- ポピュラー・サイエンス 194
- 「男らしさ」の心理学
- ―熟年離婚と少年犯罪の背景―
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- 元国立小児病院小児医療研究センター 関 智子 著
- 四六判/164頁/定価1540円(本体1400円+税10%)/1998年11月
- ISBN978-4-7853-8694-8 (旧ISBN4-7853-8694-0)
- 日本経済に陰りが見え始めた今,男性の権威の基盤そのものが危うくなってきました.本書では男性に期待されている生き方と,男性自身の男らしさへのこだわり,そのこだわりが男性自身や周囲の人々にもたらす弊害,また,そもそもなぜ,男性は男らしさにこだわるのか,といった事柄を心理学的に検討します.
- 【目 次】
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- 1. 妻がいないと男は長生きできない?
- 1.1 妻の有無で左右される男性の寿命
- 1.2 離婚した男性に多い死因
- 1.3 結婚生活で守られている男たち
- 2. 「男らしさ」とはなにか?
- 2.1 ことわざに表現された「男らしさ」
- 2.2 「男らしさ」の科学的な分析
- 2.3 「女らしさ」は「男らしさ」より複雑
- 2.4 男を追い詰め,女を引き裂く性役割期待
- 3. 追い詰められた男たち
- 3.1 「〜らしさ」の意義と問題点
- 3.2 「男らしい」生き方にともなう辛さ
- 3.3 「男らしさ」へのこだわり
- 3.4 仕事人間たちのこだわり
- 3.5 「男らしい」生き方と家庭崩壊の危機
- 4. 男はなぜ自分のことを話さないのか
- 4.1 感情表現を抑えがちな男性
- 4.2 「男は理性,女は感情」は本当か?
- 4.3 悲しさやおそれの気持ちを訴えられない男たち
- 4.4 感情を抑え込まないほうがいい理由
- 4.5 自己開示の男女差
- 4.6 男は一人で問題を解決できないと落ち込みやすい
- 4.7 さり気ない思いやりを軽視する男たち
- 4.8 少年非行と性犯罪
- 4.9 男性優位へのプレッシャー
- 4.10 妻のいない男性の寿命が短い理由
- 4.11 なぜ「男らしさ」にこだわるのか
- 5. 男の子と女の子が育つ世界の違い
- 5.1 男女の役割の違いは生物学的に決まっているのか
- 5.2 生まれてくる子どもに両親が寄せる期待
- 5.3 幼い息子の悲しみを親は話題にしない
- 5.4 男女の遊び方の違い
- 5.5 男の子グループ,女の子グループ
- 5.6 メディアの中に描かれた男女
- 5.7 男の子が女っぽさを嫌悪する理由
- 5.8 男の生き方の幅は狭い
- 6. まとめにかえて
- 6.1 男性モデルの不在と「男らしさ」へのこだわり
- 6.2 父親の役割の重要性
- 6.3 権威ある父性はいかにすれば復活できるか
- 6.4 息子を育てる上での父母の連携の重要性
- 参考文献
- 索 引
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