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- ポピュラー・サイエンス 240
- 人も環境も藻類から
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- 元東京学芸大学教授 理博 石川依久子 著
- 四六判/210頁/定価1760円(本体1600円+税10%)/2002年2月
- ISBN978-4-7853-8740-2 (旧ISBN4-7853-8740-8)
- 「藻類」こそは生物進化の原点,生き物に満ちあふれる地球環境をつくった立て役者.けれど,いかにも地味な存在であるためか,藻類への認識はあまり深まる様子がありません.そうかと思えば,赤潮やアオコで一方的な悪者とみなされたり.
本書では,さまざまな角度から藻類の真の姿を浮き彫りにします.自らの文明によって環境を悪化させ,いまやその存続すら危ぶまれている人類の未来への鍵も,じつは藻類が握っているかもしれないのです.
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- 【目 次】
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- 1. エネルギー編
- 藻類は飛行機を飛ばす
- 太陽エネルギーを「カロリー」に
- 藻類が作るクリーンエネルギー
- 石油に代わる天然ガス
- 2. 地球生命編
- クロロフィルがすべての原点
- 藻類は酸素を排泄した
- 鉄の文明は藻類から
- らん藻という生き物
- 藻類から陸上植物へ
- 3. 地球生態編
- 海は海,陸は陸
- 海藻はどこに
- 微細藻類はどこにも
- 海藻で飾られた日本
- 海の大森林
- サンゴ礁
- アイスアルジー
- 4. 海という条件編
- 色が消える世界
- 重力のない世界
- 月の引力に従う
- 潮流に乗る
- 波に揺られる
- 膨らんで生きる
- カルシウムを信号に
- カルシウムを着る
- 5. 顕微鏡で見る世界編
- 微細藻類と大型藻類
- 微細藻類は数万種もいる
- 共生による多様化
- ミクロの世界・ナノの世界
- 目がないのに見る
- 細胞が泳ぐ
- 動物か植物か
- 6. 生殖の原点編
- 有性と無性
- 藻類の親子
- 卵と精子の起源
- メスを探す法
- 体を分断して子どもを作る
- 多産多死の戦略
- 自分が消える
- 遺伝子を消す
- 7. 悪者にされた藻類編
- 赤潮
- 水の華,アオコ
- 港湾汚染
- 毒のある海藻
- 8. 藻類は地球人類を救えるか
- 陸の森林に代わる
- 藻場をはぐくむ
- 海藻を食べる
- 藻類の薬効
- 藻類の遺伝子資源
- 藻類産業に期待する
- 藻類と共に宇宙へ
- 参考書
- 索引
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