おおぐま座 UMa

星座解説 天体解説

おおぐま座.北斗七星を含む北天の大きな星座.
設定者はプトレマイオス.

おおぐま座といえば,北斗七星です. 北の空にひしゃくを形作る七つの星は, 昔も今も方角を知る星座として利用されてきました.

北斗七星の中で特に有名なのが,アルコルです. 柄の先から二つ目のこの星は有名な二重星で, 昔から視力検査に使われていました.

ギリシャ神話では,おおぐま座は,熊になったニンフ・カリストの姿です. 若くて美しかったカリストは,大神ゼウスに気に入られ, 二人の間にはかわいい男の子アルカスが生まれます. しかし,それを許さなかったアルテミスは, 呪いでカリストを熊に変えてしまいました. その後,大きくなったアルカスは,猟に出かけた森で母親に出会いますが, その熊が自分の母親だとは気づきません. カリストもすっかり自分が熊であることを忘れて, アルカスへ駆け寄りましたが,それにびっくりしたアルカスは, 熊へ向かって弓を引こうとしました. この様子を見ていたゼウスは,大慌てで二人を空に挙げて, カリストをおおぐま座,アルカスをこぐま座としたそうです. また別のお話では,アルカスはうしかい座のアークトゥルスとなって, おおぐま座を追いつづけている,とも言われています.

主な恒星
符号 名前 意味 等級 距離
α ドゥベー 大熊の背 1.8 120
スペクトル型:K0IIIa+F0V.実視連星
β メラク 2.4 79
スペクトル型:A1V.おおぐま座運動星団
γ ファクダ 大熊の股 2.4 84
スペクトル型:A0V.おおぐま座運動星団.高速自転星
δ メグレス 付け根 3.3 53
スペクトル型:A3V.おおぐま座運動星団.高速自転星
ε アリオト 1.8 81
スペクトル型:A0p.おおぐま座運動星団.A型特異星(磁変星)
ζ ミザル 腰布 2.3 78
スペクトル型:A1Vp+A1m.おおぐま座運動星団.アルコルと二重系.ミザル自身は連星系で,離角が14秒もあるので小望遠鏡でも容易にわかります.この両星とも分光連星なので,ミザルは4重星系です.
η アルカイド 大きい 1.9 100
スペクトル型:B3V.中国名が破軍星

星雲・星団・その他
M 97(NGC 3587):ふくろう星雲
梟の顔に似た形状の惑星状星雲.かつてイギリスのロス卿が梟に見たそうです.
M 81(NGC 3031)
Sb型の渦状銀河.M82とペアを作ります.距離は650〜900万光年.
M 82(NGC 3034)
強い電波源となっている不規則銀河.M81とペアとなっています.中心から爆発状に水素ガスが伸び,活発に恒星が誕生しているようです.
M 101(NGC 5457)
渦状銀河.ちょうど正面向きになったSc型で,発達した渦状腕が特徴.