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物理を微分形式で語り直す
−座標系によらない美しい表現を求めて−
Revisiting Physics with Differential Forms
−In Search of Elegant Expressions Free from Coordinates−
琉球大学准教授 理博 前野昌弘 著
A5判/336頁/定価 円(本体 円+税10%)/2026年9月下旬刊行予定
ISBN 978-4-7853-2281-6
C3042
電磁気学や解析力学などをはじめ、「微分形式」を使うことで物理的内容の記述がすっきりとした形に整理される例が数多く存在する。しかし、物理を学ぶ方の中には、微分形式に対してどこか“とっつきにくさ”を感じている人も多いのではないだろうか。
本書では、著者オリジナルの創意工夫をふんだんに凝らしつつ、微分形式によって物理がどのように“語り直される”のか、その有用性がスムーズに理解できるよう解説している。「座標変換」をひとつの鍵として 1-form(1次微分形式)とベクトル場を導入し、そこから高次の微分形式への拡張、微分形式の外微分と積分を考え、そのうえで電磁気学、解析力学、熱力学、相対論などを、微分形式を用いて記述し直していく。
なお、紙幅等の都合で収録が叶わなかった「拘束系の解析力学」などの話題は、著者による本書のサポートページで付録として公開したので、大いに活用してほしい。
かつて微分形式の修得を挫折してしまった物理学科の方、あるいは電磁気学や解析力学などを学んだうえで、もう一歩深く勉強したいと思っている方に、ぜひお薦めしたい書籍である。
サポート情報
1.2次元平面ベクトルを使ってウォーミングアップ
2.共変成分・反変成分と 1-form
3.ベクトル場
4.$n$-form
5.$n$-form の外微分と積分
6.Lie 微分と共変微分
7.form で語る電磁気学
8.解析力学と熱力学
はじめに
1.2次元平面ベクトルを使ってウォーミングアップ
1.1 ベクトルと基底
1.1.1 基底
1.1.2 2次元平面ベクトルの「基底の取り直し」
1.2 2次元の直交座標と極座標の例
1.3 斜交座標系の例としての Galilei 変換
1.4 ウォーミングアップのまとめ
2.共変成分・反変成分と 1-form
2.1 微小変位と微分演算子
2.2 共変成分と反変成分
2.2.1 変換則
2.2.2 1-form
2.2.3 例:力と仕事は 1-form で表される
2.2.4 $\color{#d9b9d9}{|}\mathrm{d}x^{\color{magenta}{\mu}}\color{#d9b9d9}{\rangle}_{\bullet}$ の意味:スロット
2.2.5 力の 1-form を座標変換する
2.3 外微分(予告編)と全微分
2.3.1 外微分(予告編)
2.3.2 0-form の外微分と全微分
2.4 1-form の積分
3.ベクトル場
3.1 ベクトル場とは
3.2 内部積とスロット
3.3 1-form とベクトル場の比較
3.4 積分曲線
3.4.1 積分曲線とは
3.4.2 積分曲線の2次元の例
3.5 積分曲線のパラメータと座標
3.6 ベクトル場と積分パラメータ
3.6.1 二つのベクトル場
3.6.2 ベクトル場の交換関係
3.7 ベクトル場のもう一つの定義
4.$n$-form
4.1 2-form
4.1.1 二つのスロットを持つ量
4.1.2 面積に付随する量
4.1.3 2-form の積分
4.1.4 2-form と,その3次元空間内での意味
4.2 ベクトル場と 2-form の内部積
4.3 2-form の例:磁束密度
4.4 3-form,そして $n$-form
4.5 ベクトル場と $n$-form の内部積
4.6 $n$-form の積分という操作
5. $n$-form の外微分と積分
5.1 外微分
5.1.1 外微分という演算
5.1.2 1-form の外微分
5.1.3 $n$-form の外微分
5.2 1-form の積分と Stokes の定理
5.2.1 Stokes の定理(1-form 版)
5.2.2 $N$ 次元多様体内での Stokes の定理
5.2.3 closed な 1-form の積分は経路に依らない
5.3 複素積分と微分形式
5.4 Stokes の定理の拡張
5.5 外微分の部分積分
5.6 体積要素と Hodge dual
5.6.1 $N$ 次元体積要素
5.6.2 計量テンソル
5.6.3 Hodge dual の心――3次元の例
5.6.4 $\color{magenta}{\star}$ 演算
5.6.5 $\color{magenta}{\star}$ 演算と縮約
5.7 余微分
6.Lie 微分と共変微分
6.1 Lie 微分
