雑誌『生物の科学 遺伝』 2001年9月号(55巻5号)
B5判/112頁/


【特集 生物の採集と法制度/幸丸政明 企画】
     環境破壊が進む現代においては,豊かな自然を前提とした「採集」という行為は慎重に行われるべきでしょう.生物多様性を守るための法制度の趣旨としくみ,そして生物の置かれている現状を理解することは,「採集」を持続的に可能にするため,アマチュア・ナチュラリストにも研究者にも求められる姿勢です.
     ここでは,複数の省庁の規制があるなど わかりにくい法制度の全体像を総括して説明し,許可申請の実際なども提示します.また,研究・教育の現場で遭遇する場面を想定したQ&Aも用意しました.
    特集にあたって(幸丸政明)
    生物の保護に関する法律・法制度(幸丸政明)
      1.生物を保護する法律や制度
      2.法律・条例によって保護されている生物
      3.保護地域における生物の保護と採集
      4.水生生物の採集
      5.生物採集の際に必要な手続きの実際
    野生生物を保護する国際条約 −ワシントン条約を中心に(金子与止男)
    海外での昆虫類などの採集規制 −東南アジアを中心に(斉藤秀生)
    保全施策を支える自然環境の調査 −生物多様性センターと自然環境保全基礎調査(笹岡達男)
    生物採集Q&A集(幸丸政明)
シリーズ 検証・20世紀の生物科学
    進化学 −ヘッケル『生命の不可思議』からグールド『ワンダフル・ライフ』まで(三中信宏)
    分類学から多様性の生物学へ(岩槻邦男)
【トピックス】
    新しいヒト属の祖先化石発見(馬場悠男)
    二枚貝の貝柱の筋肉がエネルギー消費を抑えて閉殻を維持できるしくみに迫る(山田 章)
    世界初の古代DNAデータベースを構築(斎藤成也・植田信太郎)
【連 載】
    表紙によせて/秋の使者(中込弥男)
    ウチの目玉収蔵品 紹介/Collection 3 千葉県立中央博物館
                     Collection 4 ミュージアムパーク茨城県自然博物館
    がんばれ 生物クラブ(2)/熊本県立熊本西高等学校−ユリカモメの研究(田畑清霧)
    万里同符−トロイカエッセイ/幸福の進化論・序章(澤口俊之)
    動物たちの気になる行動(29)/カメムシの集合生活(藤崎憲治)
    病気と遺伝子(5)/血圧と遺伝子(中込弥男)
    環境保全の現状(22)/北海道の高山植物の現状とその保護(小野有五)
    実験・観察のページ(288)/ウキクサの花芽形成とサリチル酸の関係(大西卓嗣・山田裕史)
    研究室・研究所めぐり(35)/北海道大学大学院 地球環境科学研究科
      地圏環境科学専攻 地球環境変遷学講座(南川雅男)
    生物ライブラリー
      『動物世界遺産 レッド・データ・アニマルズ6.アフリカ』
      『食中毒の科学』
      『百寿者の秘密
      『有明海の生きものたち』
      『虫を愛し,虫に愛された人 −理論生物学者 W. ハミルトン



         

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