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ポピュラー・サイエンス 277
環境中の化学物質と健康

国立環境研究所客員研究員 薬博 青木康展 著
四六判/184頁/定価1760円(本体1600円+税10%)/2006年11月
ISBN978-4-7853-8777-8 (旧ISBN4-7853-8777-7)

 自らが創り出した化学物質により人の生活は豊かになりましたが,一方では健康リスクを負うことにもなってきました.公害病など不幸な歴史に学び,現代社会が抱える諸問題をのりこえ化学物質と賢くつきあうための方法を提言します.

『環境中の化学物質と健康』 内容見本

【目 次】

『環境中の化学物質と健康』 カバー
1.化学物質の歴史を考える
 1.1 化学物質のライフサイクル
 1.2 PCBの不幸な歴史

2.重金属の有害作用 −環境汚染物質の温故知新−
 2.1 改めて公害病を考える
 2.2 水俣病
 2.3 イタイイタイ病
 2.4 有害物質としての重金属と栄養素としての重金属
 2.5 なぜ重金属は毒性を示すのか
 2.6 鉛は貧血を引き起こす −そのメカニズム−
 2.7 重金属に対する生体防御戦略
 2.8 天然のキレート剤 −メタロチオネイン−
 2.9 メタロチオネインと重金属の毒性
 2.10 肝臓に銅が蓄積すると
 2.11 もう一つの無毒化戦略 −ヒ素はメチル化により無毒化される−
 2.12 微生物は水銀イオンを金属水銀に換える

3.内分泌撹乱化学物質を考える
 3.1 環境ホルモン問題の歴史
 3.2 内分泌撹乱化学物質とは

4.ダイオキシンの毒性について知られていること
 4.1 ダイオキシン類はどのくらい有害か?
 4.2 ダイオキシン類の発がん性
 4.3 ダイオキシン類は子供たちに影響を及ぼすか
 4.4 ダイオキシン類の内分泌撹乱作用
 4.5 ダイオキシン類の耐容一日摂取量

5.ダイオキシン類の毒性メカニズム研究から何がわかったか
 5.1 ダイオキシン類の毒性メカニズムを遺伝子発現から考える
 5.2 薬物代謝酵素とは
 5.3 化学物質による薬物代謝酵素の生合成 −ベンゾ[a]ピレンを例にして−
 5.4 薬物代謝酵素の遺伝子発現とダイオキシン類の毒性
 5.5 改めてダイオキシン類の毒性と遺伝子発現の関係を考える

6.化学物質がホルモンに及ぼす作用
 6.1 ホルモン受容体に結合して作用を示す
 6.2 ホルモンの作用を妨害する
 6.3 ホルモン代謝を促進する
 6.4 生殖機能に及ぼす影響

7.POPs(残留性有機汚染物質)
 7.1 POPsとは
 7.2 POPsの生物濃縮
 7.3 人のPOPs摂取
 7.4 POPsとどのように付き合うか

8.環境中にはどのような化学物質が排出されているか
 8.1 環境中の人工化学物質
 8.2 環境汚染物質排出・移動登録制度(PRTR制度)
 8.3 PRTR制度の集計結果からわかること
 8.4 環境モニタリング

9.環境からの化学物質の曝露 −その有害作用を明らかにする−
 9.1 環境からの化学物質暴露のリスクをどのように評価するか
 9.2 ベンゼンの有害性
 9.3 化学物質の有害性評価の進め方
 9.4 大気中には様々の化学物質が存在する
 9.5 ベンゼンの毒性メカニズム
 9.6 動物体内におけるベンゼン環

10.生物による環境測定
 10.1 環境の分析は環境の改善に大いに貢献した
 10.2 実験動物まるごとを用いた環境計測
 10.3 遺伝子導入ゼブラフィッシュを用いた変異原物質のバイオアッセイ
 10.4 ホルモン作用をもつ化学物質の検出
 10.5 これからのバイオセンサー



         

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