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ポピュラー・サイエンス 200
蒸気爆発の科学
−原子力安全から火山噴火まで−

小山工業高等専門学校教授 工博 高島武雄・
元横浜国立大学学長 工博 飯田嘉宏 共著
四六判/188頁/定価1870円(本体1700円+税10%)/1998年11月
ISBN978-4-7853-8700-6 (旧ISBN4-7853-8700-9)

 私たちが普段,何気なく目にしている「沸騰」という現象も,大きなスケールで起これば大規模な災害に結びつきます.海底火山の噴火にともなう深刻な被害は,このような「蒸気爆発」によるものであるといわれています.また,原子力発電所における事故の際,二次的な災害として蒸気爆発が起こる可能性の高いことも指摘され,多くの関心を集めています.
 本書では「蒸気爆発がなぜ起こるのか?」から説き起こし,防災上の注意点までを平易に解説します.

【目 次】

『蒸気爆発の科学』 カバー
1. 蒸気爆発は不思議な爆発
 1.1 いろいろな爆発現象
 1.2 蒸気爆発とは?
 1.3 本書の構成

2. 蒸気爆発事故の発生例など
 2.1 高温液体と低温液体の組み合わせ
 2.2 金属工場などで起こった蒸気爆発の事故例
 2.3 金属工業での他の事故例と簡単な分析
 2.4 溶融塩と水の蒸気爆発
 2.5 液化ガスと水の蒸気爆発
 2.6 試験用原子炉での蒸気爆発

3. 火山噴火と蒸気爆発
 3.1 火山の噴火
 3.2 マグマ水蒸気爆発とは?
 3.3 マグマ水蒸気爆発が起きた噴火例
 3.4 伊東沖海底噴火の分析

4. 蒸気爆発のあらすじ
 4.1 どうして爆発になるのか?
 4.2 蒸気爆発のシナリオ
 4.3 蒸気爆発のメカニズム

5. 沸騰伝熱と自発核生成による急蒸発
 5.1 熱が伝わるとは?
 5.2 液体の沸騰と伝熱
 5.3 液体の過熱限界と自発核生成による沸騰蒸発
 5.4 蒸気爆発と自発核生成現象

6. 蒸気爆発のメカニズム
 6.1 蒸気爆発の研究の歴史
 6.2 蒸気爆発の素過程
 6.3 粗混合過程のメカニズム
 6.4 膜沸騰不安定化過程のメカニズム
 6.5 急速伝熱と細粒化過程のメカニズム
 6.6 拡大・伝播過程のメカニズム
 6.7 蒸気爆発の代表的モデル

7. マグマ水蒸気爆発のメカニズム
 7.1 蒸気爆発との類似点と相違点
 7.2 マグマ水蒸気爆発で起こる現象と爆発の証拠
 7.3 マグマ水蒸気爆発のモデル
 7.4 マグマ水蒸気爆発のメカニズム

8. 原子力発電の安全性と蒸気爆発
 8.1 原子力発電所の事故と蒸気爆発
 8.2 原子力発電の安全性と蒸気爆発

9. 蒸気爆発研究の今後の展開
 9.1 未知がいっぱい
 9.2 蒸気爆発を防ぐ
 9.3 蒸気爆発を生かす



         

自然科学書出版 裳華房 SHOKABO Co., Ltd.