- 3.1 毒をつくる藍藻の種類はどのくらいあるのか
- 3.2 アオコの毒はどのくらい強いか
- 3.3 人がアオコ毒の中毒にかかるとどんな症状が出るのか
- 3.4 アオコ毒の種類はどのくらいあるのか
- 3.5 ミクロシスチンはどんな構造か,またどのような性質か
- 3.6 ミクロシスチンはどのような割合で含まれているのか
- 3.7 ミクロシスチンはどんな生物にも毒か
- 3.8 ミクロシスチン以外のアオコ毒
- 4. アオコの毒の毒性
- 4.1 ミクロシスチンはどんな症状を起こすのか
- 4.2 毒性発現メカニズムはわかっているのか
- 4.3 ミクロシスチンはどのように作用するのか
- 4.4 鳥類における毒性発現は哺乳類と違うのか
- 4.5 ミクロシスチンは解毒されるのか
- 4.6 治療法はあるのか
- 4.7 どのくらいの量までなら安全か
- 4.8 ミクロシスチン以外のアオコ毒の作用
- 5. 環境中のミクロシスチン
- 5.1 ミクロシスチンの除去法はあるのか
- 5.2 環境中でミクロシスチンはどうなっていくのか
- 5.3 藍藻類はなぜミクロシスチンをつくるのか
- 5.4 水質と有毒藍藻類との間にどのような関係があるのか
- B ダイオキシン
- 6. ダイオキシンの化学
- 6.1 ダイオキシンとはなにか
- 6.2 ダイオキシンはどんな構造か
- 6.3 ダイオキシンはどんな反応でできるのか
- 6.4 ダイオキシンはなにからできるのか
- 6.5 ダイオキシンは天然化合物か合成化合物か
- 6.6 殺虫剤や除草剤中になぜダイオキシンが多いのか
- 6.7 コプラナーPCBはどんな毒か
- 7. ダイオキシンの毒性
- 7.1 ダイオキシンの毒性はいかにして見つけられたのか
- 7.2 ダイオキシンにはどのような毒性があるのか
- 7.3 ダイオキシンは代謝されるのか
- 7.4 ダイオキシンの生体濃縮はあるのか
- 7.5 ダイオキシンに残留性はあるのか
- 7.6 ダイオキシンの化学構造と毒性の間にどのような関係があるのか
- 7.7 ダイオキシン類の毒性換算係数とはなにか
- 7.8 実施安全投与量とはなにか
- 8. ダイオキシンとがん
- 8.1 ダイオキシンは発がん物質か助がん物質か
- 8.2 ダイオキシンによる人の発がん例はあるのか
- 8.3 2,3,7,8-TCDDの発がんのリスクはどのくらいか
- 8.4 類縁化合物にも発がん性があるのか
- 9. 環境中のダイオキシン
- 9.1 天然有機化合物からもダイオキシンはできるのか
- 9.2 ダイオキシンが生成しやすい条件はなにか
- 9.3 ダイオキシンはどのようにして拡散するのか
- 9.4 ゴミ焼却場からなぜダイオキシンが出るのか
- 9.5 ゴミ焼却でどんな種類のダイオキシンができるのか
- 9.6 プラスチック中にダイオキシンはあるのか
- 9.7 パルプや製紙工場からどうしてダイオキシンが出るのか
- 9.8 食品は汚染されているのか
- 9.9 人はどのような経路で汚染されるのか
- 9.10 ダイオキシンは分解するのか
- 9.11 ダイオキシンの無毒化は可能か
- 10. 有毒物質からみた公害・環境問題の変遷と今後
- おわりに
- 参考書
- 索引
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