雑誌『生物の科学 遺伝 2002年5月号(56巻3号)
B5判/112頁/

【特集 I 動物行動学の展望/桑村哲生 企画】
    動物の行動を科学的に理解しようとする「動物行動学 = エソロジー」分野は,20世紀半ばに成立した.その後,集団遺伝学や神経生理学等の成果を踏まえ,変貌を続けるこの分野を展望する.
    (本特集は,日本動物行動学会の20周年記念シンポジウムの演者・コメンテーターの一部の方に執筆していただいた)
    特集にあたって(桑村哲生)
    チョウの見る世界を探る −色覚の生理学と行動学蟻川謙太郎・木下充代・竹内勇一)
    鳥の歌行動の機能と進化 −脳内遺伝子発現様式とニューロエソロジーの新展開(池渕万季)
    ノネコの交尾における近親回避 −遺伝マーカー・マイクロサテライトDNAの応用石田泰子
    行動生態学の求める答えとは? −軟派と硬派の狭間から(工藤慎一)
    進化的人間行動研究の新たなる黎明 −「進化した心理メカニズム」の導入平石 界
【特集 II 進化とゲーム/巌佐 庸 企画】
    メイナードスミスによる「進化的に安定な戦略 = ESS」の提唱以来,生物の適応の姿をとらえるために数学モデルを用いる研究手法は,さまざまな成果をあげてきた.この分野の取組みを紹介する.
【シリーズ 検証・20世紀の生物科学/遺伝編集委員会 企画】
【今月の解説】
    動物実験と動物愛護 −動物実験を行う際に考えるべき倫理問題(藤平篤志・篠田元扶)
【一般記事】
    沼田 眞先生を偲ぶ(大澤雅彦)
    湯浅 明先生を想う(田中健治)
【トピックス】
    植物の受精のしくみを解明(東山哲也)
    核実験場付近の住民にみられた遺伝子の突然変異(中村 典)
    日本分類学会連合の設立(加藤雅啓)
【連 載】
    表紙によせて/いのちの誕生(今泉真也)
    ウチの目玉収蔵品 紹介(6)/
      穂別町立博物館
      伊豆アンモナイト博物館
    万里同符 −トロイカエッセイ/(田沼靖一)
    環境保全の現状(26)/
      和歌山のタイワンザル問題 −移入種問題の良き先例に仲谷 淳・前川慎吾)
    生き物の不思議(3)/
      ザリガニの共食いは本当に「愚かな行為」なのか?(砂川光朗
    かたちと遺伝子(3)/
      食虫植物の作り方 −ゲノムと発生と進化の悩ましい問題 その2長谷部光泰
    実験・観察のページ(292)/
      冷凍イカの解剖マニュアルと解剖図譜の製作(渡辺採朗)
    がんばれ 生物クラブ(6)/
      気仙沼西高等学校(高橋誠子)
    研究室・研究所めぐり(39)/
      東京都立大学大学院・理学研究科・牧野標本館(若林三千男)
    生物ライブラリー/
      『生物進化とハンディキャップ原理』
      『熱帯雨林の生態学』
      『地形植生誌』



         

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