6.1.1 スカラーの Lie 微分
6.1.2 ベクトル場の Lie 微分
6.1.3 1-form の Lie 微分
6.1.4 $n$-form の Lie 微分
6.1.5 計量テンソルの Lie 微分
6.2 Lie 微分と外微分の関係
6.3 完全積分可能性
6.3.1 積分可能条件と移動の保存量
6.3.2 積分可能条件の拡張
6.3.3 移動を表すベクトル場と保存量
6.3.4 到達場所が広がってしまう例
6.3.5 ベクトル場の交換関係と葉層構造
6.4 Frobenius の定理
6.4.1 ベクトル場で表現した Frobenius の定理
6.4.2 form で表現した Frobenius の定理
6.5 共変微分
6.5.1 一般座標変換に対する共変微分
6.5.2 位相変換に対する共変微分
6.5.3 Yang-Mills 場
7.form で語る電磁気学
7.1 3次元空間の静電場
7.2 3次元空間の静磁場
7.2.1 $H$ は 1-form だが,$B$ は 2-form
7.2.2 3次元空間内の電流密度は 2-form
7.3 静電磁場とベクトルポテンシャル
7.3.1 ベクトルポテンシャルの導入
7.3.2 電流および運動する荷電粒子の位置エネルギー
7.3.3 ゲージ変換
7.4 4次元への移行
7.4.1 3次元空間→4次元時空への移行の手順
7.4.2 4次元時空の電流密度は 3-form
7.5 電磁場の Lorentz 変換
7.5.1 form で行う Lorentz 変換
7.5.2 「運動する磁束密度」は電場を伴う
7.5.3 電流の作る磁束密度の式を Lorentz 変換で出す
7.6 $F_{\color{#b2b2b2}{\bullet\bullet}}$ から作られるスカラー
8.解析力学と熱力学
8.1 正準形式の力学
8.1.1 正準形式は何が嬉しい?
8.1.2 symplectic form への準備
8.1.3 symplectic form
8.1.4 ハミルトニアンベクトル場
8.1.5 Poisson 括弧
8.1.6 最小作用の原理を外微分で表す
8.1.7 Jacobi 恒等式
8.2 正準変換
8.3 正準変換の例
8.3.1 点変換
8.3.2 座標と運動量の交換
8.3.3 調和振動子の角変数
8.3.4 正準変換ではない例:調和振動子の複素座標
8.4 正準変換の母関数
8.5 無限小正準変換と Poisson 括弧
8.6 Liouville の定理
8.7 熱力学
8.7.1 完全な熱力学関数の全微分
8.7.2 熱力学的状態空間における 2-form
8.7.3 熱力学第2法則は何をする?
終わりに
参考文献
付録A 数学に関する補足
A.1 $\mathrm{atan2}$
A.2 Kronecker のデルタ,置換符号と Levi-Civita 記号
A.2.1 Kronecker のデルタ
A.2.2 置換符号の記号 $\color{magenta}{\mathrm{sgn}}[\ ]$
A.2.3 2次元と3次元の Levi-Civita 記号
A.2.4 任意の次元での Levi-Civita 記号
A.3 線形代数
A.3.1 双線形性
A.3.2 行列と行列式
A.3.3 行列のランクと逆行列
A.4 ウェイトと密度
A.5 多様体
A.6 Legendre 変換
付録B form で語る一般相対論
B.1 共変微分と平行移動
B.2 曲率(form を使わずに)
B.2.1 Riemann 曲率
B.2.2 Riemann 曲率に関する恒等式
B.2.3 Ricci 曲率とスカラー曲率
B.3 微分形式による曲がった時空の表現
B.3.1 多脚場 1-form
B.3.2 局所 Lorentz 系のベクトルの共変微分
B.3.3 多脚場 1-form とスピン接続 1-form の関係
B.3.4 局所 Lorentz 座標のベクトルで計算する曲率
B.3.5 Einstein 方程式
B.4 具体的な曲率の計算
B.4.1 練習:$2$ 次元球
B.4.2 練習:$3$ 次元極座標
B.4.3 球対称定常な $3+1$ 次元時空
付録C 練習問題のヒントと解答
C.1 練習問題のヒント
C.2 練習問題の解答
索引
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前野 昌弘
まえの まさひろ
1985年 神戸大学理学部物理学科卒業。1990年 大阪大学大学院理学研究科博士後期課程修了。主な著書に「よくわかる」シリーズ、「ヴィジュアルガイド物理数学」シリーズ(以上、東京図書)、『今度こそ納得する物理・数学再入門』(技術評論社)、『量子力学入門』(丸善出版)などがある。
(情報は初版刊行時のものから一部修正しています)










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