- ポピュラー・サイエンス 280
- エレキテルの魅力
- −理科教育と科学史−
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- 弘前大学教授 博士(学術) 東 徹 著
- 四六判/188頁/定価1760円(本体1600円+税10%)/2007年3月
- ISBN978-4-7853-8780-8
- 本書では,平賀源内をはじめとする江戸時代の科学者たちが製作したエレキテルについて紹介し,当時の科学技術のレベルや,エレキテルをどのように理解していたのかなどを考察する.またエレキテルを理科教育に利用するという筆者の試みについても紹介している.
- 【目 次】
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- プロローグ
- (1)エレキテルをとらえる2つの窓
- (ア)「教育」という窓
- (イ)「科学技術史」という窓
- (2)教育の中で活用されるエレキテル
- (ア)科学史を教育のなかで扱う意義
- (イ)復元装置の製作
- (ウ)夢のある装置,エレキテル
- (3)科学技術史の対象としてのエレキテル
- (ア)概念の受容
- (イ)器物調査の重要性
- (4)本書の構成
- 第 I 編 「教育」という窓から見たエレキテル
- 1章 復元装置を使った教育実践
- 1・1 総合的な立場から取り組まれた実践
- 1・2 物理の授業での活用
- 1・3 中学校理科での実践
- 1・4 小学校での活用
- 2章 エレキテルの概要
- 2・1 『紅毛談』(1765)に記載されたエレキテル
- 2・2 平賀源内のエレキテル
- 2・3 エレキテルの正確な紹介
- 2・4 橋本曇斎が製作したエレキテル
- 2・5 ボルタの電堆(パイル)
- 2・6 佐久間象山の電気治療機
- 3章 エレキテルを製作した人々
- 3・1 平賀源内(1728-1779)
- 3・2 橋本曇斎(1763-1836)
- 3・3 宇田川榕菴(1798-1846)
- 3・4 佐久間象山(1811-1864)
- 4章 復元装置の製作
- 4・1 橋本曇斎のエレキテル
- 4・2 簡易エレキテルの製作
- 4・3 電気治療機の復元装置
- 4・4 電磁誘導実験用のコイルを使った実験
- 第 II 編 「科学技術史」という窓から見たエレキテル
- 5章 橋本曇斎がチャレンジした書物
- 5・1 『ボイスの百科事典』
- 5・2 2種類の翻訳書
- 5・3 『ウーヘンスコヲル』
- 5・4 『ナチウル』
- 6章 伝統的自然観とエレキテル
- 6・1 人々はエレキテルをいかに理解したのか
- 6・2 伝統的な自然観を補強する装置としてのエレキテル
- 7章 現存する電気治療機の調査報告
- 7・1 全国に存在する電気治療機
- 7・2 全体的な特徴
- 7・3 電気的な特徴
- 7・4 動作の確認
- 7・5 使われた電池
- 7・6 すべての装置が動作可能
- 8章 エレキテルが製作された背景
- 8・1 江戸時代における科学技術の発達
- 8・2 本草学とオランダ趣味から生まれたエレキテル
- 8・3 パラダイム転換のもとで生まれたエレキテル
- 8・4 洋学の視野拡大とボルタの電堆
- 8・5 佐久間象山の生き様が凝縮された電気治療機
- 8・6 電気治療機に注がれる視線
- エピローグ
- 参考文献
- 図の出典一覧
- 人名・書名索引
- 事項索引
- コラム1 高義亭
- コラム2 フランクリンの実験が行われた松
- コラム3 平賀源内先生遺品館
- コラム4 橋本曇斎の墓
- コラム5 津山洋学資料館
- コラム6 技術工芸博物館
- コラム7 岸和田高校で所蔵されている誘導コイル
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