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ポピュラー・サイエンス 276
量子力学はこうなっている!
−やっぱり物理は面白い−

東京都立大学名誉教授 理博 久保謙一 著
四六判/202頁/定価1760円(本体1600円+税10%)/2006年9月
ISBN978-4-7853-8776-1 (旧ISBN4-7853-8776-9)

 19世紀の終りに産声を上げた量子力学も,その誕生からおよそ1世紀が経ちました.本書では,微視的現象から宇宙の創世に至る様々な現象の理解に大いに貢献し,今なお,最先端の物理学を切り拓いている量子力学の世界を,多くの図や写真とともに大変興味深く解説しています.
 なお本書は,著者の久保先生が闘病生活の中で書き上げた遺作でもあり,物理学の面白さを少しでも多くの人たちに伝えようという先生の思いが込められた一冊です.
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『量子力学はこうなっている!』 内容見本

【目 次】  →『量子力学はこうなっている!』 目次

『量子力学はこうなっている!』 カバー
はじめに (pdfファイル)

I 量子力学への扉

1 人類が初めて量子と出会う
 1.1 光に関する奇妙な実験結果
 1.2 プランクの偉業
 1.3 人類初めての量子との出会い
 1.4 光は粒子のようにも進行する −光子−
 1.5 波動と粒子の二重性 −量子−

2 電子の示す神秘的な量子性
 2.1 波動性を示した電子
 2.2 外村 彰さんの実験
 2.3 電子の示す不思議な実験結果

3 ド・ブロイのひらめき −物質波の仮説と栄光−
 3.1 コンプトンの実験が与えた困難
 3.2 光の粒子性が困難を解決した
 3.3 貴公子ド・ブロイの登場
 3.4 珠玉の小道具

II 波動関数とは何か

4 これが量子力学の基礎方程式だ!
 4.1 古典力学 −ニュートンの運動方程式と、波動方程式−
 4.2 量子力学 −シュレーディンガー方程式−

5 古典的現象と量子現象の連続性
 5.1 単振動を量子力学で解く
 5.2 古典力学の解と量子力学の解を比べる
 5.3 絶対零度でも振動する
 5.4 量子的なゆらぎ
 5.5 波動関数とは何か
 5.6 量子の示す奇妙な確率分布

6 電子の神秘性はこうなっている!
 6.1 一個の自由粒子の量子的運動 −波束−
 6.2 波束の集中とハイゼンベルクの不確定性関係
 6.3 なぜ一個の電子が干渉するのか?
 6.4 一個の電子の示す干渉縞 −確率分布−

III 見える量子現象との出会い

7 量子は二種類に分類される
 7.1 量子には二種類ある
 7.2 二種類に分かれる基準 −スピン−
 7.3 量子現象 −ボーズ‐アインシュタイン凝縮とは−

8 カマリング・オネスは見た −超伝導現象−
 8.1 人類が最初に出会ったマクロな量子現象 −超伝導現象−
 8.2 高温超伝導体の発見
 8.3 さらに新しい超伝導体の発見

9 ビーカーが濡れる? −超流動現象−
 9.1 不思議なマクロの量子流体 −液体ヘリウム−
 9.2 超流動体と命名

10 BECが実証された! −希薄気体の量子凝縮−
 10.1 アインシュタインの予言
 10.2 中性原子気体のBEC実証実験
 10.3 ボーズ‐アインシュタイン凝縮体は量子である!
 10.4 BECはどんな新しい研究に役立つか

IV 重力の量子効果はなぜ見えにくいか

11 自然界の四つの普遍的な力 
 11.1 普遍的な力とは何か
 11.2 強い力はこうしてわかってきた

12 量子効果から生じる力
 12.1 量子効果が生み出す力
 12.2 不活性元素の作る分子結晶
 12.3 引力のファン・デル・ワールス力
 12.4 斥力のファン・デル・ワールス力

13 地球からの引力に量子効果が見えた!
 13.1 四つの普遍的な力と量子効果
 13.2 量子効果が現れる条件とは
 13.3 量子効果が現れるとは −ナトリウム原子を例に−
 13.4 テニスボールサイズの電子をもつ地球原子の場合
 13.5 テニスボールを投げ上げる場合
 13.6 中性子を投げ上げる場合

V こうしてクォークへたどりついた

14 陽子の内部構造がわかった!
 14.1 素粒子は素の粒子か?
 14.2 電子‐陽子散乱の意外な結果
 14.3 陽子が内部構造をもつことを示した、もう一つの実験

15 クォークの始まり
 15.1 クォークの提唱
 15.2 メソン、バリオン族の粒子を組み立てる
 15.3 消えた運動量
 15.4 グルーオンにたどりついた

16 クォークを検証する実験
 16.1 ビッグバンで宇宙誕生
 16.2 クォーク探しの実験
 16.3 クォークのスープは再現できたか?
 16.4 地球が引き込まれる?

VI ニュートリノ物理学は面白い

17 パウリの予言と成功
 17.1 ベータ崩壊の発見 −そもそもの始まり−
 17.2 パウリの仮説と中性子の発見
 17.3 ベータ線はこうして放射される
 17.4 ニュートリノは存在した!

18 ニュートリノ物理学の誕生
 18.1 パリティとは
 18.2 パリティ保存則とその破れ
 18.3 ニュートリノがもう二種類あった
 18.4 カミオカンデ実験施設
 18.5 一六万光年の彼方からやって来たニュートリノ

19 ニュートリノは振動する
 19.1 太陽からのニュートリノ
 19.2 ニュートリノ振動仮説 −牧 二郎さんたちの提唱−
 19.3 大気ニュートリノは振動した!
 19.4 標準理論に関わる問題

20 太陽ニュートリノ実験とカムランド実験
 20.1 太陽ニュートリノを観測する二つの実験
 20.2 太陽ニュートリノ問題は解決!
 20.3 ニュートリノは周りにいっぱい
 20.4 驚異の発想 −カムランドの実験−
 20.5 カムランドの実験でわかったこと



         

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