- ポピュラー・サイエンス 274
- 複合化の世界
- −1+1は2か−
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- 元 住友化学(株) 工博 岡本秀穗 著
- 四六判/164頁/定価1870円(本体1700円+税10%)/2006年3月
- ISBN978-4-7853-8774-7 (旧ISBN4-7853-8774-2)
- 本書では,複合化を説明する対象系を複合材料に限らず,自然科学や工学で扱われている現象から広く選び,なるべく簡単なモデルを使って横断的に解説した.ある機能をもった全体システムを複数個の構成要素から作る,つまり設計するための“複合化の科学”試論ともいうべき書である.
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- 【目 次】
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- 1 全体は部分の複合化 −1+1=2か−
- 1.1 一人の手、1本の矢
- 1.2 束ねただけの3本の矢
- 1.3 糊付けした3本の矢
- 1.4 繊維で補強した材料
- 1.5 狭義の複合材料と広義の複合材料
- 1.6 複合化のパラメータ
- 1.7 一方向強化材と積層材
- 1.8 複合化と複素化
- 1.9 不得意なところは補い合う
- 2 全体を部分に分けるとどうなるか? −2=1+1か−
- 2.1 西欧流の要素論的自然観
- 2.2 東洋流の自然観
- 2.3 "分ける"ことによって"わかる"ことと,"分ける"ことによって"わからない"こと
- 2.4 部分をはかるモノサシ
- 3 部分の和により全体をつくる −1+1=2−
- 3.1 重ね合せの原理(線形系)
- 3.2 直列系と並列系
- 3.3 連続体を有限個の要素に分けた集合体で近似する
- 3.4 時間が関係する刺激‐応答系
- 3.5 材料設計における混合効果
- 4 部分の和だけでは全体はわからない −1+1≠2−
- 4.1 材料設計における複合材料
- 4.2 高分子のバネモデル
- 4.3 部分間の相互作用により全体の挙動が決まる(相転移)
- 4.4 生体における協同現象
- 4.5 ヒトデの起き上がり運動
- 4.6 部分成績が1位ならチームは1位か?
- 4.7 部分の最適化集合は全体ではない
- 4.8 多段決定過程の落とし穴
- 5 部分の中に全体がある −2=(1+1)/2+(1+1)/2−
- 5.1 トカゲの尻尾とニンジン
- 5.2 部分情報から全体像が再生できるホログラム
- 5.3 一即一切、一切即一(一即多、多即一)
- 5.4 東洋医学
- 6 複合化による全体システムの設計 −1+1>2−
- 6.1 ささやかな経験 −悪いもの同士を足し合せて良くする−
- 6.2 研究開発の評価システム
- 6.3 多人数の一面的評価より,少人数の多面的評価を
- 6.4 バラツキがある個性が活かされた全体
- 6.5 生物をまねすることと,生物に学ぶこと
- 6.6 性能が低い部品要素から高機能の全体システムをつくる(材料指数と構造指数)
- 6.7 多目の羅
- 6.8 異端な要素の適度な複合化
- 6.9 古いモノは新しいモノを活かす
- 6.10 中庸は平均か(適度の勧め)
- 6.11 最適解は1つとは限らない
- 6.12 成長・学習する複合材料
- 6.13 設計という行為
- 6.14 わが理想像
- 6.15 うまく複合化するための指針
- 付録
- A. はりの曲げ
- B. 材料設計における複合効果
- C. 協同現象の理論
- D. 研究開発集団の最適評価システム
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