施設の全体構成

(1)
線型加速器
線型加速器は電子ビームの一番最初の部分です. まず(TVのブラウン管と同じ原理の)電子銃で電子を発生し, その電子を直線上で1GeVまで加速します(初期加速). 線型加速器の全長は140mです.
(2)
シンクロトロン
シンクロトロンは(線型加速器で初期加速された) 電子をさらに加速する中心部分です. これは楕円形の加速器で, 線型加速器から送られてきた電子ビームを, さらに8GeVまで加速します. シンクロトロンの周囲の長さは396mです.
(3)
蓄積リング
蓄積リングは放射光を発生する中心部分です. シンクロトロンから送られてきた電子ビームは, 蓄積リングの中で保持されます. そしてここで発生した放射光は, リングの周囲にたくさん配置された実験ビームラインへ送り出されます. 放射光を発生すると電子ビームは減速するので, エネルギーが落ちないようにところどころで加速しながら, 20時間ぐらい電子ビームを蓄えることができます. 蓄積リングの周囲の長さは1436mです.
(4)
実験ビームライン
実験ビームラインは最終的な実験部分です. 蓄積リングで発生した放射光は, 各所に配置された実験ビームラインへ送り込まれて, 各種の放射光実験が行われます. ビームラインの長さは, 通常のものは80mですが, 中尺と呼ばれる300mのものや, 長尺と呼ばれる1000m(建設中)のものもあります. ビームラインは全部で62本ほど作られる予定ですが, 現在19本ほどが稼動しています.
資料提供:財団法人 高輝度光科学研究センター


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