X線連星の
種類 |
X線連星の場合も,その活動の特徴によって,
いくつかのタイプにわかれます.
(1)X線バースター
(2)ラピッドバースター
(3)X線パルサー
(4)X線新星
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X線光度変化 |
動画(avi file 3MB)
宇宙科学研究所
宇宙へ飛び出せビデオシリーズ
第4巻「ブラックホールをさぐる」より. |
X線バースター |
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X線バースター(X-ray burster)は,
数時間から1日くらいの間隔で繰り返し爆発(バースト)を起こしているX線星です.
X線バースターは数秒程度で急激に明るくなり数十秒かけて暗くなります.
バースト時には太陽のおよそ10万倍もの明るさで輝きます.
X線バーストは,磁場の弱い中性子星表面に降り積もったガスが,
爆発的に核融合を起こしたものだと信じられています.
激変星の一種の新星(白色矮星表面での核爆発)に似ていますが,
中性子星の重力は白色矮星よりはるかに強いので,
X線バースターでは爆発はX線の領域で起こり,
またより頻繁に起こります. X線バースターX1636のX線光度曲線
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ラピッドバースター |
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ラピッドバースター(rapid burster)は,
不規則で小規模なX線増光を頻繁に起こすX線連星です.
ラピッドバースターの原因は, 中性子星のまわりの降着円盤の不規則な変動だと考えられています.
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X線パルサー |
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X線パルサー(X-ray pulsar)は, X線で非常に規則的なパルスを放射している天体です.
X線パルスの周期は,数秒から数十秒のものが多いですが,
中には数十ミリ秒のものや10分を越えるものもあります.
X線パルサーは高質量X線連星で若いシステムなので,
中性子星の磁場も非常に強く,
降着円盤からきたガスは中性子星の磁極に降り積もります.
その結果,中性子星の両磁極は明るく輝き,
中性子星の自転に伴って見え隠れしてX線パルスとなるのでしょう.
すなわちX線パルスの周期は中性子星の自転周期にほかなりません.
X線パルサーHer
X-1のX線光度曲線
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X線新星 |
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X線新星(X-ray nova)は,X線の領域で急激な増光を示すX線星の一種で,
X線トランジエント(X-ray transient)と呼ばれることもあります
(まぎらわしいですが,激変星の一種の新星とは異なる現象です).
ほんの数日で(X線領域で)何十倍も何百倍も明るくなり,
数ヶ月から1年ぐらいかけて徐々にもとの明るさに戻ります.
降着円盤がある種の不安定を起こして急激に明るくなったために,
X線新星現象が生じるのではないかと思われています.
X線新星GS2000のX線光度曲線
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X線変動 |
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X線連星の明るさ(X線領域)はしばしば時間的に変化しますが(X線変光),
ブラックホールを含むX線連星の場合,きわめて不規則に変動するようにみえます.
実際,ブラックホール連星はくちょう座X-1の時間変動などはカオス的で,
いくらでも短い時間変動が見つかっており,
いわゆる複雑系で現れる1/f
ゆらぎの特徴を示しています. はくちょう座X-1のX線光度曲線
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