M1の可視光スペクトル
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ぐんま天文台のGCS(小型低分散分光器)で観測した,
かに星雲M1の可視光スペクトルです.
上のスペクトル画像は,横方向が波長,縦が空間方向を表し,
下のグラフは,横方向が波長,縦が光の強さを表しています.
かに星雲は約1200km/sという速さで膨張しているため, スペクトル画像上では,輝線がドップラー効果によって円弧状に曲がり, 反対側に膨脹する成分も見えています. また,吹き飛んでいる物質は場所ごとに違いがあり, 輝線の強さも場所ごとにずいぶんと異っています. なお,水平方向の直線状のスペクトルは,スリットに重なった星のものです. 一方,下のグラフの中の[OIII]や[NII]や[SII]は, 酸素や窒素やイオウの禁制線と呼ばれる特殊なスペクトル線で, 非常に希薄なガスから放射される特徴的なスペクトル線です. これは典型的なガス星雲のスペクトルです. 資料提供:河北秀世,衣笠健三(群馬県立ぐんま天文台) |
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