- ポピュラー・サイエンス 146
- 視覚のメカニズム
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- 京都大学名誉教授 理博 前田章夫 著
- 四六判/160頁/定価1540円(本体1400円+税10%)/1996年8月
- ISBN978-4-7853-8646-7 (旧ISBN4-7853-8646-0)
分子生物学のもたらした最も優れた成果の一つは,視覚の伝達機構です.本書は,光が私たちの目に入ってから,それが形なり色なり何かを見たということに至る科学を,その道筋に沿って解説したものです.
- 【目 次】
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- 1. ものは光で見る
- 1.1 見るものは光である
- 1.2 光は化学変化を起こす
- 1.3 光のエネルギーがもたらすもの
- 1.4 エネルギーの高い光はせわしく振動する
- 1.5 光は眼の網膜に集められる
- 1.6 生物は細胞からできている
- 1.7 光を捕える細胞
- 1.8 昼と夜の視覚
- 2. 光を捕える分子
- 2.1 光を捕える物質
- 2.2 光を捕えるレチナール
- 2.3 レチナールの長い鎖
- 2.4 光を捕えるタンパク質
- 2.5 アミノ酸がペプチド結合でタンパク質を作る
- 2.6 タンパク質に個性を与えるいろいろなアミノ酸
- 2.7 側鎖の間の結合でタンパク質の形ができる
- 2.8 七回膜を通りぬけるタンパク質が光を捕える
- 2.9 ロドプシンは外と内に頭と足をだしている
- 2.10 タンパク質はどのように作られるか
- 2.11 ロドプシンは細胞でどのように作られるか
- 2.12 ロドプシンで知られる変異タンパク質
- 2.13 視物質の遺伝子を取ってくる
- 2.14 視物質の遺伝子はどうなっているか
- 3. 光はロドプシンに化学変化を起こす
- 3.1 光はレチナールの異性化を起こす
- 3.2 すごく速い化学反応がロドプシンで起こる
- 3.3 色の違いはレチナールの電子が起こす
- 3.4 色の違いはレチナールを囲むタンパク質の違いである
- 3.5 光で変わるのは電気的な引き合いである
- 3.6 光でできる中間状態−バソロドプシン
- 3.7 メタロドプシン II が視覚にかかわる
- 3.8 使ったロドプシンのあと始末
- 4. エネルギーを作るタンパク質
- 4.1 ロドプシンで起こることをバクテリオロドプシンで調べる
- 4.2 バクテリオロドプシンに光が起こすこと
- 4.3 バクテリオロドプシンの機能の中心−−水とクロライド
- 4.4 バクテリオロドプシンに続いて起こること
- 4.5 生物のエネルギー生産とバクテリオロドプシン
- 5. 光の情報をロドプシンが拡大する
- 5.1 Gタンパク質とは何か
- 5.2 メタロドプシン II がGタンパク質を活性化する
- 5.3 ロドプシンの親戚でも似たことが起こる
- 5.4 Gタンパク質がGTPを包む
- 5.5 命令を受けるレセプター
- 5.6 二番目の命令がもたらすもの
- 5.7 Gタンパク質のαサブユニットが命令を伝える
- 6. 光は電気の信号に変えられる
- 6.1 生物はイオンを分けて電圧を作る
- 6.2 イオンチャネルがイオンを分ける
- 6.3 神経ではイオンチャネルが活躍する
- 6.4 視細胞でもイオンチャネルを使って電圧を変える
- 6.5 視細胞はシナプスから情報を送りだす
- 6.6 信号を消すのにカルシウムイオンがかかわる
- 6.7 Gタンパク質の活性化を止める
- 6.8 シナプスの後のチャネルが情報を受ける
- 7. 光の信号は大脳で認識される
- 7.1 電圧変化をインパルスに変える
- 7.2 黄色は作られた第四の色である
- 7.3 光の信号は網膜で処理される
- 7.4 大脳の活動をさぐる
- 7.5 大脳で見えてくる
- 索 引
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