星のスペクトルを見ると,紫から赤までのびた連続スペクトルの上に種々の線スペクトルが重なっています.
主にその線スペクトルの出現パターンから星のスペクトルをいくつかの型に分類することができます.
現在では表面温度の順番にスペクトルを分類するハーバード式分類法(O,B,A,F,G,K,M型)を基本とし, それに星の真の明るさ(絶対等級)を表す光度階級(I〜V)を添えたMK分類が使われています. A0V,M2IIIといった書き方がMK分類の方式です. 星のスペクトル型がわかると, およその表面温度や星の大きさなど基本的な星の特徴を簡単に知ることができるので非常に便利です. 恒星の天文学でさかんにスペクトル型が使われているのはそのためです. なお,線スペクトルを精細に調べると表面温度や星の大きさ,化学組成,大気の動き,自転速度など, 星の物理的性質をさらにくわしく知ることができます.これをスペクトル線解析と呼んでいます. ここでは恒星の分類について,代表的な分類法2種類を紹介しましょう. |
代表的な恒星のカラースペクトルです.
温度系列の順番に並んでいて,上の星ほど高温,下ほど低温です. この画像では,細かい線スペクトルの様子はよくわかりませんが, A型あたりでHα,Hβ,..., といった水素のバルマー線が強くなる様子や, 低温の星になるにつれて連続スペクトル中に吸収線や分子の吸収帯 (幅の広い黒い部分) が目立ってくる様子がわかります. |
超巨星(Ia,Ib) <波長380−700nm> | ||||
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O7-A0型 |
A0-G0型 |
G0-M2型 |
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超巨星(Ia,Ib) <Hα656.3nm 付近> | ||||
O9.5-B8型 |
A0-M2型 |
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巨星(III) <波長380−700nm> | ||||
B0-F0型 |
F0-K0型 |
K0-M0型 |
M0-M6型 |
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巨星(III) <Hα656.3nm 付近> | ||||
O6-O9.5型 |
B0-B8型 |
A0-F0型 |
G0-G9型 |
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K0-K6型 |
M0-M7型 |
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主系列星(IV,V) <波長380−700nm> | ||||
O7-A0型 |
A0-G0型 |
G0-K7型 |
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主系列星(IV,V) <Hα656.3nm 付近> | ||||
O6-O9.5型 |
B0-B5型 |
B6-A0型 |
A0-A7型 |
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F0-G0型 |
G0-G8型 |
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低温度主系列星(V) <波長650−1000nm> | ||||
L0-5型 |
L6-8型 |
T型 |
光度階級
<波長380−700nm> | |||
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O7型 I, V |
B0型 I, III, V |
A0型 I, III, V |
F0型 I, III, V |
G0型 I, III, V |
K0型 I, III, V |
M2型 I, III, V |
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<Hα656.3nm 付近> | |||
B0型 Ia,Ib,III,IV,V |
A0型 Ia,Ib,III,IV,V |
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